「ゲームばっかりしてないで本でも読んだら」は最悪…知らずに子供の"無限の可能性"を狭めるダメ親の特徴
プレジデントオンライン / 2023年7月4日 17時15分
※本稿は、船ヶ山哲『夏休みの1週間で308万円稼いだ小学生』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
■パソコン、スマホは日常生活に必要不可欠なアイテム
時代は、日進月歩、進化しています。
今ではパソコンやスマホを使うのは当たり前となり、3歳にも満たない子供が親のお下がりのスマホやパソコンで遊んでいます。
小学生になるとスマホは必須アイテムとなり、携帯を持たない子供を探すほうが難しい時代に突入しています。
この数十年で時代は大きく変化し、私たちの習慣を大きく変えました。
そうなれば、提供されるサービスも姿が変わります。
工業製品の代表格とも言われた自動車もモノからアプリへ姿を変え、工業で機械を組み立てるだけのものから、パソコンで制御し稼働するものに大きく方針を変え始めています。結果、大規模な工場を持たずとも製品を作ることができるため、大企業でなくても自動車産業に乗り出すことが可能となりました。
もはや自動車は、「動くパソコン」といったところです。
最近の自動車は、インターネットに常時接続されているため、アップデートもクラウド経由で簡単に行われます。
それ以外にも、身の回りにある電化製品は、ほぼすべてアプリで起動し、デジタルで管理されています。
このような視点で考えると、これからの時代は、モノづくりであっても、アプリないしデジタル化は必須要件になっていることがわかります。
時代の変化と流れがわかれば、今後、子供たちに何を学ばせ、何を習得させるべきかが見えてきます。
■生活の根底はプログラミングで成り立っている
それは、インターネットやアプリを制御しているプログラミングです。
プログラミングを知らない人のために簡単に説明すると、「プログラミングとは、人間の細胞のようなもの」です。
人間の細胞と少し違うのは、英数を組み合わせることで、様々なものをゼロから構築することができる点です。パソコンひとつで世界を変えることも可能だということです。
端末に入れれば、デジタル商品として起動させることもできますし、専用機器の中に入れれば、独自のコアシステムを構築することもできます。
今や私たちの生活の根底は、プログラミングで成り立っているといっても過言ではありません。
■楽しさの延長でロボット教室に通わせた
とはいえ、プログラミングは原材料ではないので、プログラミングを使いプラスティックやゴムを製造することはできませんが、加工製品を動かす際には欠かせません。
この観点で見た場合、未来の発展性は、プログラミングにあると言えます。
このことに気づいた我が家では、息子が小さな頃から近所にあるロボット教室に通わせ、遊びを通じてプログラミングに触れさせました。
プログラミングを学ぶ際、導入の仕方を間違えてしまうと、子供がアレルギーを持つと考えたからです。
それを避けるためには、子供にとっての楽しさを入り口にする必要がありました。
幸い息子は、レゴを使い何かを作るということが好きだったので、その延長線でロボット教室に通わせることを思いついたのです。実際に通わせてわかったことは、今のプログラミングは昔と違って、ビジュアル化されていたということです。
具体的には、小さな子供がクリックひとつで箱を動かし組み合わせることで、プログラミングを完成させることができます。これなら、小さな子供でも、抵抗を感じることなく遊びの延長で習得することが可能となります。
さらに、ロボット教室のいいところは、プログラミングして終わりではなく、そこで書いたデーターを元に、ロボットを動かすことにあります。プログラミングで動作を作り、ブロックで物理空間を設計する。最後に、再生ボタンをクリックすれば、機動を実行し、自分の作った世界が動き始めるのです。
まさに、子供にとって夢の世界です。
我が家では、このようにしてプログラミングという難しい壁を突破しました。
■10歳に満たない息子がプログラミングを打ち込み始めた
数カ月が経ったある日、驚くべき光景を目にしました。
息子がなんと、プログラミングを打ち込んでいたのです。
はじめは理解できませんでした。
我が子が、得体の知れない英数字を黒い画面に向かって打ち込んでいたからです。
正直、驚きました。
これまでプログラミングはビジュアルで学んでいたので、まさか打ち込みでプログラミングができるとは、想像もしなかったからです。
不思議に思った私は、息子レムに聞きました。
「なんでプログラミング書けるの?」
「だってプログラミングって、英語でしょ」
頭を大きなハンマーで叩かれた気分です。
レムは3歳半の頃から海外に住み、英語を第一言語にしています。
親子の会話は日本語ですが、レムにとっては、何をするにも英語が基準になっています。
その観点で見た場合、レムにとっては、プログラミングは特殊な言語ではなく、英語の一種として捉えていたのです。それほど、英語とプログラミングは密接な関係にあり、手を繋ぐ仲良しだったということです。
