陸自発砲、52歳隊員は2発被弾 容疑者「近くにいた人撃った」
毎日新聞 / 2023年6月15日 20時2分
岐阜市の陸上自衛隊射撃場で隊員3人が死傷した事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された自衛官候補生の男性(18)は3人に対し計4発の弾を発射していたことが、捜査関係者への取材で判明した。死亡した52歳の隊員は胸部に2発被弾し、他の2人は1発ずつ撃たれていた。「近くにいた人を撃った」などと供述しており、岐阜県警と陸自の警務隊が詳しい動機を調べている。県警は15日、容疑を殺人に切り替えて送検し、射撃場の家宅捜索と現場検証を実施した。
陸自は同日、死亡した2人について、守山駐屯地(名古屋市)に拠点を置く第35普通科連隊の菊松安親1等陸曹(52)と八代航佑3等陸曹(25)だったと明らかにした。左太ももを撃たれた原悠介3等陸曹(25)は全治3カ月の重傷だという。
日野基本射撃場では、14日午前8時ごろから安全教育が行われ、候補生約70人と指導役の教官や隊員約50人が参加。実弾を使った最後の訓練で、実技試験に当たる「検定」だった。
同9時ごろから実弾を使った訓練が始まった直後、射撃の順番を待っていた候補生が突然、陸曹3人に発砲した。最初に八代3曹が脇腹を、次に菊松1曹が胸を撃たれ、搬送先の病院で死亡した。候補生は3人に対し、連射ではなく1発ずつ計4発発射した後、その場で別の隊員に取り押さえられたが、その際にも壁に向けてさらに数発発射したという。
陸自によると、菊松1曹と原3曹は教育隊本部に勤務し、八代3曹は4~6人でつくる小グループを指導していた。いずれも逮捕された候補生を直接指導する立場になく、当日の射撃訓練でも個々の候補生を指導する役割ではなかった。
送検容疑は14日午前9時10分ごろ、射撃場で八代3曹に発砲し、殺害したとしている。捜査関係者によると、候補生は「その場にいた人を撃った」という趣旨の供述をする一方、殺意は否定しているという。特定の隊員に対する不満なども漏らしておらず、動機について慎重に調べている。
15日に記者会見した森下泰臣(やすのり)・陸上幕僚長は、候補生について、入隊前の採用試験で「特に問題があったとは承知していない」と語った。心理面での問題も把握していないという。
候補生は今年4月、守山駐屯地の第35普通科連隊新隊員教育隊に入隊。射撃など基礎的な訓練を3カ月受けた後、6月末に部隊に配属される予定だった。【森田采花、松浦吉剛】
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