姫路女学院高校の暴力事件対応から見るトンデモ勘違い⑤ | ヤサグレもんの戯言

姫路女学院高校の暴力事件対応から見るトンデモ勘違い⑤

テーマ:社会



⬛️姫路女学院高校の暴力事件対応から見るトンデモ勘違い⑤

のつづきである。


 結論から言えば、2022/10/13に以下の発表が姫路女学院高等学校からなされた。


姫路女学院高ソフトボール部体罰 男性教諭を懲戒解雇 再発防止策も公表


姫路女学院中学・高校=姫路市豊沢町


 兵庫県姫路市豊沢町の姫路女学院高校でソフトボール部顧問を務めていた男性教諭(41)が、1年生部員の女子生徒(16)の顔を叩き全治1カ月のけがを負わせた問題で、同校は13日、男性教諭を12日付で懲戒解雇にしたと発表。同校等によると、男性教諭は9月24日朝、ユニホームを忘れてきた女子生徒の顔を叩き、「お前なんかいらん」等と暴言を浴びせた。生徒は叩かれた衝撃で顎が外れたまま5時間以上、教諭の側に立っていた。翌日も尻を蹴られる等し、精神的ショックが大きく登校出来ていない。


 生徒側は兵庫県警に被害届を提出。男性教諭を巡っては、1日にあった保護者説明会等で、他にも複数の暴行や暴言があったとの指摘があるが、同校は既に懲戒解雇とした事等を理由に、現時点では「調査を継続する考えはない」と説明。今後、具体的な被害が明らかになれば「必要に応じて対応したい」とした。


 同校は男性教諭の懲戒解雇とともに、運動部顧問は日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格を取得する、バレー元日本代表監督・植田辰哉氏が特別顧問とする等の再発防止策を公表。(森下陽介、田中陽一)


私立校の限界


 私立校で起きている事は、公立校でも起きている事と言えるが、大きく異なるのは各地域の教育委員会に公立校は属しているが、高校以下の私立校は都道府県の監督官庁である。


 よって、公立校は不祥事が起きた場合、不祥事の結論及び、処分、方針を公立校及び教育委員会で決めるものとなる。


 だが、私立校の場合、私立校自体で不祥事の結論及び、処分、方針を決定する。


 何が問題なのか?と言えば、公立校の場合、そこで対処した事が事例として各公立校で共有されるのだが、私立校は、それがなく独自判断となり、企業の記者会見と変わらないものであり、今回の様な最悪の記者会見を生んだ。まして、対象となる私立校が各大学にパイプを持っていない場合、常識外れの会見を生み、これを暴走記者会見と呼ぶ。


リスクマネジメント導入の遅さ


 先で書いた姫路女学院高等学校の「日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格を取得」は、体育系部活があれば当たり前の事であるにも関わらず、今更感は拭えない。


 ただ、体育系部活を有する体罰行為は、私立、公立を問わず、未だ蔓延しており、旧体制から抜け出せないでいるのだ。それは、何故か?


 体育系部活に求められるのは「勝利」であり、その実績を上げるには「体罰容認」の旧態依然の考え方が現場にはあり、それによって「実績」が伴えば指導者には「成功体験」として残り続ける。


 高校生の活動期間は3年で終わりだが、顧問及び、指導者は長期に渡り、その部活動に携わる事が多く「成功体験」から抜け出せないのである。


 姫路女学院高等学校ソフトボール部顧問の「体罰」は「勝利実績」があったからこそ「容認」していたのでは?という疑問符が付き、1顧問の懲戒解雇に留めるのは、疑問でしかない。


 また「リスクマネジメント」を現場に本格的に導入しているとは思えないのである。


つづく