残された者にとって、故人のアカウントの削除は、大切な人が二度いなくなるようなものです。
Twitterのお騒がせCEOイーロン・マスクが、今度は休眠アカウントを削除するとツイート。実はこれ、ユーザーを呼び戻すための試みなのでは?と噂されています。
マスクによる買収後、タイムラインのアルゴリズムを変更し、Twitter Blueをサブスクしない認証済アカウントからチェックマークを外す(一部のユーザーには認証マークを戻しましたが)など、不人気な変更ばかり行なっていることもあって、Twitterのアカウント数は着実に減少中なんです。
故人のアカウントも消える?
マスクは、「数年間まったくアクティビティがないアカウントを削除しているので、恐らくフォロワー数が減少することになるだろう」と、休眠アカウントがなくなることをツイートで告知。
これに対し、ユーザーからは失望する声があがりましたが、Twitterが非アクティブなユーザーを排除しようとするのはこれが初めてではありません。
そして一部のユーザーは、亡くなった大切な人のアカウントが削除対象になるのでは、と懸念を示しています。
女性差別主義者として知られる元プロキックボクサーのAndrew Tate(アンドリュー・テイト)は、マスクの決断を評価しつつも、毎日ツイートを読み返している亡き父のアカウントを残してほしいと訴求。
SNSでは何かとお騒がせなTateですが、彼の願いに共感するユーザーが、故人のアカウントをタイムカプセルにたとえて、Facebookと同じようにメモリアルアカウントとして残すよう、マスクに求めています。
その後、「休眠アカウントはアーカイブされる」とツイートしたマスクですが、記事執筆時点で具体的な方法については言及していません。
マスクの悲願だった休眠アカウント削除
Twitterが休眠アカウントを削除することついて、マスクは追加情報を公開していません。しかしTwitterの規約によれば、アカウントを削除されたくないユーザーは、30日に一度はログインする必要があります。
休眠アカウントの削除は、マスクの悲願でもあります。あるユーザーが休眠アカウントを削除するよう要求した際、マスクは「間違いなく」と回答していました。
また、昨年12月にマスクは改めてこの話題を持ち出し、15億の休眠アカウントの削除を開始すると宣言。
さらに今年初めには、収益を確保する方策として、マスクがユーザーネームの販売まで検討していたとThe New York Timesが報じています。
T2、Mastodon、BlueskyといったTwitterのライバルになり得る新興SNSにユーザーが流出している中で行なわれた今回の発表。休眠アカウントのユーザーネーム解放を告知することで、既存ユーザーがアカウント維持のために戻ってくるよう促そうとしているのかもしれません。
訳者も故人のアカウントを読み返すことがあるので、いきなり削除されたらショックを受ける気しかしません。フォロワーが減るという話じゃないんですよね…。