メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

ウクライナには「ネオナチ」という象がいる~プーチンの「非ナチ化」プロパガンダのなかの実像【中】

清義明 ルポライター

4.『白人右翼の聖地』

 「私たちは過激派ではなく、ウルトラスでもありません。極右でも過激派でもありません。一部の人が私たちに対して使用しているレッテルにすぎず、間違っています」

 やはり極右の民兵組織である「右派セクター」のリーダーのダニエル・コツバヨロが、ウクライナ議会で、ゼレンスキー大統領から国家の英雄として叙勲された時、欧米の極右・ネオナチウォッチャーは驚いた。コツバヨロは国会の演壇に戦闘服で現れ、議会は拍手で彼の叙勲を祝した。

 インディペンデントは、自分たちがネオナチと呼ばれるのはレッテルに過ぎないと否定するコツバヨロのインタビューを掲載した。そのなかで、極右や白人至上主義者やネオナチ思想をもつものはやめさせているとも答えている。ウクライナの緊張が高まり、そして戦争が始まるとこのような論調が目立つようになる。ロシアの「非ナチ化」というのはプロパガンダ

・・・ログインして読む
(残り:約10643文字/本文:約16103文字)


筆者

清義明

清義明(せい・よしあき) ルポライター

1967年生まれ。株式会社オン・ザ・コーナー代表取締役CEO。著書『サッカーと愛国』(イースト・プレス)でミズノスポーツライター賞優秀賞、サッカー本大賞優秀作品受賞。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

清義明の記事

もっと見る