4人殺害の容疑者、疎外感見えぬ青春時代 高校卒業後「いったい何が…」 中野市の事件、発生1ヵ月

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高校時代、山岳部の仲間らと写真に納まる青木容疑者(写真は加工しています)

■連載〈「ぼっち」の棘㊤〉

 中野市江部で住民と警察官の計4人が猟銃やナイフで次々と殺害された事件は25日で発生から1カ月。殺人容疑で逮捕、送検された農業青木政憲容疑者(31)は逮捕前、動機について両親に対し「ぼっち(独りぼっち)とばかにされた」と疎外感を口にした。容疑者が過剰に意識した「ぼっち」という言葉の棘(とげ)。それが刺さったまま、容疑者は地域や社会を揺るがす凶行に及んだ。心の闇はいつ、どこで生まれたのか、周囲の手は届かなかったのか―。足跡を追う。

    ◇

 「礼儀正しく、きちんとしていて人と争うこともなかった」。青木容疑者がかつて通った須坂高校(須坂市)。当時、同容疑者が在籍した山岳部の顧問を務めていた元教諭はこう振り返る。寡黙で弱音を吐かず、積極的に周囲と関わることもなかったが「一人でいることを苦にするような子ではなかった」と明かす。

 自分で希望して山岳部に入った青木容疑者。他の同級生の部員4人の中には…

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