ドローンをはじめて操縦しようと勉強した時に「思っていた以上にドローン飛行が法的に規制されているんだな」と感じた事がある方も、いるのではないでしょうか。
ドローンは航空法だけではなく、小型無人機等飛行禁止法や電波法などにより飛行を規制されており、中には国家資格を取得すれば飛行許可が降りるものもあります。とはいえ、自分が実施したいドローン飛行に何の資格が必要か分からない方も多いです。
この記事では、さまざまな法律で規制されているドローン飛行を実施する上で、必要な資格を紹介します!
現役ドローンパイロット&ライターとして活動中 / Mini2・Phantom4 Pro+ V.2.0の2台を所有 / DJI CAMP スペシャリスト・ドローン検定3級・UAS Level2取得済 / 執筆のご相談はこちらから
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もくじ [表示する]
産業用ドローンの操縦で必要な資格
Amazonで購入できるような一般向けドローンは2.4GHz帯周波数を使用して飛行しますが、産業用ドローンを飛行させる際では5.7GHz帯の周波数を使用して飛行させることがほとんどです。
ただし、5.7GHzの電波を使用する場合、第三級陸上特殊無線技士以上の国家資格を保有していなければ利用できないと電波法で定められています。
第三級陸上特殊無線技士の概要
陸上特殊無線技士は総務省が定める国家資格の無線従事者資格であり、第一級から第三級までが用意されています。第三級陸上特殊無線技士はタクシー無線の基地局などの無線設備を操作対象としており、最大送信出力1Wまでの5.7GHz帯周波数の電波を使用する際には必ず保有しておかなければいけない資格です。
なお、よくあるトラブルとして機体のメンテナンス時の電源操作が挙げられます。機体を実際に飛行させないとしても、電源を入れるだけの場面も第三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要となるため、注意しましょう。
加えて、第三級陸上特殊無線技士を取得するだけではなく、無線局の開局まで済ませなければ5.7GHz帯周波数を使用するドローンを飛行させられない事も注意する必要があります。
第三級陸上特殊無線技士の取得方法
個人で第三級陸上特殊無線技士を取得する方法として、国家試験を自分で受けに行く方法と養成課程(公募型)を利用する方法の2つがあります。
第三級陸上特殊無線技士の国家試験
第三級陸上特殊無線技士の国家試験を受ける場合、各地で受験できるCBT方式(コンピュータ利用試験)での試験に合格する必要があります。
受験費は5,600円と安めに設定されており、インターネット申請、郵送、協会の各事務所へ直接申請のいずれかで受験申込みが可能です。支払い方法はクレジットカード、コンビニエンスストア又はペイジー(金融機関ATMやインターネットバンキング)のいずれかとなっているため、自分に合った支払い方法を選択できます。
第三級陸上特殊無線技士の養成課程(公募型)
第三級陸上特殊無線技士の資格を取得できるもうひとつの方法として、養成課程があります。養成課程は「法規」が4時間、「無線工学」が2時間とそれぞれ講習を受け、講習後の修了試験に合格すれば1日で第三級陸上特殊無線技士を取得できる制度です。
講義から試験まで1日で行われるため合格率が高いことが特徴であり、各月で開催される講習日の10日前まで受講申込みを行い、受講料22,650円を支払えば受講できます。
ただし、養成課程は郵送または日本無線協会の各事務所に直接申込みをする必要があるため、余裕を持って申請するようにしましょう。
FPVドローン・レース用ドローンの操縦で必要な資格
ドローンレースなどに使用されるマイクロドローンや、ゴーグルを付けて臨場感溢れる撮影を行えるFPVドローンの多くは5.8GHz帯周波数を使用しています。
5.8GHz帯周波数は高速道路のETCシステムや駐車場管理に使用されている周波数であるため、これらの作動を妨害しないよう適切に取り扱える人材でなければ5.8GHz周波数を使用するドローンを操縦できません。
能力を証明するためには「第四級アマチュア無線技士」という国家資格を取得し、その上で無線局を開局する必要があります。ただし、第四級アマチュア無線技士は個人用途でのみ利用できる資格です。もしビジネス用途で5.8GHz帯周波数で飛行するドローンを使用する場合は先述した「第三級陸上特殊無線技士」を取得する必要があります。
第四級アマチュア無線技士について
第四級アマチュア無線技士は国家資格であるものの、合格率が極めて高く初心者にも取得しやすい資格です。
第四級アマチュア無線技士を取得すると、アマチュア局の無線設備でモールス符号による通信を除く、空中線電力10W以下であって周波数が21MHzから30MNzまで、または8MHz以下の無線設備、空中線電力20W以下であって周波数が30MHzを超える無線設備の操作が可能となるため、5.8GHz帯ドローンを飛行させられるようになります。
第四級アマチュア無線技士を取得する方法はCBT形式の受験、講習会受講、eラーニングの3つがあり、自分の生活スタイルに合わせられるのが特徴です。
編集後記
ドローンを仕事で操縦する上で必要になる事が多い資格についてご紹介しました。農業や運搬などにも活用される産業用ドローンをはじめとして、どうしてもビジネスでドローンを使用するとなると電波法に抵触するため、国家資格が必須条件となってしまいます。
ですが、今回ご紹介した資格はそれぞれ難易度が高いわけではないため、きちんと勉強すれば合格を見込める資格がほとんどです。法令遵守でドローンを飛行させるためにも、今後ビジネスでドローンを活用する予定がある方は資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
現役ドローンパイロット&ライターとして活動中 / Mini2・Phantom4 Pro+ V.2.0の2台を所有 / DJI CAMP スペシャリスト・ドローン検定3級・UAS Level2取得済 / 執筆のご相談はこちらから