マイケル・ハドソン「超帝国主義」p.52

一方、連邦準備制度は、金の流入による貨幣効果からアメリカ経済を隔離し、通常のインフレの進展がヨーロッパとの収支均衡の回復に寄与することを防ごうとした。米国は世界の金の大半を占めているにもかかわらず、米国財務省と連邦準備制度は、英国から国際金融の安定的なシステムの維持の主導権を奪うことを避けたのである。ジョージ・オールドはこう言っている: 「ドーズ・プラン(1924年)の時点で、世界のシステムはギアを失っていた。スターリングは過去のものになった、あるいは過去のものになりつつあるように見えたが、ドルはまだやってきていなかった。ドルが世界のシステムの運用を決定する日はまだ始まっていなかったのだ。外国為替のシステムは、そのパートナーである信用のシステムなしで機能しようとしていた。世界システムの中で、どの国も真の債権者としての役割を果たしていなかった。」

結局、ドイツは、欧州連合国から、ドイツが支払い可能な額をはるかに上回る賠償金を請求され、その結果、血を流すことになったのである。ドイツの唯一の希望は、アメリカの金融業者から賠償金の支払いに必要な資金を何とかして調達することだった。そして、一時はそれが実現した。

アメリカは同盟国間の債務について強硬な態度をとったため、国務省は民間投資家の海外融資のプロセスに介入するようになった。確かに、戦前は国家が民間金融資本の利益に奉仕することが多かった。しかし、今やこの金融資本は、国家外交の目的のために制約を受けるようになったのである。このことは、1928年の外交問題評議会でも明確に認識されていた: 「1914年当時、我々は外国に約4,500,000,000ドルの債務を負っていたが、現在では戦争債務を含めて25,000,000,000ドルの債権国になっている。世界に対するわれわれの財政関係の変容は、連邦政府の介入の契機となるものである。確かに、この関係は、戦争債務を除けば、アメリカの投資家と外国の借り手との間の私的なものであるが、貸し手もまたアメリカの市民であり、彼の海外での事業は彼の市民性に影響を与え、我々の外交関係の遂行に逆行する可能性がある。」
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第1章以降は、約1週間の公開の後、非公開にしていきます。
ご理解の程お願い申し上げます。