1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

「マイナ保険証」今あえて挙げる4つのメリット 賢く利用すれば医療費の削減などお得にも

東洋経済オンライン / 2023年6月29日 7時10分

ほとんどが年末調整のみで税の申告を済ませている会社員や公務員の人にとってはあまりなじみがないでしょうし、自営業などで毎年確定申告をしている人でも、1年分の医療費の領収書を保管して集計するには手間を要します。面倒なのでこれまで医療費控除を利用したことがない、という人も多いのではないでしょうか。

マイナ保険証を利用すると、「マイナポータル」サイト上に、下の画像のように医療費の情報が記録されます。

この情報は、所得税の電子申告システム「e-Tax」に連携して確定申告書の作成に活用することができます。医療費控除に必要なデータをマイナポータルから取り込んで自動入力できるので、入力や計算の手間を大幅に削減できます。

確定申告の手続きも、e-Taxとマイナンバーカードを利用するとスマホだけで完結することができます。マイナポータルからの自動入力は医療費のほかふるさと納税や生命保険、地震保険などの情報も可能で、医療費控除以外の控除を適用するためにも使えます(事前に保険会社などとの連携手続きが別途必要です)。

年末調整のときに保険会社からの控除証明書を勤務先に提出しそびれてしまったなど、確定申告をすれば税が軽減されるにもかかわらず手続きの煩雑さからそのままになっているケースはよく見られます。マイナポータルを活用すると医療費控除に限らず、ほかの控除を含めて確定申告のハードルが下がり、税の軽減にもつながるかもしれません。

ただしマイナ保険証で取得できるのは保険がきく医療費の情報に限られます。自由診療の医療費や通院のための交通費、ドラッグストアで購入した薬などには医療費控除の対象になるものがありますが、これらの情報や金額は領収書やレシートから自分でまとめる必要があります。

ここまでマイナ保険証のメリットについて見てきました。もっとも、現状はマイナンバーカード制度全体の安全性に懸念を抱かざるをえません。紙の保険証廃止後の運用や高齢者や介護を必要とする人のマイナ保険証発行、本人確認手続きの困難さなどが問題視されており、課題は山積しています。

国は対策本部の設置など対応を進めていますが、利便性が先走って安全が損なわれれば絵に描いた餅です。安心してメリットを活用できるか、今後の動向を注視していきましょう。

加藤 梨里:FP、マネーステップオフィス代表取締役

CCPA Notice
あなたにオススメ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング