【DJI新製品】カメラスペックや撮影性能が進化!Mavic 3 Proの魅力をご紹介!

2023年4月22日、DJIから4月に入って3つめの新作ドローン「Mavic 3 Pro/ Mavic 3 ProCine 」が発表されました。

2022年11月に発表されたDJI Mavic 3Classicは従来のMavic3から一部の機能を除外したドローンでしたが、Mavic 3 Pro/ Mavic 3 ProCine はMavic3よりもさらに撮影機能を向上させたドローンです。

本記事では、Mavic 3 Pro/ Mavic 3 ProCine がどのようなドローンなのか、その特徴や基本スペック、Mavic3との違いなどを解説します!

 

 

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Mavic 3 Pro/ Mavic 3 ProCine の特徴や基本スペック

Mavic 3 Pro/ Mavic 3 ProCine は機体重量と内部ストレージの容量が異なりますが、カメラスペックや撮影可能な解像度などは同じです。

そのため、以下で解説する「Mavic 3 Pro」という表記はMavic 3 Pro/ Mavic 3 ProCine で共通だという前提で閲覧ください。

安全・高品質な飛行を実現する機体スペック

従来のモデルであるMavic3は全方向にデュアルビジョンシステムを搭載し、その上で機体底にある赤外線センサーを補助として使用して障害物を検知し、安全な飛行を実現しています。

Mavic 3 ProにもMavic3 に搭載されている障害物検知システムやAPAS 5.0がそのまま導入されており、Mavic3 と同様に合計で8つの広角ビジョンセンサーが搭載されている機体です。

機体重量やサイズがMavic3 よりも大きくなっていることもあり、最大飛行時間はMavic3より3分短い43分ですが、1つの映像撮影に利用するのであれば十分に撮影可能な時間でしょう。全球測位衛星システム (GNSS)はGPS・Galileo・BeiDouの3衛星の情報を受信しているため、Mavic 3と同様にホバリング精度はかなり正確です。

また、映像伝送システムはMavic3と同様にDJI O3+を使用しており、最大15 kmまで安定した信号で送信機へ映像を伝達します。送信機でのライブビュー品質は最大1080p/60fpsとなっており、撮影画角を調整する際などにも不便はありません。

カメラマンを唸らせる焦点距離が違う3種類のカメラを搭載

Mavic 3 Proにおける最大の特徴と言っても過言ではない点、それは焦点距離が異なる3種類のカメラを搭載した3眼カメラで撮影可能であるという点です。

搭載されているカメラは4/3型CMOSの「Hasselbladカメラ」、1/1.3インチ CMOSセンサー「中望遠カメラ」、1/2インチ CMOSセンサー「望遠カメラ」の3つであり、以下のようなスペックとなっています。

焦点距離が異なる3種類のカメラ、と言われてもピンと来ない方が多いかも知れません。

カメラにおける焦点距離は、焦点距離を示す数字によって撮影できる写真・映像の画角が変わります。焦点距離は数字が小さいほど広範囲を撮影することができ、逆に数字が大きいほどより遠くにあるものを大きく撮影可能です。

このため、焦点距離を即座に切り替えられるMavic 3 Proは、より豊かな表現手法で撮影可能な、幅広い撮影シーンに対応できる優れた機能性を合わせ持つドローンであると分かります。

また、Hasselbladカメラは広範囲に渡る12-bit RAW写真を撮影できるカメラであり、繊細・鮮明な撮影に適しています。ソフトを使用して画像・映像を編集したり、カラーグラデーションを調整したりという手間を省きながらも、鮮烈な撮影を実現できるレンズです。

中望遠カメラは幅広い撮影現場で活躍する被写体を際立たせ、被写体に引き込まれるような印象を与える撮影ができます。印象的や情緒やメッセージ性を伝えたい撮影に適したレンズです。

望遠カメラは最大で28倍までズーム可能な、f/3.4のカメラとややf値が大きめのカメラです。f値は数字が大きいほどレンズに取り込む光量が少なくなるため、写真自体は暗めな印象を与えます。

ただし、f値が大きいほどピントを合わせられる範囲が広がるため、被写体の背景など前後左右にあるものも鮮明に捉えることが可能です。

そのため、望遠カメラは竹林の中にいる1体のコアラをズームして撮影しても、コアラだけではなく竹林も鮮明に撮影できます。

高画質映像を書き出すなら欠かせない「Apple ProRes」の充実

リーズナブルな金額のドローンではH.264 / H.265がコーデックとして使用され撮影データを圧縮していますが、Mavic 3 Proは全てのカメラで撮影したデータをApple ProResで圧縮可能です。

