真庭市は岡山県最北部に位置し、南北に約50km東西に約30kmと縦に広がる地形は同じ季節でも北と南で異なる景色を見せてくれます。
1万年前まで繰り返された火山活動によってミネラル分を多く含む火山灰が肥沃な土壌を生み出し、北部の蒜山地域を源流に瀬戸内海へ注ぐ旭川。真庭全体を清らかで豊かな水で満たされた大地は、真庭の人々に豊かな食と美しい自然をもたらしました。
自然と人々の共生は、真庭の文化です。
2040年に日本で65歳以上の高齢者人口の割合が35%を超え、社会保障費の負担や高齢者層の貧困化、孤独死といった高齢化・過疎化による「2040年問題」が近づいています。
私たちがいる真庭市の高齢化は進んでおり、2015年の時点で高齢者の割合は36%を超えています。
20年先の“日本の将来”が今この真庭にはあります。
私たち十字屋は真庭の人々の「困った」という声があれば力になりたいという想いを原動力に創業し、今年で105年になります。
汚物処理や汚水処理といった真庭の環境を支えるインフラ事業をはじめ、生ごみの再生事業や、農業支援・高齢者支援のための野菜の生産・加工・販売事業など多岐にわたる事業を行っています。
“問題を先送りにしてはいけない。”この土地・人々と共に歩んできた100年を未来へ紡いでいく責任が私たちにはあります。
私たちは「共生」の理念を基に、多少お節介でも、世代を超えて共に生きていける持続可能な社会を実現することを目指します。
十字屋グループが創業時の志を守り、地域の課題解決を行い続けてきたことが、
今「持続可能な開発目標(SDGs)」の推進に繋がっています。
家庭の生ごみや汚泥、し尿などをメタン菌で分解し、殺菌処理をした後、菌の分解機能を使って液肥化した液肥(バイオ液肥)で育てたお野菜です。
バイオ液肥には植物の育成に必要な「微量要素」や「ミネラル成分」が多く含まれていて、野菜にも環境にも優しい肥料です。
今から約10年前、味は同じでも少し見た目が悪いことやサイズが小さいといった理由で捨てられてしまう野菜をどうしたらいいか、と真庭のおばあちゃんに相談をしてみたところ「うちに持ってきてみぃ」と野菜を手際よく料理して振舞ってくれました。
それがきっかけで、また捨てられてしまうお野菜をおばあちゃん達にお願いして調理してもらっていると、「わしらは、これがしたかったんじゃ」とみんなが口をそろえて言いました。
みんなで集まって元気な姿が見れること、おしゃべりする場所があること、社会に役に立ってると感じられる機会があること、それがずっとしたかったこと。それから私たちは本格的に真庭のおばあちゃん・おじいちゃんたちに場所と機会を作れるようにと、「おせっかい野菜」を開発。加工施設を整備、今では上は 92歳、平均年齢85歳の真庭の元気でお節介なおばあちゃんたちが活躍しています。