世界線B(病気な世界線)での身内はもうこの世にはいない。
ですが、その世界線Bでの"身内の声"が、
去年までは聞こえていた。
身内がこの世を去った瞬間、
リビングのソファーで遺体になった身内。
あのリビングの空間は、二重に歪んでいたあの感覚を今でも忘れない。。
悲しみを抑えきれず、
リビングからドアを開けて、
家を飛び出した僕は、
近くの公園で泣き崩れた。
空を見上げては、
天国に行ったのであろう身内の名を呼んだ。
そしたら、
世界線Aの身内の声「え、私、死んでいるの?」と初めて"身内の声"がきこえた。
世界線Bの身内の声「空に私はいないよ!何も変わらずにあなたのすぐ隣にいるよ。」
という身内の声も聞こえた。
おそらく、
前者の身内の声は世界線A(健全な世界線)
後者の身内の声は世界線B(病気の世界線)
から、聞こえていたのだろう。
混乱したまま僕は、
また家に戻り、
シャワーを浴び始めた。
シャワーを浴びている最中に、
世界線Bにいる天国へ旅立った方の"身内の声"が、また聞こえた。
「わー!シャワー気持ちいいね!久々のお風呂最高だよ!!」
と、身内の声は僕に言ってきた!
え?どういう事!?と最初は思った。
僕の身体の中にいたのか、
それか隣にいたのか、
とにかく近い位置に身内が"霊体"としているのもわかった。
シャワーを浴びてる最中に、
僕は身内にこう言った。
あなたはこの後、どうなるの?
今は魂が僕の周辺で彷徨っているの?
49日限定で、まだ成仏できていないうちだけ、こうしてこの世にいるの?
身内の声はこう答えた。
「49日が過ぎても、このままいるよ。
死んでからわかる感覚としては、
発想が何から何まで違うよ。
わかるのはあなたの側には49日過ぎてからも、、
というか、ずっと側にいられる。
何て言うんだろうな、、
次元が違うからあなたは私が見えないと思うけれど、
私はあなたやこの景色や家族や、全てが見える。
亡くなってから、
私の方が次元があなたより高くなったから、
こちらからはあなたが見えるから、生きてる時と景色は変わらない。
2次元からは3次元は見えないけれど、
3次元からは2次元が見えるでしょ?
そんな感じ。
脳出血で倒れて、半身不随になってしまったあの身体から抜け出せて、
次元が上がり、
今、あなたの側で、身体が軽くなり、感動しているところ」
そうなんだ...なんか、すごいね。
そして、
シャワーを浴び終わり、
そこから、リビングを通り、身内の部屋に移動する最中、
「また自由に歩ける!すごい!!嬉しい!!!」
と、身内の声は言った。
身内の部屋で着替えた後、
リビングのテーブルで、
ポッキーを食べた瞬間、
また身内の声が聞こえた!
「わー!味が生きていた時よりもちゃんとする!味が戻ってる!最高!」
あの時の声から僕が思ったのは、
身内の"霊体"が、
僕の身体に入り、
僕の身体を介して、ポッキーの味を楽しんでいるのかな?
それか僕のすぐ隣にいて、
テーブルの上のポッキーを別の次元で食べては反応してるのかな?とか、、
そして、
母にいつものように話しかけた時に、
僕の意思とは別で、
身内の声が、僕の体に伝導?して、
身内が僕の口を使って母に話しかけた。
ペラペラと母に話す身内が、
自分の口からだったけれど、
身内が話している感じで、
新感覚過ぎてびっくりしたのを今でも忘れない。
あの時も、
時空が二つに重なっている感覚というか、
景色が少し歪んでいる気がした。
それから数日後も、
自宅のシャワーを浴びてる時にも、
世界線Bの身内の声は、僕にこう言ったのを今でも覚えてる。
その時は、もう身内の遺体は火葬され、
シャワーを浴びている時に僕は、
もう本当にいなくなっちゃったんだね。。
と、半泣きでシャワーを浴びていると、
身内の声はこう言った。
「だから私はずっとあなたの側にいるって!なんなら、あなたの体にも入れるというか、、ひとつになった感じだよ!だからむしろ、生きていた時よりも、ずっと近くにいるよ!」
と言ってはくれるが、
確かに身内ではあるが、
物体がもうない事は悲しかった。
でも普通なら、こんな声も聞こえないと考えたら、
僕はラッキーだったのかもしれない。
去年は、
世界線B(身内がこの世からいなくなった世界線)の身内の声が聞こえていた。
今年は、
世界線A(身内がまだ生きている世界線)の身内の声が聞こえている。
おそらく、
去年の僕は世界線Bにどっぷり浸かっていて、
だから世界線Bの方の身内の声が聞こえていて、
今年の僕は、世界線Bと世界線Aの中間、それも、世界線A寄り、なところにいる分、
世界線Aの方の身内の声が聞こえているのがわかる。
今日は、
二つの世界線から、
異なる身内の声が聞こえるよっていう話を、してみました。