パスキーとは?
パスキーとは、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを使って、複数のオンラインアカウントのパスワードを自動的に生成・保存・入力するためのサービスです。パスキーを使うことで、同じパスワードを使い回すことがなく、強力なランダムパスワードを使うことができるため、オンラインセキュリティを強化することができます。
パスキーにはいくつかの種類がありますが、一般的には以下のような機能があります。
- パスワードの自動生成
- パスワードの保存・管理
- パスワードの自動入力
- 2要素認証の自動化
一般的に、パスキーはWebブラウザーの拡張機能として提供されており、インストールすることで利用できます。また、モバイルアプリとしても提供されている場合があります。ただし、パスキーを利用するには、利用したいオンラインサービスがパスキーに対応している必要があります。Microsoft、Google、アップル、NTTドコモ、さらにヤフーやフリマアプリのメルカリもパスキーに対応するなど、近年さまざまなサービスでのパスキー導入が増加しています。
パスワードとパスキーの違い
パスワードとパスキーは両方ともアカウントやファイルを保護するためのセキュリティ機能であり、似たような概念ではありますが、それぞれに異なる意味があります。
パスワードは、一般的にテキストで構成される、ユーザーが自分自身で設定する秘密の認証情報です。アカウントやファイルにアクセスする際には、正しいパスワードを入力する必要があります。パスワードは、文字と数字の組み合わせ、記号を含むことができるため、十分に複雑である必要があります。また、定期的に変更する必要があり、他の人に知られないように保管する必要があります。
一方、パスキーは、暗号化のために使用されるランダムな文字列または数値です。パスキーは、データの暗号化に使用され、通常はソフトウェアによって生成されます。パスキーは、データの復号に必要であり、誰かがデータを取得しても、パスキーがなければ復号できません。パスキーは、通常はテキストよりも長く、ランダムに生成されるため、総当たり攻撃などの攻撃に対してより強力です。
簡単に言えば、パスワードは、アカウントにアクセスするために使用され、ユーザーが自分自身で設定します。パスキーは、データを暗号化するために使用され、ソフトウェアによって生成されます。
パスキーの仕組み
パスキーの仕組みは、大まかには以下のような流れになります。
①パスキーにログインするためのマスターパスワードを設定します。
②パスキーがインストールされたWebブラウザで、オンラインアカウントのログインページを開きます。
③パスキーが自動的にログインフォームを検出し、ユーザー名とパスワードのフィールドに値を入力します。
④オンラインアカウントにログインするために、ユーザーが何らかの操作を行います(例えば、「ログイン」ボタンをクリックするなど)。
⑤パスキーが自動的に操作を実行し、ログインを完了します。
パスキーは、上記のように自動的にパスワードを生成し、管理し、入力することができます。これにより、ユーザーは複雑なパスワードを使うことができるため、オンラインアカウントのセキュリティを向上させることができます。また、パスキーは、複数のオンラインアカウントのパスワードを管理することができるため、煩わしいパスワードの記憶や管理をする必要がありません。
パスキーのメリットと注意点
パスキーのメリットと使用上の注意点について解説します。
パスキーのメリット
パスキーのメリットは以下のようになります。
セキュリティの向上
パスキーはランダムに生成された強力なパスワードを使用することができます。これにより、同じパスワードを使いまわすことがなくなり、オンラインアカウントのセキュリティが向上します。
便利性
パスキーは複数のオンラインアカウントのパスワードを管理することができるため、ユーザーはパスワードの記憶や管理をする必要がありません。また、自動的にパスワードを入力するため、煩わしいログインプロセスを省略することができます。
時間の節約
パスキーはパスワードの生成、保存、入力を自動的に行うため、ユーザーはこれらの作業にかかる時間を節約することができます。
2要素認証の自動化
パスキーは2要素認証を自動化することができます。これにより、2要素認証が必要なオンラインアカウントでも、便利に利用することができます。
複数デバイスでの利用
パスキーは複数のデバイスで利用することができます。たとえば、スマートフォンやタブレットでログインする場合でも、パスキーを使用して便利にログインすることができます。
これらのメリットから、パスキーはオンラインセキュリティと利便性を両立した、便利なサービスとして注目されています。
パスキーの注意点
パスキーには以下のような注意点があります。
マスターパスワードのセキュリティ
パスキーのマスターパスワードは、すべてのパスワードにアクセスするためのキーとなるため、強力なパスワードを設定することが重要です。しかし、ユーザーが簡単なパスワードを設定してしまうと、セキュリティ上のリスクが高まります。
オンラインアカウントの乗っ取り
パスキーに保存されたパスワードが漏洩すると、オンラインアカウントが乗っ取られる可能性があります。このため、パスキーを利用する場合は、セキュリティが確保された信頼できるサービスを選択することが重要です。
インターネット接続の必要性
パスキーを利用する場合、常にインターネットに接続している必要があります。これは、オフラインでパスワードを入力する必要がある場合に問題が発生する可能性があることを意味します。
依存度の高さ
パスキーを利用すると、ユーザーはパスキーに依存することになります。これは、パスキーがサービスを提供しなくなった場合や、ユーザーがサービスから離れることを決めた場合に問題が生じる可能性があることを意味します。
これらの懸念点に対処するために、パスキーを利用する際には、セキュリティの重要性を理解し、信頼できるサービスを選択することが重要です。また、2要素認証を有効にし、定期的にマスターパスワードを変更するなどのセキュリティ対策を行うことも推奨されています。
まとめ
このように、パスキーを使用することで強固なセキュリティを実現することができます。このパスキーを実現する技術としてFIDO2( Fast Identity Online )というものがあります。弊社ではFIDO2対応を含むSSO導入のお手伝いをしています。ご興味がある方は、是非お問い合わせフォームよりお問い合わせください。