警察庁の22日の発表で、去年1年間の認知症(またはその疑いがある人)の行方不明者が1万8709人となり過去最多となったことがわかりました。前年より1073人増加しました。この問題について、チューリップテレビは今年1月から「消える高齢者」と題して、調査報道を続けてきました。富山県には総延長が1万2000キロにも及ぶ、全国一とも言われるほどたくさんの用水路があり、認知症のお年寄りが落ちて亡くなる事故が相次いでいます。悲劇は止まず事態は悪化しているのが現状です。

行方不明になった男性の長男:「いつもですとあそこの(東側の方が)散歩コースだったんですが今回は足取りすると西側の方に向かって行ったみたいなんで」

自宅から消えた父親。今月13日、富山市で83歳の男性が行方不明になりました。男性は初期の認知症でした。

男性の長男「散歩するのは1日2、3回というそういう習慣を持ってたんで。ちょっと心配して探しに行ってたことはあるんですが、必ず帰ってきていたので…。本当に一時でも早く帰ってきてほしいというのが本当に何より家族みんなの気持ちです」

行方不明からまる1日…。

記者「まもなく目的地周辺です」

自宅から2.5キロ離れた富山市内の空き家で男性は無事発見されました。

83歳男性の長男「本当にほっとしたっていうのが何よりです。どうも空き家にいてそこのお掃除をしていたということで自分の家だと思って掃除してたのかなって…」

男性は衰弱し病院に搬送されました。長男はまたいつ行方不明になるか不安だといいます。

83歳男性の長男「認知症っていうのは家族だけで抱えるのではなくてやっぱり上手に周りの方(近所の人)の巻き込むということが大事だときょう本当に痛感しました。(対策は)完全なものはないと思いますので本当にこれは長い付き合いだと思いますのでその都度その都度対応していくしかないのかな」