埼玉の県営公園での水着撮影会が中止要請されたり撤回されたりとバタついている昨今です。この件は共産党の県議が申し入れをしたことで、「共産党の表現弾圧」 というストーリーが一部で盛り上がっています。まぁ、いつもの通り反共デマなんですが。(この辺の事実関係については『背景:埼玉県営公園における水着撮影会の中止-表現の自由ファクトチェックwiki』にまとめました)
ただ、共産党の対応を見ている限り、事態の性質を捉え損なっているのではないかという気もしてきます。殺害予告じみたこともあったようですし、所属する議員や職員を守るという意味でも、ミソジニストに妙な攻撃動機を与えたり印象操作で悪者にされないためにも、この手の問題は党で事例を共有しつつ戦略を練ってことにあたるほうが良い気がします。
そこで今回の記事では、部外者が出しゃばるようですが、この手の問題を追いかけ、ネットトロールとやりあってきた立場から色々な解説と提案をさせてもらおうと思います。
これまで一般に、行政の不適切な行為に対する申し入れというのは、重要ながら目立たない活動であったと思います。自衛隊が若者の個人情報を勝手に持っていくような問題に対する申し入れしかり、災害時に不足する支援の拡充を求める申し入れしかりです。こうした話題が全国紙で報じられることは稀で、大体は地方紙かしんぶん赤旗が報じるのがせいぜいといったものだったと思います。こうした、ある種「地味な」問題にもきちんと動く議員には頭が下がる思いです。
このことは、これからも大半の問題で変わらないでしょう。ネットが発達したとはいえ、地味な問題にスポットライトが当たることは相変わらず稀です。これまでより確率は上がるかもしれませんが、低いことには変わりありません。
しかし、例外があります。それが今回の水着撮影会のような、「地方の行政における性的搾取事案」とでも総称すべきケースです。このようなケースでは、ネットを介して事例が拡散し、「表現弾圧だ」として「炎上させられ」、全国レベルの話題になることが往々にしてあることを理解しなければなりません。
今回の件で特徴的だったのが、中止要請された撮影会の1つの運営が、ネットで署名を呼び掛けたことです。これは一見すると奇妙に見えるかもしれません。この時点で既にこの撮影会は開催中止を決めていたはずですし、はっきりとした抗議が公に発信される前に一足飛びに署名の呼びかけに辿り着いているからです。
しかし、これも前例があることを理解すれば、実はさほど意外ではありません。この手の「地方の行政における性的搾取事案」として直近に話題となったものに、千葉県松戸市がご当地Vtuberを称する(未成年と思われる露出の多い)キャラクターを警察の交通安全ビデオに出演させたケースがあります。この事例でも、抗議をした全国フェミニスト議員連盟宛というかたちで抗議署名が集められました。
さらに遡れば、地方の行政ではありませんが、ファミリーマートの「お母さん食堂」の名前を変えるように求めた運動に対し、界隈では有名なネットトロール(要するに嫌がらせの専門家)が、不二家のお菓子「ミルキー」に対し「ママの味だけではなくパパの味というフレーズも使え」という署名を集めていました。なお、この署名を集めたネットトロールは、上掲のフェミニスト議連への署名を集めた人物でもあります。
また、署名ではありませんが、最近の例であれば、女性支援団体への嫌がらせを執拗に行っている人々が、裁判費用と称して多額のカンパを集めているケースもあります。
こうした戦法は最近になって目立って行われるようになったものですが、この戦略がとられるのはネットで騒動を大きくしつつ、署名数によって自分たちの勢力の人数を誇ると同時に仲間内で盛り上がる、ネットスラングで言うところの「祭り」を起こして楽しむためでもあります。要するに「赤信号みんなで渡れば怖くない」式の嫌がらせをしながら、承認欲求と幾ばくかの金銭欲を満たすための戦略なのです。
こうした署名やカンパに応じてしまう人々の心理についてはここでは立ち入りませんが、重要なのは、こうした戦略を主導する人々の動機が私的な欲求の充足であり、そのためには騒ぎは大きければ大きいほどよく、真実に忠実である必要は何もないということです。残念ながら、道徳が存在しないネットにおいてはこうした人々に限って資金やリソースを効率よく集める傾向にあり、逆に自らの欲望の充足のために「騒動」に乗ろうとする人も現れています。
