今、イラスト向け画像生成AI(略して、作画AI)は3つの大きな問題を抱えています。
1つ目はNovel AI Diffusion の漏洩モデルやその漏洩モデルを元としたAnything V3などのモデルがもつ不正競争防止法違反の疑いが高いモデルの利用です。ことが国外であるためややこしいですが、国内ならば立派な犯罪です
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この問題に関して、Untitled は解決すべく作られました。Untitled は企業が作った業務用モデルをベースに公開されている一般的なモデルを混ぜているだけです。このため、普通にイラストを生成する目的ならば、特に違法の余地はありません。ただし、Untitled にも次に述べる2つの問題を持っています。
2つ目の問題は無断転載サイトからの学習です。これは無断転載そのものやそれをダウンロードすることは通常著作権法違法です。しかし、情報解析を目的とするならば国内では合法になります。アメリカでも、フェアユースという考え方があり、合法になるケースもあります。
Novel AI Diffusion やWaifu Diffusion はこの無断転載されたデータを利用したと公言しています。Waifu Diffusion は無償提供であるため、フェアユースである可能性が高く、合法的である可能性が高いです。また、Waifu Diffusion をUntitled が利用することは完全に合法です
しかしながら、無断転載サイトにある画像を使うことは倫理的に良くないでしょう。私も自分の論文が無断転載されているのを見ると、わりと複雑ですし、さらにそれを学習に使うのはもっと問題がある気がします。このことから過去にNovel AIは大炎上を起こしています。
そこでこの無断転載サイトを一切使わずに作って問題解決を試みたのが、Picasso Diffusion になります。Picasso Diffusion には、問題となった無断転載サイトのデータは現状含まれていません。しかし、Picasso Diffusion にも最後の問題があります。
最後の問題は著作権者による無断学習です。これは国内であれば著作権法上合法です。しかし、著作権者は勝手に学習されるのは不利益を被る可能性があるように思われるため、困るという人もいます。
そこで、これをも解決するのがClean Diffusion です。
Clean Diffusion は著作権切れや放棄している画像を元にベースを作り、各個人でチューニングしてもらったり、あるいはオプトインでクリエイターの方に協力してもらって増強するモデルになります。
つまり、各問題に対してそれぞれのモデルを用意しているのが現状となります。
この3つの問題はモデルのユーザー体験に影響します。現状は倫理的問題があるモデルほど出力が高くなる傾向にあるということです。このため、モデルのユーザーと学習元の著作権者との倫理的、かつ、現実的なボーダーラインがどこにあるのか不明です。なお、私が提供するモデルは合法的に作られています
私としては全ての問題をクリアしつつ、高出力なモデルを作りたいと思っています。しかし、現実的にはいきなりそんなモデルを作ることはほとんど難しいでしょう。したがって、私的には段階的に問題をクリアすることを目指して、表側でも裏側でも他社と連携しながら活動しています。