フレッシュな才能とルックスで注目を集める、旬な男の子の素顔にせまる連載。レトロポップなインテリアで国内外のファッショニスタが足繁く通う新宿の「Café & Bar CHAOS」を舞台に、VOGUE GIRL副編集長とゲストが本音のボーイズトーク。記念すべき第39回は、爽やかで等身大の演技で注目の俳優、赤楚衛二くんが登場。
VOGUE GIRL with BOYFRIEND
Guest:赤楚衛二
こんにちは!よろしくおねがいします。
よろしくお願いします。
赤楚くん、デビューして何年になりますか?
役者デビューが21歳なので、今年で6年目になります。
もともと役者になりたかったのですか?
はい。うちは小さい頃から家族4人で月に1回は映画を観るみたいな習慣があって、その時から映画の仕事じゃないけど、映画の世界に入ってみたい気持ちがあったんです。それを行動して、というのが多分20歳ぐらいになってからです。
着実にキャリアを築いてると思うんですけど、自分が描いている将来像に近づいてきているような感覚はあります?
うーん……将来像みたいなのはあまり明確にはしていないのですが、どう生きたいか、どうありたいかというのはすごく大事にはしています。そのどうありたいか、ということでは間違ってはいないかなと思っていて。21歳での役者スタートって、はたから見たらちょっと遠回りかなと思われるところもあると思うんです。芝居歴6年目ですが、同い年ぐらいでも早くからやっている人であれば10年とかになるんで。だから遅いんじゃないかと思ったりすることもあるんですけど、振り返ってみると真っ直ぐ生きてきているんではないかと思います。
注目を集めたのは、仮面ライダー?
一番最初はそうですね。
ライダー出身の役者って結構多いですもんね。
はい、多いですね。
ヒーローものってファン層が違かったりするじゃないですか。お母さんとお子さんみたいな。どうでしたか?出演してからは。
まず仮面ライダーをやらせていただく上で一番大事にしようと思ったのは、子どもの夢であり続けるってことでした。僕が子供の頃に観たときも、オダギリジョーさんや要潤さん達がやられていて、いまだに
そのイメージ、印象が強く残っていて。それだけ人の記憶に残るんだと思うと、やっぱり、子どもの夢であり続けなければならないってところを意識してやりました。本当にいろんな方々が応援してくださってすごい嬉しかったです。
ちょっと話が戻っちゃうんですけど、赤楚くんはどんないきさつでデビューしたんですか?
デビューのきっかけは、サマンサタバサのメンズモデルオーディションがありまして、そのタイミングで今の事務所に声を掛けていただいてっていうのが一番最初です。
僕の周りが「赤楚くん!」と騒ぎはじめたのが『チェリまほ』。BLドラマというジャンル分けにはされてるけど、その中にはおさまらない反響がすごくあった作品でしたよね。あのドラマがどうしてあそこまで受け入れられたんだと思いますか?
マスク着用やソーシャルディスタンスが必要不可欠の状況の中で人と人との繋がりの希薄さみたいなところから観る……なんていうんですかね、2人の物理的距離っていうのもそうですし、心の距離とかもすごい丁寧に描かれているっていうのが強みだったのかな、と思ったりします。あとはあれじゃないですか、町田くんのハンサムさみたいな(笑)。
2人のシーンは毎回騒がれましたよね(笑)
3話目とか特にそうでしたね(笑)。
やっぱりこの作品がキャリアの転機になった感覚はあります?
あります。そこからお仕事が広まっていって、注目されるこも多くなりましたし、初めて連続ドラマで単独主演をやらせていただいたっていうところでも大きいです。ちゃんと12話走り抜けることができたのも自信にもなりました。いろんなもの全てが僕の中ですごい大事なものになっていってるような気がします。
『チェリまほ』のオファーが来たとき、大丈夫かなと思ったりしませんでした(笑)?