このような状況下では、行政に対する申し入れはもはや「地方の地味な活動」ではありません。少々大げさに言えば、極右政治家や活動家が各地にある戦時中の加害行為を記念する碑や像を攻撃したり、統一協会系の人々が性教育やセクシャルマイノリティへの権利を攻撃したりする類の、はっきりと組織的ではないかもしれないが明らかに一市民の活動規模を超える勢いでなされる攻撃の一種であるとみなすべきときです。
(まぁ、実際には、女性の権利が憎い人々はおおむね歴史修正主義者や統一協会関係者と被っているでしょうから、いずれ、あるいはすでに接続はあるかもしれません。女性支援団体への攻撃は自民党の地方議員が扇動している側面もありますし)
性的搾取であるという批判に対する反発、攻撃、バックラッシュが一市民の活動規模を超える勢いでなされる攻撃の一種であるとするならば、これに徒手空拳で立ち向かうのは不可能であり、無謀です。共産党は高齢化による党員減が課題であるとはいえ、まだまだ全国にしっかりと組織が根付いている稀有な野党政党であるはずです。相手方が一大勢力で攻撃してくるのであれば、共産党も組織を土台としてしっかりと対策を取らなければなりません。性的搾取を看過するという選択肢がない以上それ以外に手はありません。
といっても、それを説明するのはかなり大変なのですが。彼らの思考回路や特徴は肌感覚で理解するほうがわかりやすいというのが正直なところではあります。
まぁ、とはいえ、私のように何年もこの手の厄介者をちぎっては投げちぎっては投げしろということもできませんし、そんな時間もないでしょう。ここでは不完全かもしれませんが、こうしたネットトロールの特徴と対策を出来る限り解説することを試みます。
・異常なまでの攻撃性
ネットトロールの特徴として最初に、そしてしっかり頭に入れておかなければならないのは、その異常なまでの攻撃性です。これは本当に危険であるため、身の安全のために理解しなければなりません。
彼らの攻撃性を代表するのが、何度も持ち出して恐縮ですが、暇空茜を始めとする人々による女性支援団体への攻撃です。彼らの嫌がらせはネット上でのデマに始まりましたが、ついにはバスカフェへ実際に訪れ妨害するところまで行きました。また、バスカフェへ行かなくとも殺害予告は日常茶飯事、商品の送り付けも頻繁、開示請求した資料から保護シェルターの住所を割り出そうとするなど、悪ふざけから本気で命にかかわる行為までありとあらゆることをするのが彼らです。
彼らの攻撃性の高さは、手間を惜しまないくせに途方もなく大馬鹿という最悪の特徴を持っています。これは私の事例ではありませんが、私の正体だと思い込まれた人が殺害予告をされた際には(この時点でだいぶヤバいのがわかるでしょう。無関係な人にも思い込みで殺害予告するレベルなので)、暇空に嫌われ攻撃されている別の人物のアドレスを調べ上げてなりすますということまでしています。彼らは嫌がらせのために、常識では考えられないことまでやってのけるのです。実際の殺人に至っていないのが奇跡と思えるほどです。
このような集団が相手ですから、特に女性議員が行動を起こす際には十分に気を付ける必要があります。殺害予告やその他嫌がらせには毅然とした対応を取り、加害者に責任を取らせる必要があります(それが攻撃者を減らし別の被害を防ぐことにも繋がるでしょう)。
・議論はできない/相手と対等にならない
彼らは真実がどうでもいいので、彼らを相手にした議論はできませんし、してはいけません。攻撃を誘発するだけです。また、こうしたネットトロールにまともに反論しようとすることは、彼らを自身、つまりまともな議員と対等に扱うことであり、彼らにとってこれほど都合のいいことはありません。嫌がらせをしているだけなのに議員と同じ立場に立てるのですから。ですから、対等に扱うことも避けるべきです。