このことに気がつけば、ビジュアル化されたボックスを使いプログラミングするより、文字でタイピングしたほうが早いと考えるのは当然です。
我々、日本人が日本語をタイプし、メールを送る感覚と同じです。わざわざボックスで文字を組み合わせ文章を作る人はいません。
言われてみれば当たり前なことですが、実際に目の当たりにすると声が出ませんでした。
なんせ当時、息子のレムは、10歳に満たなかったからです。
■子供が没頭しているものを無理に止めるべきではない
「ゲームをやめなさい」と怒る親は多いようですが、我が家では、容認しています。
だからといって、すべてのものを認めているわけではありません。
「没頭しているものに限り」という条件付けをしています。
子供が没頭している状態を止めてしまうと、超集中力を育てることができません。
何をしても注意散漫となり、集中できない子供を作ることになるからです。
これは、お金を稼ぐ上で、非常に大きな損失です。
ビジネスは、何時から何時まで働けば、お金が舞い込むということではないのです。
起業家になると特に、働く時間とは関係なく、「今、やるからこそ、お金になる」という場面が出てきます。
それをゲームは、没頭という形で教えてくれています。
「定時が来たから、そろそろやめなさい」と言うのは、子供のやる気を削ぐことになります。
それに、自分ごとに置き換えればわかると思いますが、「今いいところなんだ。手が離せない」という場面で邪魔されるとイラッときますし、無理に止められると攻撃的になります。
それを反抗期というのは、親の身勝手な行動が見出した結果にすぎません。
子供だから反抗期と考えるのは、安易な考えです。子供であれ、いい場面というものは存在します。
その場面(タイミング)を止められたらキレるのは当然です。
子供の将来を考えているというなら、ゲームを止めさせる前に、子供の状態(没頭か否か)を見て判断してみてはいかがでしょうか。
■パソコンは何かを処理するための道具でしかない
今や、ゲームも仕事もパソコンの中で行われています。取り組む内容が違うだけで、傍目から見たら同じです。
大人は(仕事だから)良くて、子供は(ゲームだから)ダメというのは、勝手な思い込みです。
会社のパソコンを使ってゲームするサラリーマンもいますし、自宅のパソコンを使って宿題をする子供もいます。
パソコンは、何かを処理するための道具にすぎません。
こういった当たり前のことがわからない人は、本を読んだり、ノートに文字を書いていれば、勉強していると解釈しますが、それは古い考えです。
■大事なのはパソコン、スマホで何をさせるか
今や本もパソコンやタブレットで見る時代ですし、ノートを持ち歩く人は年々減ってきています。
手元にあるスマホが、これらすべてを解決してくれています。
パソコンやスマホだからという理由で子供のやる気を奪うのは、ナンセンスです。
大事なのは、パソコンやスマホを使って、何をさせるかです。その根底部分を見過ごすと、本筋を見失います。
「パソコンやスマホを見すぎると目が悪くなる」と言う人がいますが、それなら本も同じです。本とパソコンやスマホの違いは、紙媒体かデジタル媒体かにすぎません。
その本質を見失い「本は良くて、スマホはダメ」と考えるなら、子供を叱る前に、まずは親でもある自分がスマホを手放すことです。
■子供は親の背中を見て育つ
子供は親の背中を真似します。親が本を読むなら子供も本を読み、親がスマホを見るなら子供もスマホを見ます。
「スマホ使用は一歩譲るとしても、ゲームはダメだ」という人も出てくると思いますが、レムがプログラミングを覚えたきっかけはゲームにあります。
最近のゲームは、SNS機能を搭載し、自分が作ったゲームをシェアすることで、友達が遊ぶといったことができます。
そこに必要となるのが、プログラミングの知識と技術です。
彼らはゲームを使い、遊ぶ以外に「作る」ことを楽しんでいます。
それを知らずに、パッと見の判断でゲームはダメと考えるのは、子供の未来を何も考えていない証拠です。
子供を優秀に育てたいと願うなら、親自身も子供たちが興味を持つ分野について学び、後押しすることが大切です。
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マーケティングコンサルタント
心理を活用したマーケティングを得意とし、人脈なし、コネなし、実績なしの状態から、起業後、これまで世界に1000社以上のクライアントを獲得。プライベートでは、子供の教育を最優先に考え、カナダに在住。その卓越したマーケティング手法は、数々の雑誌やメディアに取り上げられる。テレビ神奈川、FMヨコハマのメインパーソナリティーをつとめるほか、フォーブス、ニューズウィークなど経済誌に掲載。著書多数。
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(マーケティングコンサルタント 船ヶ山 哲)
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