いや、最初はホント衝撃で(笑)。
そうですよね。
内容もよく知らなくて。30歳でBLで、魔法使いの童貞役ですって言われて。はぁ???みたいな(笑)。ちょっと不安とかはありましたけど、台本ができる前に原作を読ませていただいて、本当にとても丁寧な心情描写で。すごいキュンキュンさせてくれる内容だったんです。これ面白そう、面白い!!となっていきましたね。
そして、町田くんとのいい化学反応もありましたもんね。
そうですね。
あれだけ話題になったら、街とかでの反応やSNSの反響も変化ありましたよね。
街ではちょいちょい声を掛けていただく機会が増えたなって思います。わりと年齢も男女も関係なくバラバラですね。一回あったのが、お母さんがすごい観ていたという人が、僕を見かけたときにお母さんに連絡をして声をかけた方がいいか相談して、で、行ってこいって言われて来ました、みたいな(笑)。
(笑)。いろんな役をこれからもしていくんだろうなと思うんですけど、赤楚くんにとって演じるってどういうことですかね?
この質問はですね、いつも答えに悩み続けているところで……。きれいなことも言えないんですけど、本当に生きてく上の…..なんて言えばいいんだろう、生きてく上で大事な術じゃないですけど…。
自分にとって欠かせないものになってるという?
欠かせないものではありますね。それがないと何ができるんだろうって思うくらい。でも、ゴールが見えないというところで、すごい悩みもしますし苦しんだりもするんです。やっぱりその先にあるものに惹かれてずっと続けているような。なんていうんだろう……中毒っていう言葉がいいんですかね。
赤楚くんはなぜ演じたいんですか?
最初の頃は、とにかく誰かになりたかったんじゃないかと思います。本当に勢いで上京して。今はもっといろんな視点で考えてみると、やっぱり伝えたいことが出てくる。作品のメッセージ性みたいなところで、その素晴らしさだったり、物事に対しての問題だったりっていうのは、演技を通して伝えていきたいなと思います。それと、こうやって取材などで聞いていただけるときには、自分の言葉で何かしら表現できたらいいなとは思います。
他の誰かになるじゃないですか。どうですか、他の誰かになるって楽しいですか?
楽しいですね、楽しいんですけど、やっぱり四六時中付きまとってくる感じはあって、やっぱりそこで心が乱れるといいますか、ちょっとそういうところはあります。
キャリアを少しづつ丁寧に積み上げてるというような印象なんですけど、演じる幅が広がっていってるなみたいな実感はありますか?
まだ感じてはいないのかなと。というより、幅として見てなかったなというか。まだ幅っていえるほど作品に参加してないのかもしれないんですけど。たとえば怒りっぽい役だったとしても、家庭環境悪いヤンキーとヤクザとだったら全然違いますし、人間として違うみたいな。根本の部分が違うと、また変わってくるのかなと思ったり。
なるほど。新しいドラマ『彼女はキレイだった』はどんな役なんですか?
僕の役どころはですね、編集部の人で主人公が困ってる中、ちょっかいを出したりサポートしたりっていう、掴みどころのないキャラクターです。
韓国ドラマのリメイクなんでしたっけ?
そうなんです。まだ撮影も始まっていないんですが、脚本を読んでみるとめちゃくちゃ楽しみだなって。
じゃあ、意地悪とかもしちゃうんですか(笑)?
(笑)意地悪というか、ちょっと可愛らしいちょっかいの方が近いですね。見る人に、あ、こういう人会社にいたら楽しいだろうなって思っていただけたらなと。
楽しみです!今後なんかこういう役をやってみたいとか、やる予定みたいなのってあったりするんですか?
今決まってる役は、政治家の秘書役と、妖怪大戦争の天の邪鬼です。
バリエーションが多い! ちょっと資料で見ました、妖怪大戦争。赤楚くんだって全然わからなかったです(笑)。
僕自信、スマホの画面見てこれ誰だろうって思いながらご飯食べてたりしてます(笑)。でも多分、合間合間に僕らしさというのが出てるんじゃないかなと思いたいです。
妖怪とか仮面ライダーとか、人間とは違った役を演じるってどうですか?