水着撮影会の件で、共産党の県議はアベマへの出演を断ったようですが、賢明な判断です。一見するとまともそうなメディアであっても、その内実は女性蔑視にまみれているということは残念ながらよくあります。特にアベマはひろゆきを肯定的に扱うレベルのメディアですから、この件でまともな報道は不可能でしょう。こうした場に出演することも、まともな議員とネットトロールを同列に扱う演出に利用される恐れがあります。
しかし、言われっぱなしというのも癪でしょう。後述するように、ネットトロールは「自分たちが優位である」という空気感が欲しいので、それを与えることにもなりかねません。なので、出鱈目には明確な反論が必要ではあります。
この場合に有効なのは、組織としての公的なステートメントとして主張を発信することです。個別具体的な意見に反応しないことで相手を対等に扱わないようにしつつ、誤った風説はしっかりと否定できます。また、個々の議員が個別に応じないことで攻撃を避けられるメリットもあります。
もし仮に、個々で対応しなければいけない場合は、直接反論することは避けるべきでしょう。引用RTの機能を使用し、自身のフォロワーなどの外部に「こんなひどいことを言う人がいるが、事実ではない」と発信する(ネットスラング的に言えば、ある種晒し上げる)かたちで対応すべきです。あくまで、相手個人に対応しているわけではないことを示すのが重要です。
なお、相手は真実がどうでもいい類の人物なので、論駁による態度の変化を期待してはいけません。議員に嫌がらせをしてくるような人間はもう手遅れなので、何を言っても無駄です。発信はあくまで、手遅れになっていない人たちに向けることを意識すべきです。
・彼らは勝っている雰囲気が欲しい
ネットトロールはネット上でのやり取りにおいて、「自分が勝っている雰囲気」を目指していることを理解すべきです。実際に勝つ必要はなく、ただ勝っているっぽい感じが出ていればいいのです。Twitterでブロックされたり反論が途絶えたりすると勝ち誇るのはこうした特徴故の行動です。
ですから、相手方にこの雰囲気を与えず、常に相手を負け犬に留めることが肝要です。先ほどアベマへの出演を承諾しなかった件に触れましたが、もし出ていれば、ネットトロール側の出演者がわーわーと支離滅裂なことを延々と言い立て、まともな側がその意味を理解できずに茫然としているなかで番組が終わり、ネットトロールが「相手は反論できなかった」と勝ち誇ることになっていたでしょう。というか、これまでもだいたいそうでした。
リアルタイムの議論において、ネットトロールは無敵に強さを誇ります。そりゃ、デマは言いたい放題、嘘も言いたい放題、主張が180度変わってもお構いなしですから負けようがありません。普通であればこんなもの惨敗もいいところですが、ネットトロール界隈ではこうした行為が負けにカウントされないので無敵です。安倍晋三の国会答弁だと思えばわかりやすいでしょう。
こうした相手に勝っている雰囲気を出させないのは、実際かなり困難ではあります。ですから、こちら側は隙を作らず相手にまともに応じないのも1つの手になってきます。
幸い、共産党は個々の議員のレベルが高く、組織もしっかりしているので、このようなことはやろうと思えばできるはずです。一支持者としては、ぜひやってほしいというのが正直なところです。そうなれば、水着撮影会のような行為に疑問を抱きつつ問題点を言語化するのが難しかった人たちも助かるでしょう。
なお、私のこれまでの経験から言えるのは、未成年を性的に扱う行為は問題点が理解されやすく、これを擁護する側の旗色も悪くなりやすいということです。そりゃ大問題ですから当然なのですが、問題だと明らかにしやすい点をおさえてフォーカスを当てるのも戦略的に必要なことでしょう。
世間は入管法改悪だのLGBT差別増進法だの悪いことばかりですが、こういう時だからこそ、目の前の問題を蔑ろにせずきっちりと解決していく必要があります。そのためにも、共産党の議員の皆さんには頑張っていただきたいと思います。事実、水着撮影会の件だって、申し入れがどこまで効いたかはさておくにせよ、申し入れがなければ我々はその問題を知ることすらなかったわけですから。
