PS Vitaエミュ Vita3Kの導入と初期設定など
現在唯一のPlayStation Vitaエミュと言っていいVita3Kですが、UI周りもある程度固まってきたようなのでそろそろ導入についての記事を書いてもいい頃ではないかなと。
と言ってもまだ完全にゲームをプレイ可能と言えるレベルではありませんが、そこそこ動作確認出来ているゲームもちらほら出始めてきたのでこれから更に増えていくでしょうという期待も込めてVita3Kの導入と初期設定について書いてみたいと思います。
2022/4/23時点で最新のv0.1.4 2484-7e18eac2での設定内容になります。
公式の設定ガイド
当エントリーはこちらの公式ガイドを参考にしています。
Vita3K導入の事前準備
Vita3Kの導入にあたってハードウェア要件と起動に必要なファイルの確認です。
ハードウェア要件
出来るだけ推奨環境に近い構成をオススメします。最小環境 推奨環境 OS x64 x64 CPU x64
AVXをサポートx64
AVXをサポートGPU OpenGL 4.1
一部のゲームのグラフィックが崩れる可能性ありOpenGL 4.3以上
シェーダーインターロックをサポートRAM 4GB 8GB以上
シェーダーインターロック(直訳しただけで意味はよくわかってませんが)のサポートは、Vita3K起動時のログで確認出来ます。
Vita3Kの導入に必要なファイル
Vita3Kの導入には以下のファイルが必要です。
- Visual Studio 2022用 Visual C++ 再頒布可能パッケージ
- ファームウェア / システムソフトウェア(PSVUPDAT.PUP)
次のファイルは無くても一応動作するはずですが、フォントのパッケージが含まれているという事で互換性アップの為にこちらもインストールする事を激しくお薦めらしいです。
- ファームウェア / システムソフトウェア(PSP2UPDAT.PUP)
必要なファイルは全てダウンロード可能
Visual Studio 2022用 Visual C++ 再頒布可能パッケージはVisual Studio公式サイトからどぞ。
Vita3Kの初回起動時に初期設定ウィザード的な流れでファームウェアのダウンロードリンクが表示されますが、その日本語のページがこちらです。ファームウェアの中身は同じだと思いますけど一応ね?
フォントのパッケージについても初期設定中にリンクが表示されますが、実際にそこからダウンロードするかはお任せしますという事で。クイックスタートのページにも同じリンクがあります。
公式サーバーへのリンクなので著作権的に問題は無いと判断されているようです。
DirectXエンドユーザーランタイムも必要?
現在のクイックスタートガイドに記載されていないので不要だとは思いますが、もし何かそれっぽいエラーが出たらこちらもインストールしてみてください。最終更新がかなり前の古い情報ですが、以前こちらのページに書かれていたのでご参考までにという事で。
Vita3Kの導入
Vita3Kのダウンロードからインストールまでの手順です。
Vita3Kのダウンロード
Vita3Kのダウンロードは公式サイトかGitHubからどうぞ。
Vita3Kのインストール
ダウンロードしたバイナリを任意のフォルダに展開するだけです。
ポータブルモードについて
設定からシステムフォルダを変更出来るのでVita3K本体と同じ場所にすればOKでしょう。
Vita3Kの初期設定
Vita3Kの初回起動時にいわゆる初期設定ウィザード的な画面が表示されるので、まずはその指示に従ってファームウェアをインストールしてその後で残った設定をメニューから行います。
Vita3Kの初回起動
Vita3K.exeを実行します。
初期設定ウィザード
それでは画面に従って設定していきます。別に今やらなくても後でメニューから行える事ばかりですが、特に理由が無ければここでやってしまいましょう。
言語の設定
システムメッセージの一部が日本語化されるだけで、残念ながらUIは英語のままです。
システムフォルダの設定
ポータブルモードにしたい場合は Change Emulator Path からVita3K本体と同じ場所を選択します。設定が済んだら 次へ をクリックで。
ファームウェアのインストール
Install Firmware File からファームウェアをインストールします。
Download Firmware と Download Font Package をクリックでそれぞれのファイルがダウンロード出来るようですが、実際にクリックするところまでは確認していないのでそこは各自の判断でお願いします。
どちらのファイルが先でも構わないと思いますが、ここではファームウェア(PSVUPDAT.PUP)を先にインストールしています。ファームウェアのインストールには成功したけどフォントパッケージが無いよ?みたいな事を言われますがそれは次にやるとして、Delete the firmware installation file? にチェックを入れておくとインストールに使用したファームウェアを削除してくれます。消したくなければそれにはチェックしないで OK で閉じます。ファームウェアの Installed の部分が X から V (チェックマーク的な意味かと)に変わったのがわかるでしょうか?
