法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

デモで服装を制限するような権限は警察にないのに指示にしたがうことと、「事件を起こさない」ことは違う

表現の自由戦士はバカだから警察の言うことを聞いて事件を起こさない」というタイトルのTogetterを「だむ@DamDam347」氏がまとめていた。
表現の自由戦士はバカだから警察の言うことを聞いて事件を起こさない - Togetter

左翼は賢いので法律を好き放題破って暴れることができる……ってこと?

 しかし弁護士の堀新氏をはじめ、収録されたどのツイートを見ても、警察の言うことを法律と同一視して破ることを肯定する意見は見あたらない。「お上」や「公権力」は法律とイコールではない。


警察に「水着は風紀上いかがなものか。パレードは水着以外でやるべき」と言われたら素直に従う人たちが多いと思うが、仮に女性の評論家に「水着パレードは女性を性的に見ることを煽るから水着以外でやるべき」と言われたら「せっかくのパレード構想を燃やされた。表現規制派だ」といって激怒すると思う

 さらに「当然の反論」として最初に収録されている「鵜原暗黒郷@UBarA_iitokoro」氏のツイートをよく見ると、警察の指示は法律ではないことを理解している「特急北近畿@sute0015」氏のツイートがスクリーンショットにふくまれている。


「海水浴場の敷地内では水着で移動していいけどそこから外れた市街地には水着で出歩かない」ってだけの話をよくもまぁここまで難しくかつ的はずれな考察に歪められるね
閉ざされた貸し切りと開かれた公共のスペースの違いがわからない人なの?


警察に言われないと風紀が理解できない人たちなんだろうなあという感想

法律に書いてないから何やっても良いんだみたいな解釈を行う人の多さに辟易する


 はてなブックマークでTogetterへの反応を読むと、最初にコメントしているid:frothmouth氏が「藁人形叩き」をしていた。
[B! フェミニズム] 表現の自由戦士はバカだから警察の言うことを聞いて事件を起こさない

frothmouth 藁人形叩き/パレード側が原理原則論者だったら指摘も妥当だったかもしれないけどね/「真の表現の自由戦士であるなら、あらゆる規制に反対し、警察への届け出などせずに水着でデモを行うべきだ」みたいな感じかな?

 frothmouth氏の悪癖だが、自分が拒否したい意見には無根拠に根拠薄弱と評することが多く、それが結果的に妥当な評価に見えることもあるが、同時に自分自身は根拠薄弱な見解を安易に憶測したり無批判に引いたりする。それをつい同じブコメでやると、このように自己矛盾をきたしてしまう。
 実際の堀氏はTogetterに収録されたツイートよりも前に、「水着は警察からNGが出ましてな」とだけツイートした荻野稔氏に対して、妥協もふくめた提案をおこなっていた。表現の自由を原理原則的に主張していないことはfrothmouth氏と同じだ。


でもこれで済ませたら、撮影会の方も「水着は埼玉県からNGが出ましてな」で済んでしまうのでは。

警察と揉めると物理的にリスクが大きいのでりあえず当日従うというのはわかるけど、後日、「表現の自由に対する不当・過剰な規制は困る」みたいに抗議や要請を申し入れた方が良いのではないか

 ついでに、デモで水着をつけるくらいのことを止める権限は警察にないことや、そもそも届け出の対象は本来は警察ではないと指摘するid:hokusyu氏のツイートも引いておこう。


デモ申請って警察という「窓口」に書類出す+「窓口」の難癖にお付き合いする時間なのですぐ終わります。まして議員が行ってるんでしょ。水着パレードぐらいなら、普通に前例があることを示しつつ、警察には条例上、中止させる法的根拠がないことを指摘するだけで、向こうは折れますよ。


デモ申請書は公安委員会に届け出るものであって、警察はただの仲介人です。従って何の権限もないはずなのに、暴力を独占していることをいいことに、ルートやら何やらの口出しを申請段階でしてくる警察こそ無法者なのでは?

 さらにid:junglejungle氏のコメントまで読んで、ここまで「規制」を受けいれることを明確化する意見が出ることが信じがたかったし、はてなスターも多数つくとは思わなかった。

junglejungle あくまで品位とかマナーとかの保守的な制限なら受け入れるのが大半だからでしょ。似非リベやツイフェミの規制論はオタク叩きが主目的で、すべての創作物を焼きかねない暴論だからツッコミされているだけ。

 はたして「品位とかマナーとか」なるものが、未成年や水着をずらすして撮影することを止めるような基準よりも、対象がせまくて暴走しない制限といえるだろうか。現実はそのような「保守的な制限」で水着撮影が全面的に禁じられている都道府県が多かったため、埼玉県に撮影会が集中したという経緯があったのではないか。