ただ、共産党の対応を見ている限り、事態の性質を捉え損なっているのではないかという気もしてきます。殺害予告じみたこともあったようですし、所属する議員や職員を守るという意味でも、ミソジニストに妙な攻撃動機を与えたり印象操作で悪者にされないためにも、この手の問題は党で事例を共有しつつ戦略を練ってことにあたるほうが良い気がします。
そこで今回の記事では、部外者が出しゃばるようですが、この手の問題を追いかけ、ネットトロールとやりあってきた立場から色々な解説と提案をさせてもらおうと思います。
もはや「地方の地味な活動」ではない
最初に、この手の問題はもはや「地方の地味な活動」ではなく、全国的に「燃え広がる」、より正確に言えば燃やされる性質のものであることを指摘しておきます。これまで一般に、行政の不適切な行為に対する申し入れというのは、重要ながら目立たない活動であったと思います。自衛隊が若者の個人情報を勝手に持っていくような問題に対する申し入れしかり、災害時に不足する支援の拡充を求める申し入れしかりです。こうした話題が全国紙で報じられることは稀で、大体は地方紙かしんぶん赤旗が報じるのがせいぜいといったものだったと思います。こうした、ある種「地味な」問題にもきちんと動く議員には頭が下がる思いです。
このことは、これからも大半の問題で変わらないでしょう。ネットが発達したとはいえ、地味な問題にスポットライトが当たることは相変わらず稀です。これまでより確率は上がるかもしれませんが、低いことには変わりありません。
しかし、例外があります。それが今回の水着撮影会のような、「地方の行政における性的搾取事案」とでも総称すべきケースです。このようなケースでは、ネットを介して事例が拡散し、「表現弾圧だ」として「炎上させられ」、全国レベルの話題になることが往々にしてあることを理解しなければなりません。
今回の件で特徴的だったのが、中止要請された撮影会の1つの運営が、ネットで署名を呼び掛けたことです。これは一見すると奇妙に見えるかもしれません。この時点で既にこの撮影会は開催中止を決めていたはずですし、はっきりとした抗議が公に発信される前に一足飛びに署名の呼びかけに辿り着いているからです。
しかし、これも前例があることを理解すれば、実はさほど意外ではありません。この手の「地方の行政における性的搾取事案」として直近に話題となったものに、千葉県松戸市がご当地Vtuberを称する(未成年と思われる露出の多い)キャラクターを警察の交通安全ビデオに出演させたケースがあります。この事例でも、抗議をした全国フェミニスト議員連盟宛というかたちで抗議署名が集められました。
さらに遡れば、地方の行政ではありませんが、ファミリーマートの「お母さん食堂」の名前を変えるように求めた運動に対し、界隈では有名なネットトロール(要するに嫌がらせの専門家)が、不二家のお菓子「ミルキー」に対し「ママの味だけではなくパパの味というフレーズも使え」という署名を集めていました。なお、この署名を集めたネットトロールは、上掲のフェミニスト議連への署名を集めた人物でもあります。
また、署名ではありませんが、最近の例であれば、女性支援団体への嫌がらせを執拗に行っている人々が、裁判費用と称して多額のカンパを集めているケースもあります。
こうした戦法は最近になって目立って行われるようになったものですが、この戦略がとられるのはネットで騒動を大きくしつつ、署名数によって自分たちの勢力の人数を誇ると同時に仲間内で盛り上がる、ネットスラングで言うところの「祭り」を起こして楽しむためでもあります。要するに「赤信号みんなで渡れば怖くない」式の嫌がらせをしながら、承認欲求と幾ばくかの金銭欲を満たすための戦略なのです。
こうした署名やカンパに応じてしまう人々の心理についてはここでは立ち入りませんが、重要なのは、こうした戦略を主導する人々の動機が私的な欲求の充足であり、そのためには騒ぎは大きければ大きいほどよく、真実に忠実である必要は何もないということです。残念ながら、道徳が存在しないネットにおいてはこうした人々に限って資金やリソースを効率よく集める傾向にあり、逆に自らの欲望の充足のために「騒動」に乗ろうとする人も現れています。
