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えむえむおー! 僕なりの楽しみ方 作者:鴨鹿
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シ=グ=マ

「イベントも終わった、ゲヘちゃん達も何とも無かった、城も時間が経てば直るだろうし……何か忘れてるような気がするけどまぁ良いか!」

 イベントも終わって気が楽になったし、明日のアビス様に送られる場所がどんな所か分からないから何かあっても良いように準備だけしておこうかな?


『ハチ君?また天使が来ているんだけど……』

 ハスバさんからメッセージが届いた


「あっ、そういえばそうだった!」

 天使にはもう会う事は無いだろうと思ってたから適当な事言ってたけど、マジで来ちゃった?


『今行きます!』

 とりあえずポン君は僕の体に付いたままだからいつでも軍人スタイルにはなれる。まぁここはセーフティエリアだし、いきなり殴りかかられる事は無いかな?




「……どうやら戦争には勝ったようだな?」

「お陰様で勝てましたねぇ?あなたもキチンと私の言う事を聞いて戦闘に参加しなかったからこの場に来る事が出来たのですよ?」

 一応ロールプレイをして対応する。そういえば真実を教えなきゃいけないんだったなぁ……


「そういえば、翼と輪が戻った様ですね?」

「何故か急に翼と輪が回復した。どうして直ったかは私にも分からない」

 一応気になっていた翼と輪は既に元通りになっていたから僕の願いをバルミュラ様はしっかりと聞いてくれたみたいだ


「それで、お前の言っていた真実とはなんだ?」

「……本当に知りたいんですね?」

「あぁ、今ならどんな真実でも受け入れられる」

 それは翼と輪が戻ったからなんだろうか?それもまた僕の仕業だと知ったら追加で衝撃を受けてしまうのでは?


「分かりました。では……」

 まずはジャブ程度に黒の乙女の姿に変わる


「変身した……?」

 姿が変わったのを確認したら、次はクロクマに姿を変える。ここまでは天使も見覚えが無いから変身したところでそれがどうした?と思っているだろう


「この姿……見覚えありませんか?」

「なっ!?その姿は!?」

 そして次はシスター服に着替えてくるりと回って姿を見せる。あの時天使の姿をこちらからは見ていないけど天使はこちらを見ていたらしいし、天使の中でもシスター=魔王(偽)は理解出来ただろう


「久しぶりだな?クソムシ」

「嘘、だ……」

「嘘じゃない、現実だクソムシ。今回の戦争における重要な役はほぼ俺一人が演技してやっていた。見抜けなかったか?クソムシ?」

 シスター=軍人=魔王(偽)。目の前で変身したからこそ受け入れるしかない現実


「だが、あの時貴方は死んだはず!?」

「俺が死んだ瞬間を見たのか?腹を刺されて地割れに落ちたが、そのままマグマまで落ちたのを見た奴が居るのか?」

 あの腹を刺された時は本気で泣き叫びたい位痛かった。ポン君が止血してくれなきゃ計画もバレていたし、結構賭けな所もあったよなぁ……


「それは……見ていない」

「僕は勝つ為に演技をして皆を騙してましたから、急に現れた貴方を騙すのも中々大変だったんですよ?」

 姿を白ローブに戻して口調も戻す。NPCとして現れた天使を騙して撤退させて、最終決戦に参加させないように立ち回るのは中々に骨が折れた


「あの時弔いは必要無いと言ったのはこういう理由です。だって死んでないんですもん」

「……」

「死んだと思っていた人が実は目の前で話しているのに弔わせろと言われた時は流石にどうするのが正解か分かりませんでしたが、あの時貴方が弔ってそのまま戦線離脱してくれたお陰で僕は貴方を倒さずに済んだし、その翼と輪を直して欲しいと世界の管理者になった元魔王様に願う事が出来た。これも1つの運命って奴ですかね?」

 あの時弔いたいと言ってくれたから天使の翼と輪を破壊した事を後悔したし、何とかしてあげたいとも思えた。戦線離脱してくれなければ僕達が勝つ為には天使を倒すしかなかった。他に願いらしいものが思いつかなかったから天使の翼と輪を直して欲しいとバルミュラ様にお願い出来た。この細い道を通って来たのは運命というのが一番しっくりする気がする


「シスターが魔王で魔王が軍人で、私の翼と輪が直ったのは魔王のお陰で私が尊敬したのは軍人で実は魔王で……うわぁぁぁぁ!」

 プシュー!と頭から湯気が出そうな感じで絶賛混乱中の天使。一応遠巻きから様子を見ている他の人も邪魔をしない様にただ見ているだけだ


「今、恥ずかしいでしょう?あの時だったら恥ずかし過ぎて多分僕にそのまま斬りかかって来てたんじゃないかな?そうしたら僕は君を倒すしかないからあの時真実を聞いたら恥ずかし過ぎて死ぬ的なニュアンスで今は聞かない方が良いって言ったんだよ」

「だ、騙されたー!」

 この天使は絶対に詐欺とかに簡単に引っかかりそうだな……




「うぅ……まさかこんな事って本当にあるのか」

「これが現実ですよ」

 頭を抱えて空中でのた打ち回る天使というかなりレアな物を見られたが、そういえばこの天使行く当てが無いんだっけ?


「ところで天使さん?」

「急に天使さんとか言うのは辞めろ。頭がおかしくなる」

「えぇ……」

 そりゃあクソムシとか言ってたけどさ?


「まだ行く当てはない?」

「当然だ!真実が気になってここに戻って来ただけだ……翼と輪が戻って来ても私はあの時の天使には戻れない」

「じゃあここに住んで良いよ?ここ僕の土地になったから悪いことをしたお詫びに好きな所に好きなだけ滞在して構わないよ?」

「は?」

「だってもう敵対して無いし、ここでは戦闘行為が出来ない、もしくは許可制だから天使さんが一人入って来ても大して問題無いから」

 何処かに行きたければ行けば良いし、行く当てのない根無し草なら土と水を用意してあげよう



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