土佐市「南風」カフェ問題 議員が市の責任を追及「問題を先送りしてきた背景もあるのでは」【高知】
情報掲載日: 2023年6月12日(月)
高知県土佐市の施設で営業していたカフェの退去をめぐるトラブルがSNSで拡散され問題となっている件で、きょう(12日)の市議会で議員から「市の対応のまずさ」を指摘する声が上がりました。
土佐市新居の観光交流施設「南風(まぜ)」は市が建物を所有し、地元住民らによるNPO法人が指定管理者を任されています。2階では地域おこし協力隊だった県外からの移住者が市などと話し合った結果、2016年4月の施設オープンに併せてカフェを開店することになり営業を続けてきました。
5月10日、カフェの店長がSNSに「田舎はどこもこうなんですか?」「地元の有力者に従わなかったら出て行けと言われました」と投稿。NPO法人に理不尽な立ち退きを要求されたと訴え、市の対応についても疑問を投げかけました。
投稿はSNSで拡散されて反響を呼び、閲覧回数は1億回を超えています。市には連日、苦情の電話やメールが殺到。施設の爆破や子供の誘拐を予告するものもありました。
小中学校が下校時間を切り上げるなど市民生活にも影響が出ていて、警察が威力業務妨害の疑いを視野に捜査を行う事態にまで発展。店長は自分の投稿がきっかけで犯罪予告などが行われたことについて「SNSの怖さというものをちゃんと理解出来ていなかったからなのかもしれないと反省しております」とする文章を投稿しています。
きょうの市議会で板原 啓文市長は今回のSNS投稿についての自身の考えを述べました。
土佐市・板原 啓文市長
「SNSでの拡散については良くないことで多大な被害が出ていることは事実。しかし市等に訴えても解決に至らず、仕方なくした行動であり弱い立場のそうした行動も理解できる」
一方、議員からはNPO法人とカフェの間でトラブルが大きくなる前に市が上手く仲立ちに入っていたらここまで問題が大きくならなかったと指摘する声があがりました。
土佐市・所 紀光議員
「行政が相手方の双方に対して都合の良い言い回しを続け、あいまいな対応をとりながら問題を先送りしてきた背景もあるのではないか」
市はNPO法人とカフェとの三者で話し合う場を早期に設け、問題解決に取り組みたいとしています。