切腹の館~36 | seppukuのブログ

切腹の館~36

テーマ:切腹の館

ステージは、3階だった。客席は、個室になっていて、個室の中に座席は4つ。
正面にマジックミラーの窓があり、そこからステージを見おろすようになっている。
このような個室がステージを囲うようにいくつもあるようだ。
声は、個室の天井のスピーカーから聞こえてくる。
ステージの幕は上がっており、桃色の矢絣(やがすり)を着た腰元が三方の前に正座している。
検視役の声が流れてくる。
「腰元、藤浪と音羽の両名、当屋敷内の湯殿にて契りたること誠に不謹慎、斬首すべきところ、奥方様の格別のご配慮により、切腹を申し付けるものなり」
「在りがたき幸せにござります。藤浪、音羽、存分にお腹をいたしますゆえ、何とぞお見届けくださりませ」