どう演じるのかわからないところが面白いというか。誰かが演じたことがあるのかもしれないんですけど、固定したイメージがないというところで、逆になんでもできるなと思っていて。だからどっちかというと、中身から作っていくというよりも、外堀を掘り下げていって作り上げていこうみたいな。アイディアを出したもん勝ちじゃないですけど、自分なりのアイデアを出して挑戦していった感じですね。
確かに、誰もみたことのないキャラを表現できる可能性が面白そうですね。
『決戦は日曜日』もうひとつの映画は政治家の秘書の話で。秘書として付いていた議員が体調を崩して、その娘さんが引き継いで選挙にでるとなって、政治家界隈のいざこざみたいなのがあって。その秘書の大変さみたいなところだったり、国民としてこのまま何かアクションを起こすことはできないかもしれないですけど、意識は持っといた方がいいんじゃないかみたいな作品です。
映画ってどうですか?
映画、楽しいですね!インする前には台本が出来上がっていて全部の展開や結末がわかっているんで、演じる上で計算しやすいです。
演技を組み立てやすい?
組み立てやすいというのが映画の良さなのかなと。それに芝居の時間も長くとれる気がします。
自分の中で役作りに徹することができるということですかね?
そんな気はしてます。
ちなみに、赤楚くんの好きな映画って何ですか?
洋画ですか、邦画ですか?
どっちでもいいです。好きな映画っていうとざっくりし過ぎてるので、もし自分がこの映画のこの役やっていいって言われた時、どの映画のどの役やってみたいとかってありますか?
自分が持っているものは度外視してですか?
もちろんです。
最近かっこいいなって思ったのは『パルプ・フィクション』。ジョン・トラボルタがとても素敵で。
赤楚くんとは真逆なイメージですが、そこに惹かれたんですかね。
ライアン・ゴズリングも好きなんですけど、真逆な人を好きになりがちかもしれないです。
あの映画のジョン・トラボルタのどこに惹かれたんですか?
かっこよかったですね。何がかっこよかったかって言われると……。
あのかっこよさって独特ですよね。
独特ですよね!
体格もどっちかっていうと、僕の方が近い体格ですけどね(笑)。
(笑)あの色気は何なんでしょうね。
最近観たんですか?
ほんと最近です。名作だって言われてたんですけど、観たらめちゃくちゃハマりました。
赤楚くんが考える、いい役者ってどんな役者ですか?
すごい信念を持って、自分の身を削りながら戦っている人ってすごいかっこいいなって思います。
「自分の身を削りながら戦っている」っていう言葉、けっこう印象的ですけど、現場でそういう人を感じるときってありますか?
ちょうど2年前の舞台『民衆の敵』という作品で共演した堤真一さんがそのような印象でした。
赤楚くんもそうありたいなみたいな感じですか?
ありたいですし、なりたいです。
なんかそうあるために、赤楚くんが日々意識してることってありますか?
それはすごく難しくて…….。
どうしたらそういう役者になれるんですかね。
頑固さって、すごく必要なのかなって思います。と言いつつ、ものごとには裏表があって、頑固なだけじゃないこともあったりして。すごい判断基準が難しいなって悩んでいるところです。
ものごとの裏も見るタイプ?こうお話ししていても、違う角度からも見ている感じがしますよね。
こうだと決めたくないところがあるので、正解が見つからないような悩みはずっとあります。全部間違ってでもいいから、こうだ!自分はこう思う!と思える感覚を30歳くらいで形成していけたらなっていう感じです。だからまだ今は十分悩んでいこうかなと。
主観だけで押し切ろうとしないっていうのが、赤楚くんのキャラなんですね。
そうですね、主観だけでいいっていう人もいますけど、そうすると大半の人がちょっと、ん?と思っちゃうじゃないですか。だから、その主観っていうのが理に適ってる主観、客観視も含めた主観みたいなのがベストなのかなと思いますね。
そういった意味の頑固さなんですね。ちなみに、いま堤真一さんのお名前が出てきましたけど、憧れの人っていますか?
憧れっていうのも難しくて、本当にただただ憧れてしまうと届かない気もしているんですが……僕、中井貴一さんがすごく好きなんです。