一安心
「一応指揮官の土地になるけど魔王軍の奴は自由に使って良いって事か?」
「僕としては皆で勝ち取った勝利の報酬としてここを貰えたと思っているのでそれならここに居る全員が使える権利を持っていると思ってます。まぁ用地の取り合いとかは勘弁してほしいのでそうなった場合はくじ引きとかで決めてください」
面倒事は嫌だから何か起きた時の決め方だけ決めちゃえば後はそっちでどうにかしてもらおう。あまりにも悪目立ちするなら使用させないとかも僕の土地になっているのなら出来るだろう
「あの城は流石に使わせる事は出来ませんが、可能な限り皆さんにこの土地を使ってもらえると良いかなと」
僕も色んな所を歩き回りたいし、この土地はいつでも帰って来れる拠点だ。最悪何か僕に不都合な事が起こったとしても、城の中にでも逃げこめば誰も追ってこられないだろう。その為に城は他の人には進入禁止ゾーンにする必要がある
「太っ腹すぎるぜ指揮官さんよぉ?」
「これは……凄い事なんじゃないか?」
「ここの素材を使った試作品の武器とか、料理が入手出来る。指揮官の城再建プロジェクトに協力出来る。一石二鳥じゃん!いっその事寄付ボックスとか用意してもらえればお金入れます~」
「お前洗脳されてんじゃねぇか!全くよ……寄付するのは全財産の8割程度にしておけ?」
寄付なのにそんな毟り取る様な事したらダメじゃ無いかな?
「流石にそんな事になったら絶対良くないので寄付ボックスを配置したとしても上限を付けますね?」
いつか修繕出来れば良い。そんな気持ちなのに無理に寄付で集めるというのは何か違う気がするから寄付に関しては上限を決めよう
「それじゃあ僕も色々やる事があるのでこれで失礼します」
島の入場制限とかも色々決めたし、SSも撮り終わった。あとはどうしても確認したい事があったので、一度魔王軍の人達と別れて、城の中に……地下へと向かう道を進んで行く
「さて……」
城の地下の一番奥。眷属部屋の一番奥の部屋。その中に入り、ゲヘちゃんの安否を確認する
「ゲヘちゃーん!」
とりあえず呼びかけてみる。まだ【察気術】の範囲にはゲヘちゃんの反応は無い
「ハーイ」
「ゲヘちゃん!良かった。復活したんだね?」
「コノトオリデス」
元のゲヘちゃんから比べると小さいサイズにはなっていたけど、しっかりと復活していた
「影のスピリットさん、ゲヘちゃん、そしてポン君。皆お疲れ様。皆のお陰で勝てたよ!」
イベントは終了したので【影移動】は使えなくなっていたが、僕の影に影のスピリットさんはまだ残っていた。それにポン君もSSを撮っている時に「軍人スタイルお願いします!」と言われた時に服の形状が変わって軍人スタイルになったので、ある意味この島に居る間はロスタイムみたいな感覚で残ってくれていたんだろう。何よりこれで僕が魔王(仮)として戦った時のメンバーが再集結出来た
「そうだ。皆、僕と契約しない?」
パンドーラを取り出し、皆に契約を提案する。流石にパワーダウンはするけどあの時の戦闘は影に自由に入れる、敵の体の一部を奪いながらドレイン攻撃が出来る、強力な拳や踏みつけの一撃を持つ黒い巨人による離れた距離にも対応出来る攻撃範囲、しかも乗り込む事が出来る。改めて見ると凄まじいメンバーだな?
「ワタシタチハ、スデニハチサンノ、ケンゾクナノデハ?」
「眷属って多分この島だけの関係かなと思うんだけど、契約すれば島の外でも一緒に戦えるよ?」
「ナルホド、ソレナラタシカニ、ケイヤクシタホウガイイデスネ!」
ゲヘちゃんとかどのくらい弱体化するか分からないけどこうすればゲヘちゃんは寂しくないだろう
「ワカリマシタ!ケイヤクシマス!」
『ゲヘちゃん と契約を結びました』
『影のスピリットさん と契約を結びました』
『ポン君 と契約を結びました』
一気に3体と契約を結べた。かなりの弱体化はするだろうけどこれで疑似的に魔王モードが出来るかな?
「イベントが終わっちゃったら皆と二度と会えなくなっちゃうと思ったけど、これでそんな事は起きなくなったし、これで一安心!」
この島は全域セーフティエリアになっているから死ぬという事はほぼほぼ無いだろう。もし、死ぬのが怖いとか危険な所に住んでいるという相手ならここに連れて来るのもアリかも?
「もし僕が大変な事になったとしたら助けてもらえるかな?」
「イイトモ!」
やっぱりゲヘちゃんはこういうノリが好きみたいだ。こういうノリで助けてもらえるのはかなりありがたい
「それじゃあゲヘちゃん。出てきて!」
込めるMPは200程度とかなり少ないが、ゲヘちゃんの体のサイズを考えたらこのくらいで良いと思う
「ワタシガ、メノマエニイマス!」
呼び出したミニゲヘちゃんは込めたMPが少なかったのでミニキャラ形態で出て来てくれたゲヘちゃんの本体を魔法体ゲヘちゃんが見上げているけどそれでも魔法体のゲヘちゃんは僕より若干大きい……規格外だな?
「カラダガカルイデス!」
軽くジャンプして自分の体の軽さを確かめているゲヘちゃんを見ているとなんか孫を見ているおじいちゃんってこんな感じなのかなぁという気分になった