女優でモデルの中村里帆(23)が、神木隆之介が主人公を務める23年度前期のNHK連続テレビ小説「らんまん」で、初の朝ドラ出演を果たす。18年の「半分、青い。」のヒロインオーディションでは落選。そこで女優業にもスイッチが入り、ついに初出演をつかんだ。

一度はヒロインとして出演を目指した枠だ。念願の朝ドラ出演で(神木演じる主人公)万太郎が幼いころから「峰屋」に奉公している働き者の女中・たまを演じる。

「(所属事務所)アミューズのスタッフさんから電話で『決まったよ』と聞きました。でも、何がなんやらという感じで。その時はまだ実感わかなくて、普段ならきっとうれしくて泣いちゃうだろうけど、涙すら出ないぐらい信じられなくて。三軒茶屋で聞いたんですけど、三茶をスキップして帰りました(笑い)。人生で一番うれしかったです。その後すぐにお母さんに電話して、何かだんだん実感がわいてウルウルしちゃいました」

13年から雑誌「ニコラ」の専属モデルを務めるなど、芸能界はモデル業からスタート。女優業にスイッチが入ったのは、朝ドラのオーディションに落選してからだった。

「私がお芝居をやりたいと思ったきっかけが、朝ドラ『半分、青い。』のヒロインオーディションでした。やっぱり今も、一番目標とするべき場所は朝ドラのヒロインです。今回はその第1歩というか、朝ドラに出ることは本当に念願だったので、それがかなってうれしいです」

「半分、青い。」のオーディションで、何を感じたのか。

「まだあの時は、『お芝居やるぞ』っていう思いじゃなくて。実は芝居がどちらかというとやりたくないけど、何か強制的に受けたみたいな感じの状態だったんですけど…やっぱり進んでいくうちに、カメラテストまで最終的に行って、その間に、お芝居に対する楽しさに目覚めたというか。『この役を絶対私がやりたい』って思えたのが初めてでした。負けず嫌いで、勝気な自分がいて、結構押し殺して生きてきたんですけど、何かその期間でまたその自分が目覚めてきたというか。だからオーディションが終わった後に、『私お芝居やりたいです』っていう気持ちになっちゃって。あれでスイッチが入りましたね」

「らんまん」は、高知が舞台の作品。うれしさは格別だった。

「だから『絶対私が出ないと』、『もうこれ出なかったら私、この先どうしよう』、『ここ逃したらもう私終わりだ』って思うぐらい、本当に懸けて挑んだのでうれしいですね。まだ放送は始まってないんですけど、出演が発表された時点で、高知の人がニュースで私の存在を知ってくださって。高知の人からもたくさんメッセージをいただきましたし、今回を機に高知でもお仕事させてもらう機会が結構増えました。最近改めて高知の魅力を私自身が教えてもらって体感していますし、やっぱり本当にいい場所だなって思っています」

高知の魅力を聞くと話が止まらない。なかでも「カツオの塩たたき」と、県民のエネルギーがすごいという。今作では、高知が生んだ大スター、広末涼子、島崎和歌子とも初共演する。

「高知の3大スターといえば広末さん島崎さん、坂本龍馬さんなので(笑い)。本当にその内の2人に会えるなんて!ちょっとまだ想像しただけでおなかが痛くなる(笑い)。実は広末さんは(高知の祭り)『よさこい祭り』で、同じチームで踊ったことがあるんです。広末さんが先頭で引っ張っていて、私は後ろのキッズ隊みたいなところで踊っていました。そういうお話とかも撮影中にできたらいいなと思っています」

同作は「植物学の父」と言われる植物学者の牧野富太郎がモデル。明治から昭和にかけての激動の時代、草花を愛する万太郎が「日本独自の植物図鑑を編さんする」という夢に突き進む姿を描く。

「台本を読んで、毎度泣いてますね。本当にもうぐっとくるシーンばっかりで、脚本の時点であんなに泣いてたら、実際にお芝居してるところを見たらどうなっちゃうんだろうって(笑い)。朝からこんなに泣いていたら、多分大変だなと思うぐらい本当に感動するシーンがいっぱいあります。植物が大きなテーマとなっているので、生命力あふれるお話というか、朝からすごくすてきな気分になるドラマだろうなって、本を読んだ段階ですごく思っています。高知の良さがすごく出ていると思うし、全部台本が土佐弁なのもすごくうれしいです」

撮影は年内にスタートするという。

「私は時代劇が初めてなので、所作稽古とか、とにかく勉強することが多いです。演じる年齢の幅も結構広いので、どういうふうに最初演じようとかを考えたりしています。結構今まで、同年代の方たちとお芝居する機会が多かったので、大御所というか、ずっとテレビで見てきた人たちと一緒の空間でお芝居できるって、なんかどんな感じなんだろう。自分でも想像できないんですけど…とにかく自分を見失わず、しっかり立って、たまちゃんらしく、明るく元気にお芝居したいですね」

両親は「朝ドラマニア」だという。中村が一番好きだという13年度前期の「あまちゃん」は、今でも実家で全話保存している。それほど、朝ドラには思いが強い。

「一番大きい夢は、朝ドラのヒロインです。何回落ちても、やっぱり諦めきれないので、そこは絶対かなえたいです。あとは、とにかくエネルギッシュな迫力のある女優さんになりたいです。私の強みといえば、勢いぐらいしかないので。そして、もうまさに私がやりたいようなヒロイン像がある、つかこうへいさんの舞台にいつか出てみたいですね」

この日は取材日で、朝から取材が詰まっていたようだ。それにもかかわらず、常に明るくエネルギッシュ。こちらまで元気をもらえるような、太陽のような存在だった。

 

◆中村里帆(なかむら・りほ) 1999年(平11)8月6日、高知県生まれ。13年、雑誌「ニコラ」のオーディションでグランプリを獲得し芸能界入り。16年まで専属モデルを務め、17年より「Ray」の専属モデル。女優としてもTBS系ドラマ「危険なビーナス」、MBS「社内マリッジハニー」などに出演。趣味は昭和歌謡、特技はよさこい踊り。身長165センチ。

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