今回は、ここ10年で消えたウイスキーとして、ニッカの10年を振り返っていこうと思います。
ただ、ニッカは他のメーカーよりもラインナップを激減させているため、今回は比較的低価格のものを中心にピックアップしていきます。
角ハイボールブームで波に乗っていたサントリーに後れをとっていたニッカにとっては好機になったものの、予想以上に消費が大きくなりすぎたことで、原酒の枯渇が危惧されるに至ってしまい、ラインナップを大幅に削減してしまいました。
元々ウイスキーの原価率を低くして薄利多売の戦略をとってきたこともあって、サントリー以上に売れてしまったことも影響しているかもしれませんが、多売する上での原酒すらも年々減らしていたという経営戦略の失敗も露呈することとなりました。
ニッカは2019年頃から増産を始めていますが、2023年現在もラインナップが少なく、苦戦を強いられています。
ブラックニッカ8年は2002年に発売され、その名の通り、8年以上熟成したモルト、グレーンの原酒をブレンドしたものになりました。
価格は当時でも1500円台で、現在におけるディープブレンドやスペシャルと同じほどの値段でした。
しかし原酒不足がでてきたことで、2015年の夏で販売を終了させてしまいました。
実際に飲んだときの感想として、香りは燻製を思わせるピートとシェリー樽原酒からのレーズンの香りがしっかり感じられ、後からバニラの甘い香りも続きました。
味わいもアルコールからの辛みは少なく、甘みが強めの印象でした。
正式には「ゴールド・アンド・ゴールド」という名称で、従来発売されていたゴールドニッカの後継ボトルでした。
ボトルのデザインはだるまのような形で、サントリーオールドをライバルとして考えていたことがあからさまにわかるものでした。
一時期はボトル自体も黒くしたものが売られていたほどです。
これも2015年には原酒不足対策として販売が終了してしまいました。
実際に飲んだ感想としては、かなり余市モルトの割合が多かったようで、燻製を思わせるピート、バニラの香りが強く、味わいもクリーミーさがありました。
価格も1000円台で手頃に飲めました。
これらは現行ボトルが出る手前で販売が終わっています。
余市については、上記のG&Gに傾向が似ていて、現行品よりも塩気が少なめでマイルドな印象でした。
一方で宮城峡は、現行品に比べると華やかな香りは少々控えめの印象でした。
当初はレッド、ブラック、ホワイトの三種類が発売されましたが、2015年にいったん販売が終了、その後蒸溜所限定としてレッドとブラックが復活して現在に至っています。
これらも発売当初は1000円台で買えたので、気軽にモルトウイスキーが飲めたのです。
これらの内訳は、レッドが宮城峡モルト主体、ブラックが余市モルト主体、そしてホワイトは余市モルトの中でもヘビーピートモルトが主体の特殊なものでした。
実際に飲んでみると、あたかもアイラモルトのような正露丸や海藻の香りのするスモーキーな香りが強く感じられ、アイラ島の蒸溜所から買い取ってきたのではと思ってしまうほどでした。
現行で言えば、余市蒸溜所で購入できる、シングルモルト余市のピーティ&ソルティが近いかと思います。
これらはグレーンウイスキーとして大麦麦芽を原料にしたカフェモルトウイスキーを使っていました。
原材料こそモルトウイスキーと同じですが、蒸留工程でニッカならではのカフェ式の連続蒸留器で蒸留を行うことで、グレーンウイスキーとして作っていました。
現在も希少ではあるものの、カフェモルトとして単独で販売されています。
オールモルトとモルトクラブの違いですが、前者の方がモルトウイスキーの割合が多いと言うだけです。
1990年に発売されたものの、2015年に販売が終わりました。価格はオールモルトが2000円弱でした。
実際に飲んだ感想としては、比較的カフェモルトからの甘い香りが強めで、モルト原酒のスモーキーさは多少あったものの、マイルドさが特徴的でした。
次回はもっと価格帯の高いものを中心にピックアップしていきます。
ただ、ニッカは他のメーカーよりもラインナップを激減させているため、今回は比較的低価格のものを中心にピックアップしていきます。
「マッサン」の功罪
