ウチにあった昔の(たぶん80年代の)「UNO」
修学旅行や遠足などの移動時間の定番だった「UNO」。
ちょっと前に、公式のTwitterアカウントが「『ドロー4』や『ドロー2』のカードを重ねて出すことはできない」と発表して話題となっていました。
えっ、そうだったの!?
こんな展開、よくあったじゃん!?
「ドロー4」に「ドロー4」を重ねまくって、しまいにゃ12枚も引かされちゃった……なんて悲惨な経験をした人も多いと思いますが、あれは公式では認められていないローカルルールだったんですね。
……というか「UNO」自体は死ぬほど遊んだ記憶がありますが、ルールを読んだ記憶はまったくありません。改めて、ちゃんとルールを確認しておくべきじゃないでしょうか!?
というわけで、最新の「UNO」を買ってきました
若干デザインや色味が変わっていますが、数字カードは、まあ見慣れた感じです(上が現行バージョン、下が80年代の)
「9」と「6」両方に下線が書かれるようになったのは親切。「9」を「6」と間違えて出しちゃうこと、よくありましたもんね
特殊カード系のデザインが大幅に変更されていて衝撃!
英語表記から記号に変更され、子供でも意味がわかりやすくなっているんでしょうけど……いきなり新しいほうを渡されたら、昭和世代はとまどってしまうことでしょう。
さらに衝撃的なのがワイルド系のカード!
え? 数、増えてない?
旧バージョンに慣れていたら、「ワイルド」と「ドロー4」を勘違いしちゃいそうなデザインです。
問題はこのふたつですよ! こんなカード、知らない!
左から「白いワイルド」と「シャッフルワイド」。
「シャッフルワイド」のほうは、その名の通り、全員の持ち札を集めてシャッフルし、配り直すという一発逆転のカード。
そして「白いワイルド」のほうはかなり特殊なルールです。
なんと、自分で好きなルールを書き込んで使うんです
こんなふうに……
このふたつに関しては2016年に追加された特殊ルールで、通常の「UNO」として遊ぶときには外しておくものらしいので、ひとまず今回は無視して進めます。
それじゃ、説明書を細かく見ていきましょう。左から、80年代の説明書と現行の説明書。
先ほどの追加ルール以外はほぼ同じなので、現行のルールのほうで説明します。
場のカードと色、もしくは数字が同じカードを捨てられるという基本的なルールは、さすがにボクらが勝手に遊んでいたルールとも違いがありませんが……。
問題はドロー系のカードの扱い
確かに「次の人に4枚カードを引かせることができます。次の人は手持ちのカードを捨てられず、その次の人に順番が移ります」と書かれており、「重ねて出せる」なんてひと言も書かれていませんね。
さらに、注目したいのはここ!
「ドロー4」って、いつでも出せる最強のカードという認識でしたけど、手持ちの中に使えるカードがあるときは使えないんですね。
このルール、なんとなーく聞いたことがありますが、面倒くさいのでボクの周辺では無視されていました。
ほかに使えるカードがあっても、こっそり「ドロー4」を使うことができますが……
次の人に「チャレンジ」コールをされたら、手持ちの札をコールした人に見せなければなりません
手持ちの札に「ドロー4」のほかに使えるカードがあることがバレたら、「ドロー4」を手元に戻し、罰としてカードを4枚引かされます
逆に「チャレンジ」コールをしたのに、使えるカードがなかった場合は、コールをした人は「ドロー4」の効果で4枚引かされたうえに、罰として追加で2枚引かされます
……子供にはちょっと難しいけど、大人がやるとしたら盛り上がりそうなルールですね。
ゲームの始め方も、ちょっと認識が間違っていました。
まず、各自1枚ずつカードを引いて……
数が大きかった人が親。特殊カードは「0」として扱われるので、この場合は「9」の人が親!
こうなります。普段、じゃんけんで順番を決めてましたよね?
そして親が各自に7枚ずつカードを配って……
山から1枚引いて場に出します
で、親が最初の1枚を捨てると思うじゃないですか?
でも、最初にカードを捨てられるのはこの人なんですよ!
ゲームは親の左隣の人からスタート。……そうだったんだ!
最初に場に出された1枚目の扱いも、思ってたのと違いました。
「ドロー2」が最初に出ていたら
こんな感じになります
「スキップ」の場合は……
まあ、こうなりますよね
「ワイルド」の場合も
想定内!
問題は「リバース」ですよ!
時計回りの順番が逆になり、この人から始まると思うじゃないですか!?
正解は、順番が逆になって親からスタート!
さらに「ドロー4」の場合は、この人が4枚引くことになりそうですが……
「ドロー4」を山に戻して、次の1枚を場のカードにするのが正解です
いきなり4枚も引かされちゃうのはかわいそうだからかな……?
さらに、上がり方のルールも思ったのと違いました!
手持ちが残り1枚になるタイミングで「ウノ!」と叫ぶというルールは知っていましたが、「ドロー2」「ドロー4」で上がってもオッケーだったんだ……。
ボクの周辺では、特殊カードで上がるのは御法度でした。
さらに、なんとなーく知っていたけど、面倒くさいから使っていなかったルールといえば……。
得点制のルール
最後のひとりになるまでゲームを続行し、上がった順番が早い人がエライ! みたいなルールでやっていた人が多いんじゃないでしょうか?
本当は、誰かひとりが上がった段階でそのラウンドは終了して得点計算。
決められたラウンドが終了した段階での合計得点が高いほうが勝ちというルールなんですよね。
得点計算とか面倒くさいから無視してたな……。
おそらく、アホな小学生でも楽しめるように簡略化されたローカルルールが広まっていったと思われる「UNO」。
子供向けの簡単なカードゲームというイメージが強かったのですが、改めてルールを熟読してみたところ、大人も楽しめそうな奥深いルールでした。
ついでに、「UNO」の超絶進化バージョンも出ていたので紹介しましょう。
「UNOアタック」と「UNOワイルド・ジャックポット」
「UNOワイルド・ジャックポット」のほうには、その名の通りジャックポットマシンが付属しています
このような「ジャックポット」カードを出すと、ジャックポットマシンのスロットを回すことができます
スロットで出た指示に従います
多いのが「ジャックポットマシンのボタンを押す」という指示なんですが……
ボタンを押すと何が出てくるかというと……
「白いワイルド」ですね
「UNOアタック」には、このアタックマシンが付属
出せるカードがないときや、ドロー系のカードを出されたとき、山からカードを引く代わりにこのアタックマシンのボタンを押すんです。
ポチッ
カードが飛び出してきたーッ!
このアタックマシン、ボタンを押しても何も出なかったり、逆に大量のカードが飛び出してきたりと、かなりギャンブル性の高いゲームとなっていて、メチャクチャ盛り上がりそうです。
気をつけないと、カードがすげー飛び散りますけど……
久しぶりに遊びましたが、やっぱり「UNO」はおもしろいですね。ローカルルールがあってなんぼのものではありますが、一度は公式ルールにのっとって遊んでみてもいいんではないでしょうか!
藤子・F・不二雄先生に憧れすぎているライター&イラストレーター。「デイリーポータルZ」「サイゾー」「エキサイトレビュー」他で連載中。