独居の高齢男性の死亡、職員が覚知後も2カ月半放置 東京・江戸川区
東京都江戸川区で生活保護を受給していた独居の男性(当時65)が自宅で死亡したことを知りながら、男性を担当する区福祉事務所の男性職員が約2カ月にわたって遺体を放置していたことが関係者への取材でわかった。
関係者によると、今年1月10日、室内で男性が亡くなっているのを訪問したケアマネジャーが発見した。都内のクリニック関係者が男性の死亡を確認し、福祉事務所の担当職員に報告した。
しかし、その約2カ月半後の3月27日、別の民間会社の関係者が男性宅を訪問したところ、ほぼ白骨化した遺体が部屋に残っているのを確認した。
関係者によると、亡くなった男性を担当する福祉事務所の男性職員は区側の聞き取りに対し「他の仕事があり、後回しになった。日が経つにつれ言い出しにくくなった」と説明している。
捜査関係者によると、警視庁葛西署は5月、死体遺棄の疑いで職員を書類送検した。6月に不起訴処分となったが、区は職員を5日間の停職処分とした。
江戸川区福祉推進課の中沢清人課長は30日午後、朝日新聞がこの事案を公表していない理由について取材したところ「隠していない」と説明。詳細な経緯については「7月3日に発表するので、現時点では何も答えられません」と話した。その後、30日夕方になって江戸川区は事案を発表した。(笹山大志、大山稜、高島曜介)
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