2015年に、NHKが放送した朝の連続テレビ小説「マッサン」は、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝氏をモデルにして制作されたドラマで、内容が発表されて以降、ニッカの売り上げが急激に上がり、新たなウイスキーブームを到来させることになりました。角ハイボールブームで波に乗っていたサントリーに後れをとっていたニッカにとっては好機になったものの、予想以上に消費が大きくなりすぎたことで、原酒の枯渇が危惧されるに至ってしまい、ラインナップを大幅に削減してしまいました。
元々ウイスキーの原価率を低くして薄利多売の戦略をとってきたこともあって、サントリー以上に売れてしまったことも影響しているかもしれませんが、多売する上での原酒すらも年々減らしていたという経営戦略の失敗も露呈することとなりました。
ニッカは2019年頃から増産を始めていますが、2023年現在もラインナップが少なく、苦戦を強いられています。
ブラックニッカ8年
現行ではブラックニッカはクリア、リッチブレンド、ディープブレンド、スペシャルの4種類がラインナップされています。ブラックニッカ8年は2002年に発売され、その名の通り、8年以上熟成したモルト、グレーンの原酒をブレンドしたものになりました。
価格は当時でも1500円台で、現在におけるディープブレンドやスペシャルと同じほどの値段でした。
しかし原酒不足がでてきたことで、2015年の夏で販売を終了させてしまいました。
実際に飲んだときの感想として、香りは燻製を思わせるピートとシェリー樽原酒からのレーズンの香りがしっかり感じられ、後からバニラの甘い香りも続きました。
味わいもアルコールからの辛みは少なく、甘みが強めの印象でした。
G&G
G&Gは1968年に発売されたブレンデッドウイスキーでした。正式には「ゴールド・アンド・ゴールド」という名称で、従来発売されていたゴールドニッカの後継ボトルでした。
ボトルのデザインはだるまのような形で、サントリーオールドをライバルとして考えていたことがあからさまにわかるものでした。
一時期はボトル自体も黒くしたものが売られていたほどです。
これも2015年には原酒不足対策として販売が終了してしまいました。
実際に飲んだ感想としては、かなり余市モルトの割合が多かったようで、燻製を思わせるピート、バニラの香りが強く、味わいもクリーミーさがありました。
シングルモルト余市、宮城峡(500mL)
現行のシングルモルト余市と宮城峡が出る前、500mLでノンエイジのものがリリースされていました。価格も1000円台で手頃に飲めました。
これらは現行ボトルが出る手前で販売が終わっています。
余市については、上記のG&Gに傾向が似ていて、現行品よりも塩気が少なめでマイルドな印象でした。
一方で宮城峡は、現行品に比べると華やかな香りは少々控えめの印象でした。
ピュアモルト ホワイト
1980年代前半に、ニッカがリリースしたのが、ピュアモルトシリーズです。当初はレッド、ブラック、ホワイトの三種類が発売されましたが、2015年にいったん販売が終了、その後蒸溜所限定としてレッドとブラックが復活して現在に至っています。
これらも発売当初は1000円台で買えたので、気軽にモルトウイスキーが飲めたのです。
これらの内訳は、レッドが宮城峡モルト主体、ブラックが余市モルト主体、そしてホワイトは余市モルトの中でもヘビーピートモルトが主体の特殊なものでした。
実際に飲んでみると、あたかもアイラモルトのような正露丸や海藻の香りのするスモーキーな香りが強く感じられ、アイラ島の蒸溜所から買い取ってきたのではと思ってしまうほどでした。
現行で言えば、余市蒸溜所で購入できる、シングルモルト余市のピーティ&ソルティが近いかと思います。
オールモルト、モルトクラブ
かつて発売されたニッカのウイスキーの中でも変わり種だったのが、オールモルトとモルトクラブでした。これらはグレーンウイスキーとして大麦麦芽を原料にしたカフェモルトウイスキーを使っていました。
原材料こそモルトウイスキーと同じですが、蒸留工程でニッカならではのカフェ式の連続蒸留器で蒸留を行うことで、グレーンウイスキーとして作っていました。
現在も希少ではあるものの、カフェモルトとして単独で販売されています。
オールモルトとモルトクラブの違いですが、前者の方がモルトウイスキーの割合が多いと言うだけです。
1990年に発売されたものの、2015年に販売が終わりました。価格はオールモルトが2000円弱でした。
実際に飲んだ感想としては、比較的カフェモルトからの甘い香りが強めで、モルト原酒のスモーキーさは多少あったものの、マイルドさが特徴的でした。
次回はもっと価格帯の高いものを中心にピックアップしていきます。