第7話 ゴヲスト・パレヱドプロット 1


:セットアップ

 妖怪が日常的に存在している世界の、さらに妖怪が多い魅雲村に引っ越してきた少年・漆宮燈真。彼がここにきた理由は前にいた高校で起こった暴力事件の犯人という濡れ衣を着させられたことだった。そのことを車の中で伊予と椿姫に話す(話したくないけど、言わなきゃいけないという義理堅さゆえの喋り方)。

 燈真はこの段階で思っていることは真犯人への復讐だが、どう復讐するかが漠然としている。一発殴ってやりたいとも思っているし、社会正義的に制裁したいとも思っている。

 それについて大人である伊予は、燈真自身が決めることと思っており黙っている。

 椿姫が流れを変えるためにパン屋に寄って、と言って、伊予が応じる。燈真も意図には気付きつつ、腹が減っていたのでそれに便乗する。


:きっかけ・テーゼBへ

 稲尾家の屋敷に入ることが妖怪社会への定住を意味しており、テーゼBへの最初の関門となる。

 燈真は椿姫(ヒロイン)に導かれるという王道のパターンを踏んでテーゼBへ踏み込む。

 屋敷にいたちびっこ妖狐・菘(椿姫の妹)に引っ張られる形で柊と相対し、稲尾家に歓迎されることに。

 竜胆の帰りが遅いということで燈真と椿姫が彼がおつかいに行ったスーパーへ迎えに行くことに。途中で大量の荷物に四苦八苦する竜胆と遭遇し、荷物を分け合って運ぶ。

 そこに異空間領域である箱庭が発生し、魍魎が出現。燈真は知識でしか知らない出来事にとにかく竜胆を守ろうと必死になる。

 椿姫が魍魎を祓葬し、ことなきをえる。これが最初の事件。

 屋敷に戻り、燈真は竜胆を守ってくれたという感謝の言葉をむず痒い思いで受け止めながら一日目の夜を迎えるのだった。


:インサイティング・インシテント

 燈真が家に来て翌日の日曜日、お祭りがある。これが二幕につながる橋渡し。

 日曜日の朝、シャワーを浴びようとしていた燈真。寝ぼけて入った風呂場には着替え途中の椿姫がおり、悲鳴を上げられるか――と思わせておいて、意外にもおおらかな椿姫は平然としている、というギャップを見せる……が、これは燈真だから見せているだけという裏設定もある。燈真の方が慌てて出て行き、落ち着いた様子で椿姫が着替えを終えて、平然と居間に戻る。

 お祭りで竜胆と回る燈真。そこに燈真に声をかけてくる女が現れ、竜胆が怪しむ。燈真がベンチを立とうとすると後ろから男が燈真を拘束し、女が竜胆をさらう。妖怪売買を行う連中だった。

 椿姫たちに連絡した燈真だったが男に携帯を破壊される。お祭り中ということ、喧嘩は妖怪の花と思っている文化圏ということもあり燈真たちの戦いはやじが飛ぶ中行われる。

 術師ではなくチンピラにすぎない男に苦戦しながらも勝利した燈真は、万里恵と合流。椿姫を追う。

 そこにいたのは退魔師として振る舞う椿姫であり、大切な弟を傷つけられた彼女は一方的に女を叩きのめし、竜胆を救い出すのだった。

 その姿を見た燈真は今までの喧嘩三昧の生き方を深く恥じ、守れる側になりたいと強く思うようになる(=退魔師になりたいという決心)。

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