阪神・才木 12球団唯一の交流戦防御率0・00の要因とは?足裏と対話&準備力 岡田監督「修正しよるからなあ」
デイリースポーツ6/12(月)11:19
湯浅(65)を笑顔で迎える才木(中央)=11日
「日本ハム0−1阪神」(11日、エスコンフィールド)
阪神の才木浩人投手が7回5安打無失点で自身4連勝となる5勝目。交流戦は16イニング連続無失点で12球団の先発投手で唯一の防御率0・00。その秘密は「準備力」にあった。
エスコンフィールドは当然、初めて立つマウンド。「基本的に(常に)上を向いている感じがした」と目線、地面の傾斜に妙な感じを覚えたという。立ち上がりは吹き上がるボールが目立ち、初回から3イニング連続で先頭打者を出塁させた。
だが才木は投球を重ねながら重心の位置を下げ、出力を抑えながら投じて徐々にアジャスト。球数を重ねるごとに違和感を拭い去っていった。
さらに“素足トレ”の効果も北の大地で生きた。今オフは靴下を脱いでバランスディスクに片足で立つトレーニングを行うなど、足裏の感覚を研ぎ澄ませることに注力。地面と“対話”するための鍛錬を積んだ。球場によってマウンドの硬さ、傾斜などその特徴は多種多様。さらには、相手投手の投げ方によって踏み出し位置の地面の形状も変化するなど、常に同じ感触でマウンドに立てる機会は少ない。
「どんな状態でも適応できるように」。足裏から伝わる情報を察知し、修正するためのヒントを得る。違和感を感じる中でベストパフォーマンスを出すための準備だった。
岡田監督も「試合中でも修正しよるからな。その辺がやっぱりええピッチングにね。最低7回、そないして投げれる要素じゃないかなあ」と目を細める。チームも1点リードを完封リレーで守り切り、連敗を3でストップ。その殊勲者とも言える右腕には、勝ちへ導く確かな準備力があった。