今回は、樽の製造、メンテナンスを行っているメーカーから発売されている樽材のスティックを使って、超まずいウイスキーがどう変化するのかを検証したものをお届けします。
有明産業は元々、日本酒向けの木箱を作っていましたが、箱の素材がプラスチックに変わったことで売り上げが落ちていったようです。
そして1984年に洋樽メーカーへと転換、新樽のほかにシェリー樽、バーボン樽、ブランデー樽を再構築して販売を行っています。
そんな同社が出している「Taru Flavor」は、樽材をスティック状にして表面を焦がすチャーリングを行うことで、中の成分が染み出してお酒への香り、味をつける効果を出すものになっています。
ラインナップとしては、ホワイトオーク、サクラ、ミズナラ、クリがあります。
今回はミズナラを購入しました。
そして、対象となるウイスキーは、合同酒精が出している「香薫」です。
このブログの中では最もまずいと評しているウイスキーになります。
このウイスキーに樽材のスティックを入れ、1ヶ月かけて香りや味わいを高められるかを実験していきます。
比較のために、同じ香薫を買ってきました。
液色は淡い琥珀色です。
入れた後は、ウッディな香りがしっかり感じられ、アルコール臭はかなり消えています。
液色は中庸な琥珀色にまで濃くなっています。
味わいはアルコールからの辛みがしっかり伝わり、後は甘みが続きます。
入れた後は、オーク樽の強いウッディな香りが広がり、ほんのりと白檀の香りが続きます。
味わいは、アルコールからの辛みが同じほど続くものの、酸味が少々強まり、甘みも増した印象です。
味わいは、辛みは減るものの、苦みが強く感じられ、軽く甘みがする以外はほとんど味がしません。
一方で入れた後は、ウッディな香りが強く、その後に白檀の香りが続き、バニラ、カカオと続きます。
味わいは、入れる前に比べて苦みが薄くなり、甘みが増しています。
味わいは辛みが強く、後から苦みが付いてくるので、飲みにくいものになります。
入れた後は、アルコールの刺激が消えて、今まで同様に樽のウッディさが強く感じられ、後からバニラ、白檀、バナナの香りが続きます。
味わいは、多少の苦みがあるものの、後から甘みが加わって、入れる前よりも断然飲みやすくなります。
かなりウッディな香りが強く出ていますが、元々ミズナラ樽は新樽の段階でウッディな香りが強くでやすい傾向なので、最初は2週間で取り出してもいいかもしれません。
なお、最大3回まで使えると言うことで、ミズナラは2回目の方がちょうどいい香りになるかもしれません。
ただ、うまくないウイスキーをましにさせるのに2週間以上が必要だと考えると、割に合うかどうかは人によるところでしょう。
日本初の洋樽メーカー製の樽スティック
今回取り扱うのは、京都に本社のある洋樽メーカー、有明産業が出している「Taru Flavor」というものです。有明産業は元々、日本酒向けの木箱を作っていましたが、箱の素材がプラスチックに変わったことで売り上げが落ちていったようです。
そして1984年に洋樽メーカーへと転換、新樽のほかにシェリー樽、バーボン樽、ブランデー樽を再構築して販売を行っています。
そんな同社が出している「Taru Flavor」は、樽材をスティック状にして表面を焦がすチャーリングを行うことで、中の成分が染み出してお酒への香り、味をつける効果を出すものになっています。
ラインナップとしては、ホワイトオーク、サクラ、ミズナラ、クリがあります。
今回はミズナラを購入しました。
そして、対象となるウイスキーは、合同酒精が出している「香薫」です。
このブログの中では最もまずいと評しているウイスキーになります。
このウイスキーに樽材のスティックを入れ、1ヶ月かけて香りや味わいを高められるかを実験していきます。
1ヶ月熟成させた結果...
さて、1ヶ月経過した結果を比較していきます。比較のために、同じ香薫を買ってきました。
グラスからの香り、液色
スティックを入れる前は、アルコール臭とカラメルの香りが少々ある程度です。液色は淡い琥珀色です。
入れた後は、ウッディな香りがしっかり感じられ、アルコール臭はかなり消えています。
液色は中庸な琥珀色にまで濃くなっています。
ストレート
入れる前は、カラメルとブドウの香りがあるものの、全体的に薄いです。味わいはアルコールからの辛みがしっかり伝わり、後は甘みが続きます。
入れた後は、オーク樽の強いウッディな香りが広がり、ほんのりと白檀の香りが続きます。
味わいは、アルコールからの辛みが同じほど続くものの、酸味が少々強まり、甘みも増した印象です。
ロック
入れる前はアルコールの刺激が続きます。一方でストレートで感じるカラメルの香りは消えてしまい、正直香りらしい香りがなくなってしまいます。味わいは、辛みは減るものの、苦みが強く感じられ、軽く甘みがする以外はほとんど味がしません。
一方で入れた後は、ウッディな香りが強く、その後に白檀の香りが続き、バニラ、カカオと続きます。
味わいは、入れる前に比べて苦みが薄くなり、甘みが増しています。
ハイボール
入れる前は、アルコールの刺激がロック以上に強くなり、多少のカラメルの香りがあるものの、飲むのも躊躇するくらいになります。味わいは辛みが強く、後から苦みが付いてくるので、飲みにくいものになります。
入れた後は、アルコールの刺激が消えて、今まで同様に樽のウッディさが強く感じられ、後からバニラ、白檀、バナナの香りが続きます。
味わいは、多少の苦みがあるものの、後から甘みが加わって、入れる前よりも断然飲みやすくなります。
ミズナラ樽の香りが強すぎるが、熟成感が出る
全体的に、正直飲めたものでもない味気ないウイスキーが、しっかりとミズナラ樽の特徴が感じられるほどのウイスキーに変身し、アルコールの刺激や辛みが減ってまろやかな印象に変わりました。かなりウッディな香りが強く出ていますが、元々ミズナラ樽は新樽の段階でウッディな香りが強くでやすい傾向なので、最初は2週間で取り出してもいいかもしれません。
なお、最大3回まで使えると言うことで、ミズナラは2回目の方がちょうどいい香りになるかもしれません。
ただ、うまくないウイスキーをましにさせるのに2週間以上が必要だと考えると、割に合うかどうかは人によるところでしょう。
<個人的評価>
- 香り E→C: アルコールの刺激が減り、ウッディな香りの後、白檀、バニラ、カカオ、バナナと続く。
- 味わい E→C: アルコールからの辛み、苦みが薄れ、甘みが強調される。
- 総評 E→C: まともに飲めないウイスキーもどきから香りや味わいがそれなりに楽しめるウイスキーに変えてくれる。