共同親権 導入ありきの議論は危険 弁護士が記者会見〈2023年6月25日号〉

「現行制度下でも、共同で子を養育する元夫婦はいる」と語る弁護士の会の呼びかけ人ら=15日、千代田区

 「子を持つ夫婦の離婚後、別居親との面会交流が(2012年民法改正により)裁判所の命令で行われるようになってかDVや虐待が増加している。性的虐待が起きてもいるがニュースにはならない。命の問題だ。現実に起きていることを知って欲しい」-DVや児童虐待の被害者に寄り添う弁護士が訴えます。「共同親権の導入ありきで議論をすすめないで」と、同制度を「正しく伝えたい弁護士の会」は15日、記者会見を開催。DV・虐待の被害者らも実態を告発しました。

 弁護士の会は▽合意型共同親権においてもDV・虐待ケースが紛れ込む危険を懸念▽非合意型は子どもを危険にさらす▽(法制審議会家族法制部会での)議論の前にパブリックコメントの意見の開示▽面会交流の強制の実情の調査・分析―を求めています。

 当事者も「現行の面会交流制度でさえ危険。共同親権の導入で居所の指定権などが盛り込まれると暴力から逃げることさえ許されなくなる」と救済を訴えています。

 心身ともに暴力に脅かされ命からがら子どもと逃げ出した女性は、「信頼関係のない相手と共同で話し合うことは不可能。恐怖心しかない。共同親権導入の前に養育費の未払い問題など、先に解決すべきことは他にあります」と声を震わせました。

 弁護士は「DV加害者も含まれた団体が国会にロビーイング活動をする中で、法制化が加速している」と指摘。「加害者から逃げている住所秘匿の人が表立って声を上げられないことを考慮して、パブリックコメントの開示も必要だ」と述べました。

東京民報2023年6月25日号より

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