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PythonコードをNumbaで高速化したときのメモ

はじめに

Pythonで書いた移動平均の計算時間を比較してみた
で、for文を使った移動平均(LWMA)が遅くて使い物にならないことがわかったのですが、MetaTraderのテクニカル指標のなかにはfor文使わないと書けないものもあって、それであきらめるわけにはいかないので、高速化に挑戦してみました。

とりあえず高速化にはCythonがあることは知っていたのですが、コードを書き換えなくてはいけないということだったので、ほかを調べてみたところ、Numbaというのがありました。今回はNumbaを試したときのメモです。

for文を使ったとても遅いコード

import numpy as np
import pandas as pd
dataM1 = pd.read_csv('DAT_ASCII_EURUSD_M1_2015.csv', sep=';',
                     names=('Time','Open','High','Low','Close', ''),
                     index_col='Time', parse_dates=True)

def LWMA(s, ma_period):
    y = pd.Series(0.0, index=s.index)
    for i in range(len(y)):
        if i<ma_period-1: y[i] = 'NaN'
        else:
            y[i] = 0
            for j in range(ma_period):
                y[i] += s[i-j]*(ma_period-j)
            y[i] /= ma_period*(ma_period+1)/2
    return y

%timeit MA = LWMA(dataM1['Close'], 10)
1 loop, best of 3: 3min 14s per loop

前回の記事と同じく3分を超えてしまいます。

Numbaを使ってみる

NumbaはAnacondaに入っているようなので、単にimportして、@numba.jitを追加するだけです。

import numba
@numba.jit
def LWMA(s, ma_period):
    y = pd.Series(0.0, index=s.index)
    for i in range(len(y)):
        if i<ma_period-1: y[i] = 'NaN'
        else:
            y[i] = 0
            for j in range(ma_period):
                y[i] += s[i-j]*(ma_period-j)
            y[i] /= ma_period*(ma_period+1)/2
    return y

%timeit MA = LWMA(dataM1['Close'], 10)
1 loop, best of 3: 3min 14s per loop

おや、同じ結果。全然効果がありません。Numbaっていうのは名前からしてNumpy専用なのかな?

pandasをnumpyに変えてみる

入力データがpandasのSeries型だったのをnumpyのarray型に変えてみました。

@numba.jit
def LWMA(s, ma_period):
    y = np.zeros(len(s))
    for i in range(len(y)):
        if i<ma_period-1: y[i] = 'NaN'
        else:
            y[i] = 0
            for j in range(ma_period):
                y[i] += s[i-j]*(ma_period-j)
            y[i] /= ma_period*(ma_period+1)/2
    return y

%timeit MA = LWMA(dataM1['Close'].values, 10)
1 loop, best of 3: 2.11 s per loop

こんどは速くなりました。90倍くらい。ただ、scipyの数ミリ秒に比べるとまだまだ遅い。

if文を除いてみる

コンパイルするにしても、コードはシンプルな方がいいに決まっているので、if文を除いてみました。実はこのif文、あってもなくてもいいコードだったのです。

@numba.jit
def LWMA(s, ma_period):
    y = np.zeros(len(s))
    for i in range(len(y)):
        for j in range(ma_period):
            y[i] += s[i-j]*(ma_period-j)
        y[i] /= ma_period*(ma_period+1)/2
    return y

%timeit MA = LWMA(dataM1['Close'].values, 10)
100 loops, best of 3: 5.73 ms per loop

出ました!ミリ秒。for文があってもscipy並みに高速化することができました。やればできるじゃないか、Python。

まとめ

for文を使って遅くなったコードもNumbaを使うことで高速化できました。ただし、効果があるのはnumpyに対してで、pandasに対しては全く効果はありませんでした。

参考記事

NumPyでfor文を使うと遅いと思ったがそんな事はなかったぜ

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