でも悠依は静かに聞いて、胸がつぶされそうなほどの怒りや悲しみを、マイナスの言葉でなく、直木への愛をあらわす言葉にして伝える。
「ただ好き」
「何回でもいう 私は あなたが好き あなたじゃないとダメ あなたがいない世界なんて もう…ホント 意味 分かんない!」
理由なんかない“好き”を必死に伝えようとする悠依の告白。言葉を明るく重ねれば重ねるほど泣けてくる。それを聞きながら目を赤くし、涙を流し、やがて号泣して天を仰ぎながら「ああ…悠依に見えてなくてよかった」と、情けなく言って不細工に泣く直木。これまで目の奥に悲しみがにじんでも、どこかあきらめたような冷めたような表情をしていた直木の心の奥の感情が溢れ出る。クスッと笑ってしまうセリフでもある。その時流れているマカロニえんぴつの主題歌『リンジュー・ラブ』も決して暗くない。井上真央の自然な感じと温かさが伝わる声や表情、それを静かに受け止めながらも目から感情が流れ落ちる佐藤健。思いっきり切ないけど温かい。キュンとするセリフがこんなに泣けて、優しい気持ちになれるなんて。二人の演技力と脚本の良さが重なってこそ新しくも感じられる名シーンだったと言えよう。
そんななか、ラストにはブルーシートから見える誰かの手。謎は山積だ。
直木の体はどこに?事件の真相は?鍵を握りそうな莉桜(香里奈)も行方がわからない。宋(シム・ウンギョン)が、魚住が亡くなった夫にそっくりだと言っていたことも気になるところ。
幽霊の先輩・樋口(板倉俊之)と直木の楽しい会話の中で、“乗り移る”ことができたという直木の発言に樋口が驚いていたことから同じ幽霊でも違いがあるのか。
そしていつものように、悠依、直木、魚住の3人のクスッとさせられる絶妙なやりとりに期待せずにはいられない。
今夜の第4話に期待が高まる。