このような状況下では、行政に対する申し入れはもはや「地方の地味な活動」ではありません。少々大げさに言えば、極右政治家や活動家が各地にある戦時中の加害行為を記念する碑や像を攻撃したり、統一協会系の人々が性教育やセクシャルマイノリティへの権利を攻撃したりする類の、はっきりと組織的ではないかもしれないが明らかに一市民の活動規模を超える勢いでなされる攻撃の一種であるとみなすべきときです。
(まぁ、実際には、女性の権利が憎い人々はおおむね歴史修正主義者や統一協会関係者と被っているでしょうから、いずれ、あるいはすでに接続はあるかもしれません。女性支援団体への攻撃は自民党の地方議員が扇動している側面もありますし)
性的搾取であるという批判に対する反発、攻撃、バックラッシュが一市民の活動規模を超える勢いでなされる攻撃の一種であるとするならば、これに徒手空拳で立ち向かうのは不可能であり、無謀です。共産党は高齢化による党員減が課題であるとはいえ、まだまだ全国にしっかりと組織が根付いている稀有な野党政党であるはずです。相手方が一大勢力で攻撃してくるのであれば、共産党も組織を土台としてしっかりと対策を取らなければなりません。性的搾取を看過するという選択肢がない以上それ以外に手はありません。
ネットトロールの特徴を理解しなければならない
ネットトロールに対応するには、その特徴をきちんと理解しなければなりません。といっても、それを説明するのはかなり大変なのですが。彼らの思考回路や特徴は肌感覚で理解するほうがわかりやすいというのが正直なところではあります。
まぁ、とはいえ、私のように何年もこの手の厄介者をちぎっては投げちぎっては投げしろということもできませんし、そんな時間もないでしょう。ここでは不完全かもしれませんが、こうしたネットトロールの特徴と対策を出来る限り解説することを試みます。
・異常なまでの攻撃性
ネットトロールの特徴として最初に、そしてしっかり頭に入れておかなければならないのは、その異常なまでの攻撃性です。これは本当に危険であるため、身の安全のために理解しなければなりません。
彼らの攻撃性を代表するのが、何度も持ち出して恐縮ですが、暇空茜を始めとする人々による女性支援団体への攻撃です。彼らの嫌がらせはネット上でのデマに始まりましたが、ついにはバスカフェへ実際に訪れ妨害するところまで行きました。また、バスカフェへ行かなくとも殺害予告は日常茶飯事、商品の送り付けも頻繁、開示請求した資料から保護シェルターの住所を割り出そうとするなど、悪ふざけから本気で命にかかわる行為までありとあらゆることをするのが彼らです。
彼らの攻撃性の高さは、手間を惜しまないくせに途方もなく大馬鹿という最悪の特徴を持っています。これは私の事例ではありませんが、私の正体だと思い込まれた人が殺害予告をされた際には(この時点でだいぶヤバいのがわかるでしょう。無関係な人にも思い込みで殺害予告するレベルなので)、暇空に嫌われ攻撃されている別の人物のアドレスを調べ上げてなりすますということまでしています。彼らは嫌がらせのために、常識では考えられないことまでやってのけるのです。実際の殺人に至っていないのが奇跡と思えるほどです。
このような集団が相手ですから、特に女性議員が行動を起こす際には十分に気を付ける必要があります。殺害予告やその他嫌がらせには毅然とした対応を取り、加害者に責任を取らせる必要があります(それが攻撃者を減らし別の被害を防ぐことにも繋がるでしょう)。
・議論はできない/相手と対等にならない
彼らは真実がどうでもいいので、彼らを相手にした議論はできませんし、してはいけません。攻撃を誘発するだけです。また、こうしたネットトロールにまともに反論しようとすることは、彼らを自身、つまりまともな議員と対等に扱うことであり、彼らにとってこれほど都合のいいことはありません。嫌がらせをしているだけなのに議員と同じ立場に立てるのですから。ですから、対等に扱うことも避けるべきです。
水着撮影会の件で、共産党の県議はアベマへの出演を断ったようですが、賢明な判断です。一見するとまともそうなメディアであっても、その内実は女性蔑視にまみれているということは残念ながらよくあります。特にアベマはひろゆきを肯定的に扱うレベルのメディアですから、この件でまともな報道は不可能でしょう。こうした場に出演することも、まともな議員とネットトロールを同列に扱う演出に利用される恐れがあります。
