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読書家になる子と全然読まない子「何が違ったか」 本への興味を持たせるのは、実はとても簡単だ

東洋経済オンライン / 2023年6月1日 8時0分

作者のアーノルド・ローベルは『ふたりはともだち』(三木卓訳/文化出版局)や『どろんここぶた』(岸田衿子訳、文化出版局)などの有名作を手がけたアメリカの絵本作家。昔ながらの優しいタッチの絵と、感情豊かな展開が何度読んでも楽しく、絵を描き始めたころの子どもにはぴったりな1冊だと思います。大人が読んでもどこか懐かしくて癒やされますよ。

他にも『オズの魔法使い』(ライマン・フランク・ボーム原作/岸田衿子文/堀内誠一絵、偕成社)、『くまのパディントン』(マイケル・ボンド著、ペギー・フォートナム絵、松岡享子訳、福音館書店)、『ドリトル先生物語』シリーズ(ヒュー・ロフティング作/井伏鱒二訳/岩波少年文庫)、『エルマーのぼうけん』(ルース・スタイルス・ガネット作/わたなべしげお訳/ルース・クリスマン・ガネット絵/福音館書店)など、たくさん読んできました。

Sayaは、『メアリー・ポピンズ』や『オズの魔法使い』『エルマーのぼうけん』のような知らない世界に行ったり、冒険をしたりするストーリーや、パディントンやドリトル先生シリーズのように動物が擬人化されている話が好みのようです。

お気に入りの本をみんなが借りるように

最近のお気に入りは、『ぼくを探しに』(シェル・シルヴァスタイン作、倉橋由美子訳、講談社)。“かけら”が足りないために上手く転がれない「ぼく」が、足りないかけらを探しに野を越え、海を越えて旅をする、という本です。見つけたと思ったかけらは大きかったり、小さかったり。黒い線だけで描かれたシンプルな絵が、子どもの想像力を刺激しそうです。「自分探し」にもつながる哲学的な内容は、大人が読んでも楽しめるものになっています。

Sayaはこの本を学校の図書室で見つけてとても気に入り、何度も借りていました。でも、貸し出しカードに書かれているのはSayaの名前だけ。

そんな本を学校のお友だちに教えたかったのでしょうか、『ぼくを探しに』を授業のビブリオ・バトル(本の紹介コミュニケーション・ゲーム。選んだ本の内容や魅力をみんなの前で紹介し、誰の本がおもしろそうかを決めるもの)で紹介しました。

すると、みんながその本を借りるように! 「他の人が借りているから、私が借りられないの」と、なぜかうれしそうに話してくれました。

誰も知らなかったこの本の魅力を発掘し、人気になったことがうれしかったのでしょう。

池澤 摩耶:経営者・投資家

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