続いてフォントパッケージ(PSP2UPDAT.PUP)も同様にインストールします。
No firmware font package present. の表示が消えてInstalledがどちらも V になっていればOKです。次へ をクリックで進みます。
インターフェースの設定
詳細は後ほどという事でここではざっくりいきますが、設定したら 次へ で。
- Info Bar Visible(インフォメーションバーの表示)
- Live Area App Screen(ライブエリアの表示)
- Grid Mode(グリッドモード)
- App Icon Size(アプリのアイコンサイズ)
ウェルカム画面
初期設定が終わると次はこの画面になります。ファームウェアのダウンロードや公式のガイドに動作確認リスト、GitHub・Discordへのリンクなどが貼ってありますが、次からは表示しなくてもいいよ?という事なら Show next time のチェックを外して Close で閉じます。
この画面はメニューの Help >Welcome からいつでも表示出来ます。
ユーザーの選択
まずはユーザーのプロファイルを作成します。Create Userの上の + をクリックして次の画面で Change Avatar からアイコン画像の変更、Nameにユーザー名を入力して Confirm で確認画面になるので OK で確定します。
ユーザー選択画面に作成したユーザーが表示されます。常にそのユーザーを使用する場合は Automatic User Login にチェックを入れてユーザーのアイコンをクリックします。時刻表示画面になったら画面のどこでもいいのでタップしてアプリ画面を表示します。
テーマ&背景・日付&時刻・言語の設定
ここはスキップしても問題ないですが、アプリの設定から以下の内容を変更出来ます。
- テーマ&背景
テーマ・スタート画面・ホーム画面の背景。 - 日付&時刻
年/月/日の表示順と12/24時間表示の選択。 - 言語
システム言語と入力言語の選択。
Vita3Kの設定
メニューの Configuration >Settings から各設定を行います。基本的にほとんどイジる必要は無いので好みでGUIをイジるくらいじゃないかと思いますけど。
Core
とりあえずデフォルトでOK、というか私としてはイジりようが無い感じです。モジュールのリストを見てどれが何をするものかわかるのであれば Auto & Manual または Manual にして適当にイジってみてください。
- Experimental: LLE DriverUser(実験的な LLEドライバーユーザー)
実験的という事なので常時オンではなく動作確認の際にオン/オフで様子見する感じでしょうか。
CPU
- CPU Backend(CPUバックエンド)
- Enable Optimizations(最適化を有効)
GPU
環境によって Use Spir-V shader にチェックを入れるくらいでしょうか。
- Use shader cache(シェーダーキャッシュを使用)
- Use Spir-V shader(Spir-Vシェーダーを使用)
Spir-VはPPSSPPの ツール >システム情報 やGPU Caps Viewerなどでも確認出来ますが、OpenGL 4.6の環境なら大丈夫かと。
System
決定ボタンをどれにするかという事なので日本では Circle にします。あとPS Vita TVモードにする場合は PS TV Mode にチェックで、Vita3Kでどう変わるかまでは確認してませんけど。
- Enter Button Assignment Select your 'Enter’ Button.(決定ボタンの割り当て)
- Circle(○)
- Cross(×)
- PS TV Mode(PS Vita TVモード)
Emulator
ここはヘタにイジらない方がよさげな気もしますが、とりあえずシステムフォルダを変更する場合は Change Emulator Path からどうぞ。
- Disable At9 audio decoder(At9オーディオデコーダーを無効)
- Disable experimental ngs support(実験的なngsサポートを無効)
- Enable video playing support(動画再生サポートを有効)
- Log Level(ログのレベル)
- Archive Log(ログの保管)
- Discord Rich Presence(DiscordのRich Presence対応)
- Texture Cache(テクスチャのキャッシュ)
- Performance Overlay(パフォーマンスのオーバーレイ表示)
- Current emulator folder(現在のシステムフォルダ)
- Change Emulator Path(エミュレータのパスを変更)
