2023.05.21

トンデモ暴言・梅村みずほ議員はこうやって生まれた…維新に蔓延する思いつきだけの「逆張り提案」の愚かさを考える

米山 隆一

ここには41場面が収録され、そのうち14場面は、ウィシュマさんが一人では食事ができず、入管職員が介助している様子がおさめられています。

ウイシュマさんが、食事をとれなかったり、食べた直後に吐いている動画はありますが、食事を拒んでいる映像はまったくありません。それどころか、「〇〇なら食べられる」などとしてなんとか食べようと努力をしている場面もあります。

また、動けない、食べられと職員の指示通りにできないシーンはありました。しかし、ウィシュマさんは指示に従おうとはしており、意図的に指示に従わなかったり、逆らうシーンはは全くありません。

名古屋入管の調査報告書の記録によると、ウィシュマさんの入管収容時の令和2年8月20日の身長は158cm、体重84.9kg。お亡くなりになったときは、69.9kg。もっとも体重が減少した2月23日は65.5kgでした。私が医師としての目で動画を見ても、やせてがりがりの骨と皮の状態ではありません。

あの動画・調査報告書のどこをどう見れば「ハンガーストライキによる体調不良によって亡くなった」と思えるのか。梅村議員は、動画や調査報告書をきちんと見てはいないのではないかとの疑念を持っています。

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なぜこれが詐病といえるのか

梅村議員が声高に国会で述べている「詐病の可能性」。その根拠は1月20日の支援者との面談だと推測されます。ウィシュマさんが体調の不良と食欲不振を訴えたところ、支援者からこう言われたといいます。

「病院に行って検査をしないと原因が分からないので早く病院に連れて行ってもらえるよう担当にアピールした方がいい。病院に行って体調不良を訴えないと仮放免されない。仮放免されたいのであれば、病院嫌いでも病院に行ったほうがいい」調査報告書 別紙4

そこで、入管職員は食事がとれないと、診療に当たった精神科の医師に伝えています(調査報告書47頁)。すると精神科の医師が入管の意思への「詐病の可能性もある」と記した(調査報告書 別紙16)ことから、広がっていたものです。

しかし普通に読む限り、前述の支援者のアドバイスは「病院が嫌いでもきちんとかかった方がいい」という当り前のことを言っているだけと思われます。

調査報告書とその別紙をきちんと読めば、ウィシュマさんは支援者からアドバイスを受ける前、1月18日に、自ら食欲不振と体調不良を訴えて薬を飲むことを検討していることがわかります。2月下旬になってからは、明らかに呂律も回らず姿勢の保持ができなくなっており、とうてい詐病の演技でできるようなものには見えません。

また、血圧、脈拍はほぼ毎日測定されているのですが、全体に脈拍が安定せず120以上の頻脈もままあります(調査報告書 別紙5)。脱水を含む循環機能の障害までもが疑われます。動画や調査報告書をきちんと読めば「詐病の可能性」などないことは明らかです。

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