幼い子どもを中心に感染する「ヘルパンギーナ」と「RSウイルス感染症」の患者がこのところ増えています。医師は、コロナ禍の感染対策でほかの病気の感染も減った反面、免疫力が低下したことなどが影響しているのではないかと話しています。
荒木さくらアナウンサーの報告です。
「ヘルパンギーナ」は夏場に流行し、38度を超える発熱や口やのどに水ぶくれができてのどが痛むのが特徴です。
東京都によりますと、このところ早いペースで増えていて、6月11日までの1週間に報告された患者数は979人で1医療機関あたりでは3.75人と、前の週の1.5倍になっているということです。
また、発熱や鼻水とせきの症状が特徴の「RSウイルス感染症」も1医療機関あたりの患者数が1.72人と前の週の1.2倍となっているということです。
東京・北区にある「いとう王子神谷内科外科クリニック」でも、5月後半から子どもを中心に感染する「ヘルパンギーナ」や「RSウイルス感染症」の患者が増えています。
このうち夏場を中心に流行するウイルス性の感染症で、38度を超える発熱や口の奥に水ぶくれができてのどが痛む症状が出るヘルパンギーナの患者は、去年はシーズン全体で数人程度でしたが、ことしは5月後半から患者が増え始め、最近は連日、患者が受診のために訪れているということです。
クリニックの伊藤博道院長は、ヘルパンギーナにかかった際の注意点について次のように説明します。
伊藤博道院長
「重症化リスクは高くないものの、食事を十分にとるのが難しくなるほどのどの痛みが強くなる場合があります。暑い時期なので脱水してぐったりするケースもあるので、子どもの様子を注意深く見て早めに水分を与えるなどの対応を心がけてほしい」
また、ヘルパンギーナの患者が増えている理由については免疫力の低下をしてきます。
伊藤院長
「新型コロナウイルスを含めた感染症対策が厳格に行われていた時の反動が出ている印象を受けます。この3年間で免疫力が低下したおそれがあり、それが関係している可能性があると考えられます」
また、ヘルパンギーナだけでなく、発熱やせきなどの症状が出る「RSウイルス感染症」など、ほかの感染症も増えている影響でせき止めなどの薬が不足するという医療面への影響が出ていると説明しました。
一方、ヘルパンギーナなどの感染対策としては次のように説明しています。
伊藤院長
「換気と手指の消毒が重要です。エアコンをつける際にも換気は必要で、学校や保育園などでこうした対策を怠ると一気に広がるおそれがあります。手洗いとともに、家に帰った時は早めに風呂に入り、体を洗い流すことも重要です」
そして、食事をしっかりとる、風呂に入り体を冷やさない、十分な睡眠をとるなどして免疫力や回復力を最大限に引き出すことが大切だと指摘していました。
ここからは荒木さくらアナウンサーとお伝えします。荒木アナウンサー、ヘルパンギーナなどは感染症ですから、私たちは基本的な対策を徹底するということでしょうか?
そうですね。こまめに手や指を消毒、家に帰った時のうがいや手洗いなど、これまで私たちが行ってきた対策が基本であることに変わりはありません。
さらに今後私たちが気をつけていきたいのが伊藤院長も最後に触れていた「免疫力の強化」です。伊藤さんによりますと、「腸内環境」を整えることが重要だということで、ヨーグルトをはじめ、ごぼうやたまねぎ、ニンニク、アスパラガスを食べるとよいということでした。
こうした食材は善玉菌を増やす助けになり、体の内側から免疫力を高めることにつながると話していました。