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えむえむおー! 僕なりの楽しみ方 作者:鴨鹿
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囁く悪意

「それで貴様に何のメリットがある?まさか私を侍らせたいのか?」

「いや別に、絶対生活力無さそうだからそんな酷な事は言いませんよ」

「貴様ァ!」

 だって戦闘スタイルとかその他諸々を考えたら絶対パワーで全部解決しそうな感じなんだもん


「言って良い事と悪いことがある!」

「じゃあ僕より生活力があるって所を見せてくれます?」

「それは……」

「そもそも天使に生活力は必要ないでしょう?なら無理しなくて良いから」

 種族が違うなら必要になる能力だって違う。だから無理に合わせなくて良い


「じゃあどうしたいんだ!」

「迷惑を掛けたからお詫びがしたい。それだけの感情ですよ」

「それは……何か納得がいかない!」

「納得いかないって言われても困るんですが、で、どうするんです?ここに住みます?それともまた当ての無い旅でもしますか?」

「それは……」

「これが最後です。もう二度と言いませんよ?ここに住むのか、住まないのか。今すぐ決めてください」

 判断の時間を与えない。こういう事はもっと時間を掛けて決める事だろうけど、面倒だから畳みかけてさっさと決めてもらう


「分かった住む!住ませてもらう!」

「それで良いんです。じゃあ改めて……あの時は不必要なまでに痛めつけて申し訳ありませんでした」

「なっ!?」

 周りにまだ人が居るけど土下座で天使に謝る。誠意は示すべきだろう


「おいおい!指揮官が土下座してるぞ!?」

「え?何で?」

「分からん……俺には指揮官の考えている事が全く分からん!」

 別に天使とのやり取りを見てない人達に理解してもらおうなんて思っちゃいない。僕は筋を通したいだけだ


「貴様はいったい私をどうしたいんだ!?」

「好きにしたら良いんじゃないかな。僕は悪いことをしたから謝る。許すか許さないかを決めるのは君次第だ」

「訳が分からない……本当にどうしたら良いんだ?」

「ねぇそこのあなた?こんなチャンス滅多にない事よ?」

 天使に近付く悪魔キリエさん有り。一体何を吹き込むつもりだ?


「コイツが頭を下げる事が有っても土下座までするのはまず無いわ。しかも好きにして良いって事は頭を踏みつけたって良いのよ?」

「……なるほど?」

 ちょっと?なんでそうなるの?いやまぁ、確かに頭を踏みつけたりしたけどさ?


「良い?こういう時は一気に踏みつけるんじゃなくて、徐々に体重を掛ける様に踏みつけるのがより屈辱的で良いのよ?後は裸足でやる方がより楽しめるわ」

「こ、こうか?」

「そうそう、もっと頭全体を撫で回す様に踏みつけると良いわよ?」

 なんですんなりキリエさんの頭踏みつけ講座を受け入れてるんですか?頭を踏まれてるけど、僕にはそういう趣味は無いから嬉しくもなんともない


「羨ましい……」

「ドMの夢が広がってる……っておい!ハスバさんを止めろ!あの花園に変態を入れさせるな!」

「「「応!」」」

「何をする!あの場には私が行かなければ!」

 僕が頭を踏まれている間に何か別の争いが起こっている気がするけど、あれは明確な戦闘行為じゃないから問題ないのかな?


「なんだ……この湧き上がる感情は」

「それは嗜虐心。今の貴方には初めての感覚じゃないかしら?どう?人を虐げるって楽しいでしょう?」

「楽しい……いやいや!こんな悪感情は良くない!」

「自分には素直にならなくちゃ?」

「あのちょっと?頭の上にもう一つ足が増えたように感じるんですが?」

「天使が翼で飛んで両足で踏みつけているだけよ?」

【察気術】で見えているからその言い訳は通らない。というか絶対キリエさん楽しんでるよね?


「別に無理して良い事だけしようとしなくて良いじゃない。もう貴方はコイツの土地に住んでいるただの住人でしょ?天使だ何だそんな事は一度忘れてしまいなさい?」

 キリエさんもかなり口が回るというか、天使くらいなら簡単に騙しているな。【詐欺師】とかそういう称号もありそう


「そ、そうだな!たまにはこういう事をしても良いんだよな?ふ、ふふふ。尊敬していた相手を足踏みにするというのはとても悪い事をしている気もするが、とても気分が良い」

 背徳的な事に興味が出てしまった。これキリエさんとずっと一緒に居たらその内堕天使になりそうだ……


「私には指揮官を助けるという大事な役目があるんだ!だからそこをどけぇ!私が代わりに踏まれなければならないんだ!」

「変態理論で論理武装してんじゃねぇ!」

「絶対通すな!この変態が向こうまで行ったら俺達の負けだ!指揮官を守れ!」

 なんでまだイベント戦みたいな事やってるんだろうね?




「私はどうかしていた……」

 どうやらある程度時間が経った事で正気に戻った様だ。顔を覆って激しく後悔してる


「あら?もう正気に戻っちゃったのかしら?」

「キリエさん。あんまりやり過ぎたら流石に僕も黙って居ませんよ?」

「ハチを踏みつけるなんてそんなチャンス私が逃すとでも?もう踏みつけている間は気持ちが昂って最っ高の気分だったわ!」

 この人本当に良い顔で笑うな?ドSの鑑だよ本当に


「まぁ一応一件落着って事で良いのかな?」

 これでイベント関連の事は全部終わったと思う。明日はまた新しい事が始まるだろうし、何とか今日中に全部終わったと喜んでキリエさんの事は不問にしよう。これに関しては深く追求したら僕も何らかの代償を払わなくてはならなくなるかもしれない。踏まれて嬉しくなっちゃう様なハスバさんみたいにならない為にはここは見逃すべきだろう。あっドクターとフレンド登録しておかないと



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