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韓国で反発強い福島原発処理水問題 キムチ作りに欠かせない天日塩買いだめ騒動勃発

東スポWEB / 2023年6月16日 12時4分

韓国名産のキムチづくりには塩が欠かせない

日本政府が夏ごろの放出開始を目指す東京電力福島第1原発の処理水を巡り、反発が強い韓国で天日塩の価格が高騰している。韓国メディアは海洋汚染を恐れる消費者が放出前に塩の買いだめに走り、品薄状態になっていると報じ、韓国政府は15日の記者会見で安全性を強調するなど沈静化に躍起だ。

韓国最大の天日塩生産地である、南部全羅南道新安の水産業協同組合直売所では、個人客による注文数が急増し20%値上がりした。ショッピングサイトでも天日塩の品切れが続出。ソウルの塩卸業者は「(処理水放出を)心配して買いに来る主婦が増えた。在庫は不足し、価格も上がった」と明かす。海洋水産省によると、6月第1週の天日塩の価格は4月同期比で約27%上昇した。

韓国の塩の消費量は日本人よりも多い。塩事業センターによると、17か国を調査したデータで、1日当たりの塩摂取量は1位が韓国の13・2グラム、2位が日本の12・4グラム、17位はメキシコで7・0グラムだという。

また、韓国で伝統を守る家庭では11月~1月に1年分のキムチを漬けるため、冬に備えて塩を絶対に手に入れておかねばならない。そして、キムチ生産企業にとっては秋からが生産シーズンで、今から塩を確保しておかなくてはならないので価格高騰は大ダメージだという。

高騰している塩は海水由来の天日塩。キムチ作りには絶対に欠かせない。しかも、別の値上がり事情があった。韓国紙ハンギョレによると「今年4~5月、天日塩の最大生産地である木浦周辺の降水日数は平年や前年より多く、天日塩生産に適した環境が造成されなかった」という。天日は海水を太陽と風の力で結晶化させるところ、雨続きだったというわけだ。

同紙では30代主婦の「もし汚染水が放流されれば買いにくいようで、あらかじめ1年食べる量を購入した」との声を報じており、買いだめが始まっているようだ。

高騰は塩だけではなさそうだ。アミエビ、ノリ、ワカメ、コンブ、煮干しなどの乾物の買いだめも行われているという。どれも韓国食材として欠かせないもので、政府の国務調整室はこの日の会見で「科学的事実に基づく情報を提供し、国民の懸念が深まることがないように努める」と火消しに躍起になっているが、収まりそうにない。

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