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指導用 リボン
作者:えんどれす

由香は学校帰り

少し怪しげな雑貨屋を訪れた

そこは路地裏にある少し薄暗い場所で

近寄りずらかったが

最近出来たばかりだろうか

1度訪れて見ようと今日立ち寄ってみたのだ

中は小綺麗で年配の店員さんが椅子に腰をかけている

店の中にはアンティークの小物や

アクセサリーが並んでいた

由佳の目に飛び込んだのは

由佳の学校の制服に似ているリボンだった

このリボンは?

そのリボンは由佳の通っている高校のリボンと色と形は

同じだがかなり違っていた

由佳のリボンは鉛筆ぐらいの幅の首周りゴムが付いているが

その売られているリボンはカッターシャツの襟にギリギリ隠れるくらいの

幅広のゴムが付いている

金具で留めるようになっているがゴムの直径が腕時計サイズぐらいしかなく伸ばせる金具も付いていなかった

思わず由佳はこれは手首用ですか?

と店員に声を掛けてしまった

店員の年配の女性は少しニコリとして

いえいえもちろん首に付けるものですよ

ゴムも伸ばせばどこまでも伸びますし

但し伸ばす事ができても一度首に付けてしまえば

きつく締め付けて緩まなくなり外す事が出来なく

なります

そう店員が答えてくれる


ハハハ

そんな事があるわけないじゃないですか

私そんなリボンがあるなら付けてみたいです

私はそう答えそのリボンを手に取った

首には付けずにまず手で引っ張り確かめる

確かにゴムはかなりの力で引っ張らないと伸びないが

首にはつけれそうだ

でも縮む力も凄いので首がかなり苦しくなるのは

目にみえている

金具で留めるみたいだが普通に外れるし

問題はないみたい

1度首に付けてみてもいいですか?

由佳は尋ねてみた

いいですけど

本当に外せなくなりますよ

はーい

由佳は気楽にそう返事して

今付けている緩めのリボンを外し

試しに付けてみる事にした

第一ボタンを留めて襟をまくってつけた方がいいですよ

店員さんが教えてくれる

確かにこんなに締まりそうならそちらの方が良さそうだ

由佳はカッターシャツの第一ボタンを留めようとする

第一ボタンを留めるなんていつ以来だろう

校則では第一ボタンもきちんと留めリボンも首元まできちんと付けるとあるが

由佳は気にも留めてなかったし

先生もそれほどうるさく言わなかったので

留める事がなかったのだ

長く留めてなかったので

少し苦戦するがボタンホールにボタンがスルッと通る

うっ苦しい

こんなに苦しいものだったったかな・・・

首を締め付けられている感じだ

襟をまくり上げてリボンを付けようと

首の後ろに手を回しゴムを引っ張る

あと少し片方のフックが金具に引っ掛かる

ゴムがきつく由佳の首を締め付ける

うっくっ苦しい

襟を整えてリボンを丁寧に整えたが

首を締め付けて苦しくてたまらない

呼吸が出来ない程ではないがギチギチで音を立てるほど

締め上げられている

苦しい無理だ

由佳はすぐに音を上げてしまった

金具に指を掛け外そうと

あれ金具がない・・・

由佳はリボンのゴムを触るが

金具が見つからない

苦しい

リボンを前に引っ張り隙間を喉に作ろうとするが

強烈に締め付けるゴムが

少しの緩みも許さない

店員さん外して下さい

あれいない

さっきまでそこにいた店員さんはいなくなっていた

あれどうして

店の奥には店員さんが行くスペースも無い

外かな

木のドアを開けて外に出る

由佳は店の外に出て

周りを見渡してみる

いない

やっぱり中か・・・

ガチャガチャ

ドアが開かない

あれどうして

開けて下さい

誰かー

ドアが開かず中にも入れなくなった由佳は

ぼう然と立ち尽くした

どうしょう

もう帰ろうかな

由佳は考えられなくなってきた

首の締め付けが厳しくて判断が出来なくなってきているのだ

はぁはぁ苦しい

首を締め付けられて歩いて帰る道のりはかなり辛く

普段の数倍疲れでしまった

それでも何とか家に到着したが

自分の部屋に入るなりベッドにうつ伏せに倒れ込んでしまった

嫌だ外そう

襟をまくり上げて鏡を見てみるが金具が無くなり

ゴムが巻き付いている

くっ

切るしかない

由佳は机の引き出しからハサミを取り出し

ゴムを切ろうとしてみるが

くっまったく歯が立たない

ダメだ切れない

取れない

苦しい

嫌ー

由佳はパニックになりリボンを力任せに引きちぎろうと

するがリボンは1ミリたりとも伸びない

ギチギチに締まった首周りの為

カッターシャツも脱ぐことが出来ない

もちろん第一ボタンもリボンで隠されて

触ることすら出来ない

あっあっ苦しい

お願い外れてー

由佳の願いも空しくリボンは由佳の首を厳しく締め付けた

はぁはぁ

疲れた

由佳はそのままウトウト眠りに付いてしまった


由佳 ご飯よ

1階から母の呼ぶ声がする

由佳は階段を降りていき食卓に腰をかける

由佳どうしたの?

制服のままじゃない着替えないの?

と聞いてくる

お母さんリボンが取れない苦しい

由佳は泣きそうになってそう訴えた

あら

そのリボンは

母は由佳のリボンを触り確かめている

懐かしいわね

これはお母さんの高校の時に服装違反した生徒に付けられる

懲らしめる為のリボンよ

これを付けられたら絶対外せないのよねー

お母さんも苦しめられたわー

えーっ

どうしたら外れるの

由佳は尋ねる

確か二度と服装違反しませんと

心に決めて実行出来るようになるまでは外れないとおもうわよ

えーっそんなあ

わかりました

服装違反しません

・・・

外せない

そんな口先じゃ無理よと母が言う

嫌ー

苦しい

お願い

絶対これからきちんと制服着るから

ギチギチ

リボンが由佳の厳しく首を締め付ける


おはよう由佳

今日はえらい真面目ちゃんだね

親友のかなが笑っている

もう人の気も知らないで

外せないリボンは何とか昨日の夜遅くに

外す事が出来たが

校則違反は二度としないと心に決めて

しまったので普通のリボンも有無を言わさず

付けてしまったのだ

まぁこれもいいかもね

由佳は制服はきちんと着ないと

と思うようになってしまった













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