候補生「念のため2発目撃った」 強い殺意裏付けか 陸自3人死傷
毎日新聞 / 2023年6月26日 19時55分
岐阜市の陸上自衛隊射撃場で隊員3人が撃たれ死傷した事件で、死亡した隊員の1人は頭部と背中を撃たれていたことが、関係者への取材で判明した。殺人容疑で送検された自衛官候補生の男性(18)は「体格が大きく、動かれたら困るので、念のため、2発目を撃った」という趣旨の供述をしたという。うつぶせに倒れている隊員に対し、背後からもう1発発砲しており、陸自の警務隊と岐阜県警は強い殺意を裏付ける行動とみている。
事件は14日午前9時過ぎに発生。射撃訓練の順番待ちをしていた候補生が、弾薬係の菊松安親1等陸曹(52)らに自動小銃を発射したとされる。菊松1曹と八代航佑3等陸曹(25)が死亡し、原悠介3等陸曹(25)も3カ月の重傷を負った。
関係者によると、候補生は八代3曹を銃撃した後、振り向いて弾薬置き場に接近。実弾を受け渡す机のそばに座っていた菊松1曹と原3曹に発砲し、菊松1曹は頭に被弾した。候補生は「2人の上半身を狙った」と説明したという。原3曹は左太ももを撃たれており、立ち上がろうとした際に被弾した可能性がある。
候補生はその後、うつぶせ状態の菊松1曹に向けて、至近距離から再び発砲したという。当初は胸を撃たれたとみられたが、「背中を撃った」という供述通り、背中から胸に貫通した傷があった。菊松1曹に2度発砲した理由を「体が大きく動かれたら困るので、もう1発撃った」などと説明。殺意については否定しているが、警務隊は言動に矛盾があるとみて、詳しい状況を調べている。
候補生は逮捕直後、菊松1曹らを「弾薬係の人」と呼んでおり、2人とほとんど面識がなかったとみられる。一方、八代3曹については名前を挙げ「優しい人なので本当は撃ちたくなかった。足を撃とうとしたが、銃口が上を向いてしまった」と話したという。
事件は自衛隊施設内で発生したため、陸自の警務隊が主体となって捜査している。候補生はこれまでの調べに「銃と一緒に弾薬を持って外へ出たかった」などと供述したとされる。実弾を奪おうとした目的については具体的に説明しておらず、現在は黙秘に転じているという。【森田采花、田中理知、熊谷佐和子】
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