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仏カトリック性虐待33万人 聖職者3000人が未成年らに

50年以降 独立調査報告

(更新)

【パリ=共同】フランスのカトリック教会での未成年者らに対する性的虐待を調査した独立委員会は5日、被害者は1950年以降で推計約33万人に上り、うち21万6000人が聖職者による被害者だとする報告書を教会側に提出した。虐待した聖職者は少なくとも推計2900~3200人で、教会活動に関わった聖職者以外の関係者による虐待もあった。

カトリック聖職者による未成年者らへの性的虐待は世界各国で近年明らかになり、ローマ教皇庁(バチカン)も対策に乗り出しているが、フランスでの全国的な実態調査は初めて。被害の深刻さは社会に大きな衝撃を広げ、教会は抜本的な対策を迫られる。

33万人という被害者数は、未成年時に性的虐待を受けたフランス国内の推定被害者全体の約6%に当たる。聖職者による被害者の約80%が男の子で被害時の年齢は10~13歳に集中。報告書は、教会が長く体制擁護に終始し、加害者の懲戒や被害者保護を行わなかったと対策の遅れを指摘した。

独立調査委のジャンマルク・ソベ委員長は記者会見で「極めて重い被害だ」と強調。被害男性は「(教会は)全ての罪を償わなければならない」と訴えた。報告書を受け取った司教団体代表は「恥と恐怖を感じる。許しを請いたい」と述べた。

調査委はフランスの司教団体と信徒団体が、事実究明と教会の信頼回復を図ろうと2018年11月に設置を決めた。法律や精神医学、社会学、神学など幅広い分野の専門家計22人が、情報収集や被害者らからの聞き取り、文献調査を実施。報告書では、教会の責任を認めた上での被害者への補償や、教会運営への女性の関与を増やすなどの防止策を勧告した。

地元メディアによると、虐待をした人物の多くは既に死亡しているか、時効が成立しており、司法による責任追及は不可能とされる。

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