イギリスの培養肉企業Higher Steaksが社名をUncommonに変更した。Uncommonは、社名変更にあわせて、シリーズAラウンドで3000万ドル(約43億円)を調達したことを発表した。
ラウンドはBalderton CapitalとLowercarbon Capitalが主導し、Open AIのCEOであるSam Altman氏なども出資した。Uncommonは調達した資金で、ケンブリッジテクノパークにあるパイロット施設の生産を拡大したいと考えている。
RNA技術で培養肉他社と差別化

出典:Uncommon
Uncommonは動物から少量のサンプルを採取し、最先端技術を使用して単離された細胞を人工多能性幹細胞(iPS細胞)に変換する。これはリプログラミングと呼ばれるプロセスで、京都大学の山中教授が2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞した技術となる。
iPS細胞は無限に成長する能力と、他の細胞に変化する能力を持つ。UncommonはiPS細胞を増やした後、最適化された異なる栄養液を細胞に与え、脂肪細胞や筋肉細胞に分化するように誘導している。
Uncommonの共同創業者であるBenjamina Bollag氏は「RNA技術を活用した唯一の培養肉である当社は、世界最大のタンパク質会社になるうえで競争上の優位性があると信じています」と述べ、プロセスでRNA技術を使用している点が他社との差別化ポイントになることを強調している。
公式サイト・特許明細書に基づくと、Uncommonはまず、Sox2、KLF4など初期化に必要な転写因子をRNAとして細胞に導入する。次いで、細胞の中でRNAがタンパク質(転写因子)に翻訳されることで細胞の初期化、つまりリプログラミングが起こり、iPS細胞が樹立されると考えられる。導入されたRNAは分解されるため、細胞に悪影響を及ぼすことはないと特許明細書で述べられている。
Uncommonは、生産する組織の種類に応じて「フォワードプログラミング」と呼ばれる特許取得済みのRNA技術を使用し、分化した細胞に関連する特定のタンパク質の生産を促進しているという。
年末までに200Lへスケールアップ

出典:Uncommon
AgFunderの報道によると、Uncommonは、植物タンパク質と培養肉、培養脂肪を組み合わせたハイブリッド製品を発売する予定だ。足場を使用する方法も検討しているが、最初の製品は、足場を使用せずに押出技術によるハイブリッド製品となるという。
年末までに200L規模に拡大することを目指している。シンガポール、イギリス、欧州市場に関心があるようだが、欧州は規制が厳しく、まだどの培養肉企業も欧州当局に申請をおこなっていないため、アメリカも視野にいれているようだ。
参考記事
https://uncommonbio.co/our-science/
Cultivated meat startup Higher Steaks raises $30 million series A, rebrands as ‘Uncommon’
WO2021250407A1:Systems and methods for cell conversion
その他参照
細胞編集のツールとしての mRNA―生存促進 mRNA を用いた疾患治療と細胞移植
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アイキャッチ画像の出典:Uncommon








































