安倍元首相が銃撃され殺害された事件から8日で1年を迎えます。奈良市の現場には、献花台が設けられる予定ですが、市民団体が混雑や交通トラブルが起こる恐れがあるとして、献花台を設置しないよう奈良市に要望書を提出しました。 去年7月、奈良市の近鉄・大和西大寺駅前で、選挙演説をしていた安倍元首相が、銃で撃たれ死亡しました。 事件から1年になる8日、現場には献花台が設けられる予定です。自民党の有志らが警察に道路の使用許可の申請を出し認められましたが、これに対し、6日、市民団体が奈良市役所を訪れ、市に対し、献花台を設置しないよう求める要望書を提出しました。 市民団体は、「事件直後に献花台が設置され、長蛇の列となった。駅前を通ることができないなどの苦情も多く寄せられた」などとしています。
現場周辺では事件前から奈良市が再開発事業を進め、ガードレールを撤去し車道とする予定でしたが、事件を受け、計画を見直し、慰霊碑を設置する案などを検討していました。 しかし、有識者や地域住民から「歩行者や車両の安全が最優先」などの意見が相次いだことから、市は慰霊碑の設置を見送り、当初の計画通り現場を車道にすることを決めました。 一方で、自民党奈良県連の議員など有志らが設置費用をまかない、奈良市内の霊苑に慰霊碑が設置され、7月1日除幕式が行われました。 慰霊碑は「留魂碑」と名付けられ、安倍元首相の筆跡をかたどった、「不動心」という言葉が刻まれています。 有志の1人で奈良県選出の高市早苗大臣は今週行われた会見で、「安倍元総理の代わりになる方なんていうのは誰1人いないと思っている。日本の国力を強くするために、たいへんな貢献をされた方。諸外国の要人とのパイプも非常に太く、また深くお付き合いをされた方でございます。それだけの人脈と経験を持たれた方っていうのはなかなか出てこないだろうなと思います」と話し、法要に参列する意向を示しています。