新林証券(富山市古鍛冶町、林攻社長)は9日、証券ジャパン(東京、綿川昌明社長)に有価証券売買を中心とした金融取引事業の顧客管理業務を譲渡すると発表した。事業譲渡日は10月30日。新林証券は、金融商品や資産運用の提案などを行う金融商品仲介業(IFA)に特化する。証券ジャパンによると、地場証券のIFA転換は全国5例目。

 新林証券は1953年設立で資本金1億6千万円。本店と魚津営業所があり、役職員14人。コンプライアンス(法令順守)への対応やシステムコストの増大が重荷となっていた。

 IFA転換によってコスト負担が大きいシステムを保有する必要がなくなり、各種手数料も削減できる。委託を受ける証券ジャパンの商品を扱うため、多様な金融サービスの提供が可能になる。商品の注文を受けると、顧客の支払う手数料の一定割合が証券ジャパンから業務委託報酬として入る。

 今月24日の株主総会で事業譲渡契約の承認決議を受ける予定。10月30日付で名称を「新林投資アドバイザー」に変更する。本店、魚津営業所の2拠点は維持する。新林証券は「引き続き地域密着の金融機関として営業していきたい」としている。 

 証券ジャパンは、2019年に頭川証券(高岡市守山町)を子会社化している。