映像業界で主流として使われることが多いApple ProRes 422 HQはもちろん、Apple ProRes 422 HQよりは圧縮度が高いものの高画質なApple ProRes 422や、圧縮率の高く低画質気味なApple ProRes 422 LTも利用できます。

H.264 / H.265はデータ容量が軽くWEBにアップする際などに手軽に使用できますが、どうしてもApple ProRes 422 HQやApple ProRes 422などと比較すると画質の劣化が目立ちやすいのが特徴です。

納品や公開用などに使用するデータは高画質なApple ProResで圧縮することが望ましいため、Mavic 3 Proの各種カメラで撮影したデータを全てApple ProResで圧縮できるのは、映像業界で嬉しい悲鳴が上がるようなアップデートとも言えるでしょう。

夕暮れも繊細に表現可能な10-bit D-Log Mカラーモードの導入

一般向けドローンの多くはノーマル/HLG/D-Logなどのカラーモードでしか撮影できませんが、Mavic 3 Proは10-bitまたは8-bitで撮影が出来るようになりました。

10-bitと言われても、何が凄いのか分からないという方もいますよね。bitは1px辺りに割り当てる色の数を示すものであり、1-bitでは2(の1乗)×2(の1乗)×2(の1乗)の合計である8色が撮影に使われます。当然、使われる色が多いほどはっきりと眼で見える状態通りに撮影できるようになりますよね。

10-bitで撮影できるカメラは、2の10乗である1024×1024×1024となるため、合計で10億7374色を使って撮影できることを意味します。

つまり、Mavic 3 Proは10bitカラーモードを搭載していないMavic3よりも、膨大な数の色で撮影した静止画や映像を表現できるドローンであるということです。

なお、10-bitや8-bit撮影はノーマルモード、HLGモード、D-Logモードと併用できます。例えばMavic 3 ProでD-Log Mカラーモードを利用して撮影をする場合は、10-bit 4:2:2と10-bit 4:2:0を選べます。

この比率は輝度:青系統の色差:赤系統の色差を示しており、4:4:4の場合はRAWデータです。4:2:2は輝度以外の2つの色情報が半分になっているものの、RAWデータよりも軽量のデータに凝ったカラーグレーディングを行えます。

4:2:0は4:2:2から更に色情報が半分になった状態のため、非常にデータ容量が軽いのが特徴です。ただし、その分凝ったカラーグレーディングには不向きです。

これらは撮影後のカラーグレーディングを行うかどうかや、画質のこだわりなどと照らし合わせて使い分けるのがおすすめです。

Mavic 3 ProとMavic 3 ProCine の違い

Mavic 3 ProとMavic 3 ProCine で特に異なる点は内部ストレージ容量です。機体重量はMavic 3 Proが958gとなっており、内部ストレージ容量は8GBとなっています。

趣味や個人案件で請け負う程度であれば8GBでも問題無い場合がほとんどですが、どうしても映画やテレビなどに使用する長時間の撮影や、Mavic 3 Proならではの高画質な撮影を行うことを考えると、8GBでは足りなくなる可能性もあります。

容量不足を懸念する方にはMavic 3 ProCine がおすすめです。Mavic 3 ProCineは内部ストレージが1TBまで設けられているため、8GBしか容量がないMavic 3 Proよりも、ストレス無く快適に撮影できるでしょう。

なお、Mavic 3 Pro/Cine 両機の違いはデータ容量以外は離陸重量のみとなっており、Mavic 3 Proが958gであるのに対して、Mavic 3 ProCine が963gです。

Mavic 3 Proと Mavic3 の違いを比較してみよう

Mavic 3 Proと Mavic 3の機体本体のスペックはほとんど変わりませんが、Mavic 3 ProはMavic 3と比べた場合、カメラスペックや撮影性能など撮影において確認必須な点が変化しています。実際に両機にどんな違いが生まれているのか、Mavic 3 Proと Mavic 3の違いを解説します。

Mavic 3 Proと Mavic 3の違い①最大飛行・ホバリング時間

Mavic 3 Proと Mavic 3は飛行性能においては差がありませんが、Mavic 3 Proの方がMavic 3よりも63g重くなっています。

その影響もあり、Mavic 3の最大飛行時間が46分なのに対して、Mavic 3 Proは最大飛行時間が43分と約3分短くなっています。同様に最大ホバリング時間もMavic 3より3分短い37分です。