しかし、言われっぱなしというのも癪でしょう。後述するように、ネットトロールは「自分たちが優位である」という空気感が欲しいので、それを与えることにもなりかねません。なので、出鱈目には明確な反論が必要ではあります。
この場合に有効なのは、組織としての公的なステートメントとして主張を発信することです。個別具体的な意見に反応しないことで相手を対等に扱わないようにしつつ、誤った風説はしっかりと否定できます。また、個々の議員が個別に応じないことで攻撃を避けられるメリットもあります。
もし仮に、個々で対応しなければいけない場合は、直接反論することは避けるべきでしょう。引用RTの機能を使用し、自身のフォロワーなどの外部に「こんなひどいことを言う人がいるが、事実ではない」と発信する(ネットスラング的に言えば、ある種晒し上げる)かたちで対応すべきです。あくまで、相手個人に対応しているわけではないことを示すのが重要です。
なお、相手は真実がどうでもいい類の人物なので、論駁による態度の変化を期待してはいけません。議員に嫌がらせをしてくるような人間はもう手遅れなので、何を言っても無駄です。発信はあくまで、手遅れになっていない人たちに向けることを意識すべきです。
・彼らは勝っている雰囲気が欲しい
ネットトロールはネット上でのやり取りにおいて、「自分が勝っている雰囲気」を目指していることを理解すべきです。実際に勝つ必要はなく、ただ勝っているっぽい感じが出ていればいいのです。Twitterでブロックされたり反論が途絶えたりすると勝ち誇るのはこうした特徴故の行動です。
ですから、相手方にこの雰囲気を与えず、常に相手を負け犬に留めることが肝要です。先ほどアベマへの出演を承諾しなかった件に触れましたが、もし出ていれば、ネットトロール側の出演者がわーわーと支離滅裂なことを延々と言い立て、まともな側がその意味を理解できずに茫然としているなかで番組が終わり、ネットトロールが「相手は反論できなかった」と勝ち誇ることになっていたでしょう。というか、これまでもだいたいそうでした。
リアルタイムの議論において、ネットトロールは無敵に強さを誇ります。そりゃ、デマは言いたい放題、嘘も言いたい放題、主張が180度変わってもお構いなしですから負けようがありません。普通であればこんなもの惨敗もいいところですが、ネットトロール界隈ではこうした行為が負けにカウントされないので無敵です。安倍晋三の国会答弁だと思えばわかりやすいでしょう。
こうした相手に勝っている雰囲気を出させないのは、実際かなり困難ではあります。ですから、こちら側は隙を作らず相手にまともに応じないのも1つの手になってきます。
事例の集積と論理武装を
恐らくですが、今後もこのような事例は幾度となく出てくるでしょう。そのたびにゼロから議論するのははっきり言って無駄です。それぞれの事例では共通する点も多く、またネットトロールの反応もだいたい同じですから、これまでの経験を集約し効率的な戦い方をする必要があります。幸い、共産党は個々の議員のレベルが高く、組織もしっかりしているので、このようなことはやろうと思えばできるはずです。一支持者としては、ぜひやってほしいというのが正直なところです。そうなれば、水着撮影会のような行為に疑問を抱きつつ問題点を言語化するのが難しかった人たちも助かるでしょう。
なお、私のこれまでの経験から言えるのは、未成年を性的に扱う行為は問題点が理解されやすく、これを擁護する側の旗色も悪くなりやすいということです。そりゃ大問題ですから当然なのですが、問題だと明らかにしやすい点をおさえてフォーカスを当てるのも戦略的に必要なことでしょう。
世間は入管法改悪だのLGBT差別増進法だの悪いことばかりですが、こういう時だからこそ、目の前の問題を蔑ろにせずきっちりと解決していく必要があります。そのためにも、共産党の議員の皆さんには頑張っていただきたいと思います。事実、水着撮影会の件だって、申し入れがどこまで効いたかはさておくにせよ、申し入れがなければ我々はその問題を知ることすらなかったわけですから。