GUI
- GUI Visible(GUIの表示)
ゲーム起動時もメニューバーを表示したい場合にチェック。 - Info Bar Visible(インフォメーションバーの表示)
メニューバーの部分にホームやアプリのアイコンがついたバーを表示。 - Live Area App Screen(ライブエリア アプリ画面)
アプリ選択時にライブエリア(ゲームの起動・マニュアル・公式サイトへのリンクなどがある画面)を表示。 - Grid Mode(グリッドモード)
アプリ画面をグリッド表示に。 - App Icon Size(アプリのアイコンサイズ)
リスト表示のアイコンサイズを設定します。グリッド表示のアイコンサイズは固定で変更不可です。 - Asia Region(アジア地域)
- Current theme content id(現在のテーマのコンテンツID)
- Using theme background(テーマの背景を使用)
- Current start background(現在の起動時の背景)
- Background Alpha(背景の透過度)
- Delay for backgrounds(バックグラウンドの遅延時間)
- Delay for start screen(起動画面の遅延時間)
以下ちょっとした補足など。
GUI Visible
ここにチェックを入れるとゲーム起動時もメニューを表示出来るようになりますが、画面上に被る形になるのでその点だけ注意で。RPGとかで上にキャラクターやHPなんかが表示されるような場合はジャマになるかも?
尚、ゲームのプレイ中にメニューを消したくなった、逆に表示したくなった時はキーボードの G で表示の切り替えが可能ですが、あくまでも現在の表示状態を変更するだけでこの設定自体を変更するわけでは無いようです。
Live Area App Screen
ライブエリア(ゲームの起動・マニュアル・公式サイトへのリンクなどが表示される)、いわゆるアプリのトップページ的な感じの画面ですね。このチェックを外すとライブエリアをスキップして直接アプリを起動するようになります。この状態の時はアプリ画面から右クリックメニューでライブエリアにアクセス出来ます。
Asia Region
Font Supportの Asia Region は韓国語と繁体字中国語なので日本語は関係ないです、念の為。
Debug
いつも機械的な翻訳ですが今回のは特にわけがわからんような…
- Log Imports(ログのインポート)
- Log Exports(ログのエクスポート)
- Log Shaders(シェーダーログ)
- Log Uniforms(ユニフォーム?のログ)
- Save color surfaces(表面色?の保存)
- Dump textures(テクステャのダンプ)
- Dump elfs(ELFのダンプ)
- Watch code(コードを監視)
- Watch memory(メモリを監視)
- Watch Import calls(インポートコールを監視)
以上でこの画面からの設定は終了なので Save で変更内容を保存して Close で閉じます。
Controls
メニューの Controls からキーボードとコントローラーの設定を行います。
Keyboard
キーボードにも割り振る事が出来るので必要に応じて設定しましょう。
ただし、一番下のタッチ操作(T)とGUI表示(G)に対応したキーは変更不可のようです。
- Toggle Touch(タッチ操作の切り替え)
- Toggle GUI visiblity(GUI表示の切り替え)
Controllers
コントローラーの設定と言っても使用するボタンやスティックの割り振りなどは行えません、PCに接続されたコントローラーから使用するものを選択するだけです。一つしか無い場合は自動的にそれが選択された状態になります。
起動に成功したゲームのスクリーンショット
最後までプレイ可能かはわかりませんが、とりあえず起動に成功したゲームから何点かスクリーンショットを。以前に確認したものならまだ他にもあるんですが、現在のバージョンで確認しないと逆に動作しなくなってる可能性もあるので、後ほど確認がとれてからまた追加したいと思います。
絶対絶望少女
とっても!E麻雀
以前は軽くてサクサクでしたが、音声が出るようになったら何だかもっさりに…
Vita3Kの動作確認状況など
Vita3Kの動作確認状況はこちらで確認出来ます。
2021/7末のプログレスレポートですがこちらも参考になるかもしれません。
Vita3Kの導入完了!
まだ色々と変更される可能性はありますが、とりあえずはこんなところでしょうか。個人的にも期待しているエミュレータなのでこれからも更新を楽しみにしたいと思います。
その他のエミュレータの導入と初期設定についてのページはこちらにリンクをまとめてありますのでよろしければご利用ください。