また、Mavic 3は最大飛行距離が30kmですが、Mavic 3 Proは2km短い28kmが最大飛行距離となっています。

たった3分の違いと思うかも知れませんが、撮影現場においては3分の違いが重要になる場面も少なくありません。

飛行可能時間と最大飛行距離以外は両機で差はありませんが、これらの点においてはMavic 3の方が優れていると言えるでしょう。

Mavic 3 Proと Mavic 3の違い②カメラ・レンズ性能

Mavic 3に搭載されているカメラはHasselbladカメラと望遠カメラの2つであり、Mavic 3 Proに搭載されている中望遠カメラはありません。

両機に搭載されているHasselbladカメラと望遠カメラのスペックには目立った差がないものの、Mavic 3 Proの望遠カメラの焦点距離の方がMavic 3よりも4mm長い166mmとなっています。また、Mavic 3 Proの望遠カメラが絞りf/3.4であるのに対し、Mavic 3は望遠カメラの絞りはf/4.4です。

中望遠カメラの焦点距離はHasselbladカメラと望遠カメラの中間付近にあるため、Mavic 3 Proの最大の特徴である焦点距離が異なる3つのカメラを手軽に切り替えて撮影ができるようになっています。

中望遠カメラは被写体の持つ奥行きや立体感、雰囲気を、より感情に語りかけるように撮影できるカメラです。どうしても中望遠カメラを搭載していないMavic 3は撮影手法が限られるため、臨場感や迫力ある演出をした静止画・映像を撮影する場合はMavic 3 Proに後れを取ります。

Mavic 3 Proと Mavic 3の違い③動画解像度・コーデック・

Mavic 3もApple ProResでデータ圧縮は可能ですが、Hasselbladカメラしか対応していません。Mavic 3 Proは搭載されている3つ全てのカメラでApple ProResを利用できるため、映像業界で使用する方はMavic 3 Proを選ぶ方が多いでしょう。ただし、最大5.1Kまで撮影できる点においては両機とも差はありません。

また、どうしてもMavic 3 Proに軍配が上がるのがカラーモードです。Mavic 3 Proは先述した10bit撮影やD-Log M撮影を利用できます。そのため、Hasselbladカメラがノーマル/HLG/D-Log、望遠カメラがノーマルでしか撮影できないMavic 3より、Mavic 3 Proは鮮やかで目で見るよりも美しい静止画や映像を撮影可能です。

また、Mavic 3 Proで利用できる10-bit 4:2:2はデータ量自体は重いものの、RAWデータよりは軽いデータとして仕上がります撮影データを編集する際のカラーグレーディングなどを行いやすいなど、撮影データを公開する準備段階において効率化を図れるというのもMavic 3 Proのポイントです。

Mavic 3 Proの販売開始日・販売価格

Mavic 3 Proは2023年5月9日に販売を予定しており、既にDJI公式サイトやDJI販売代理店SEKIDOなどでは予約受付を開始しています。具体的に、価格設定や基本パッケージに含まれるものをご紹介します。

Mavic 3 Proの基本パッケージと価格設定

Mavic 3 Proの基本パッケージは261,800円(税込)から販売しており、パッケージには本体・送信機DJI RC・予備の操作スティック・インテリジェント フライトバッテリー1本・低ノイズプロペラ・ポータブル充電器・ストレージカバー・TypeCケーブルが含まれています。

ただし、実際にMavic 3 Proを飛行させることを考えると、Fly More コンボで購入するのが現実的です。基本パッケージの同梱物にインテリジェント フライトバッテリーが2本追加され合計3本となり、100W電源アダプターやバッテリー充電ハブ、NDフィルターセット、ショルダーバッグが追加されます。Fly More コンボにする場合の料金は352,000円です。

なお、同じFly Moreコンボでも送信機の種類をDJI RC Proに変更すると一気に価格が跳ね上がり、471,900円となります。

また、Mavic 3 ProCine をPremium コンボで購入する場合は送信機がDJI RC ProかつDJI純正の10Gbs高速データ転送ケーブルやUSB-C-USB-Cケーブルが付属し、5631420円です。

Mavic 3 ProのDJI Care Refreshは1年版が41,800円、2年版が69,300円となっており、例えばFly More コンボでDJI Care Refresh(2年版)を購入した場合は421,300円となります。

編集後記

4月にDJIから続々と発表された新しいドローンの1つである、Mavic 3 Proについて解説しました。従来モデルのMavic 3自体も高スペックなドローンですが、どうしても撮影スペックにおいては、三眼カメラが搭載されカラーモードなどが増えたMavic 3 Proに軍配が上がります。

より解像度の高い撮影をしたい方や、さらに鮮明な映像を撮影したい方にはMavic 3 Proがおすすめですが、Mavic 3でも十分に美しい撮影が可能です。Mavic3とMavic 3 Proのどちらを購入するかお悩みの方は、本記事を読み返しながら自分の予算や使用用途に合わせて検討してみましょう。