発展
「にゃ、にゃーん……なんでこんな事に」
どうして……SSを撮る流れになったのは分かるが、こんな事になるとは……
「あぁ!良い!これ凄いよぉ!」
パシャパシャ撮られるネコミミ姿。最初は四天王の姿のどれかでお願いしますとかだったのに、いつの間にか頭装備で持っていたから付けてください。アクセサリーで猫の尻尾持ってたから付けてくださいと要望があり、応えていたらこんな事に……
「指揮官あんな事までやるのか……本当にあの戦闘の時に鬼みたいな指揮官と同一人物とかこれもうわかんねぇな?」
「男としての尊厳は無くなってそう……でもあそこまでやるのは正直尊敬するなぁ。俺じゃあ絶対無理って言ってる」
言ってしまった手前、やらない訳にはいかない。報酬があるから人は色々頑張れるんだ。それを反故にしてしまえばまた今度何かあった時に誰も手伝ってくれなくなる
「これで……最後ですか?」
「残念ながら私が最後だよ。指揮官?」
「嘘……」
SS撮影も最後の一人となったが、なんとその人物はハスバさん。流石にここでハスバさんとお揃いのスク水とかになった場合は幾らロールプレイだと誤魔化してきた僕のハートもブレイクしてしまう
「ちょっとちょっと?勘違いしていないかい?私はここに居る皆で記念写真を撮ろうと思っているだけだぞ?」
「ハスバさん……見直しました。ちゃんと分別が出来る人だったんですね……」
「いつでもペアルックのスク水の用意はしてあるんだが?」
「さぁ!皆さん!全員で記念写真を撮りますよ!準備してください!」
自分の尊厳を守る為に、僕は全力で集合写真を撮る事にした
「ふぅ、もうSS撮らせるとか簡単に言わない様にしないと……」
プライバシー設定とかを全て元に戻し、撮影会は終了した。そうだ、最後に釘を刺しておこう
「今回撮ったSSとかは恥ずかしいのもあるので広めないでもらえると助かります。もし、広めている人が居て、それが誰か分かったらオハナシしないといけなくなるので」
一応個人情報だし、あんまり広まって欲しくないから警告をする。これは僕自身を守る為でもある。ついでに【恐怖圧】も出しておけばもっと良いかな?まぁ今ネコミミ付けてるけど
『【恐怖圧】 アクティブスキル 発動すると範囲内の対象を時間経過で恐怖状態にする。相手のMINDの値などで効果に差がある』
『【幻覚圧】 アクティブスキル 発動すると範囲内の対象を時間経過で幻覚状態にする。相手のMINDの値などで効果に差がある』
「「「約束します!」」」
MP消費無しだから効果が発動するまで時間が掛かる物だと思っていたけど、発動した瞬間に空気が重くなる感覚があったからそれで皆すぐに返事をしてくれたのだろう
「あぁそういえば皆さんに言っておかないといけない事がありました」
「「「「「……」」」」」
「警戒し過ぎでは?」
流石に全員警戒しているので圧を消す。何か話を聞いてもらえない様な状況になった時にはかなり有効かもしれない
「流石にあんな圧を感じたら警戒するなという方が無理があるよ……」
「まぁ、本気だと思ってもらえないと抑止力になりませんからね。で、この島に関してなんですが」
皆の反応的に10mから15m以内は圧の範囲内っぽい。意外と良い距離まで届くな?
「この島は指輪を持ってたら来る事が出来て、しかも他の所に比べると安く転移出来るみたいです」
「マジ?うおっ本当に安い……」
丁度泉の近くに居た人が値段の確認をした結果本当に安いらしい
「で、この指輪を持ってる人は他にも数人だけ連れて来る事も可能です」
何だか会員証みたいだな?紹介で新しいお客さんを増やす……コス〇コ?
「それで、ここを中継すると他の場所にも安く行けるとなれば皆さんにもメリットがあるかなと思うのでここを開放して、露店とかも許可しようかと思ってます」
「「「「「おぉ!?」」」」」
色んな人が通れる所に露店を置けば、何かしら絶対に目に付くはず。しかもまだ手付かずの場所だから用地も沢山ある。更にここでもう1プッシュ
「ここなら皆さんも食べたお米が既に栽培出来てます。流石にそれを外に持ち込んだら価格崩壊を起こしてしまうので、米自体を売るのは禁止にして、米料理をここで食べる分には外よりも低価格で食べられるように販売をしようかと計画しています。まぁ料理の開発支援くらいの気持ちで……」
要するに露店を開く人は既に調理済みの炒飯とかリゾットの販売は許可するけどただの米を他のプレイヤーに販売する事を止める。まぁこれは信用の話になってしまうので露店を開く人が隠して持ちだしたら何も言えないけど、こうすれば外での米の価格崩壊は起きないだろうし、露店を出す人はここで米料理の開発をしてから外で大々的に売り出したり出来るだろう。どうせならここで色々な料理や武器防具の試作品が売買されるような所になって欲しい
「で、場所代や売り上げの一部をこの壊れた城の修繕費として使わせてほしいなと……」
今ここに居る人達が生産系の人じゃなくても、生産系の人を連れて来る事は出来るし、何なら宿屋とかもあればここでログアウトする時に宿泊費とかも城の修繕費に使えるかな?
「もし城を修繕し終えたらどうするんだ?」
「流石に気が早すぎる気もしますが、修繕が終わったらここら辺の区画整備とかにも多分使えると思うので発展させる為の費用ですかね?何なら修繕と平行で進めても良いかも?」
この島を街にする……それもまた面白そうだ