W860CU 電源が入らない。プロードライザ交換修理。
まずは原因切り分けの為に、ACアダプタの電圧を測定。次にメモリ、CPU、グラフィックカードなどを交換して症状が改善されないことを確認。
やはりマザーボードが原因のようです。
早速マザーボードを取り出して確認。
するとCPUソケットの裏側にブロードライザが実装されています。
このプロードライザは名前は難しいですが要は薄型の大容量コンデンサーです。
薄型で大容量の為、当時は画期的なコンデンサでした。
薄型なのでノートパソコンのマザーボードに最適で、以前は東芝のダイナブックなどマザーボードによく実装されていました。
ただ熱に弱く劣化が激しい為、今回のような症状やフリーズ、再起動などの様々な不具合を起こします。
特にCPU周りに配置されるため相当な熱を持ちますので壊れやすいですね。
その為、最近のマザーボードでは全く使用されておりません。
一番有名なのがACアダプターでは起動せずにバッテリー駆動であれば起動する症状です。
今回のパソコンはバッテリーが既に劣化して使用できませんので、この辺の確認は取れませんがおそらくプロードライザーの劣化による不具合の可能性が高いです。
同じプロードライザに交換してもまた同様のトラブルが発生しますし、そもそも製造自体されておりません。
現在市場に流通しているプロードライザは製造からかなり年数が経っておりますので信頼性がありません。
そこでタンタルコンデンサや積層コンデンサーで代用いたします。
今回の型番0D108から推測すると容量は1000μF。
電圧はCPU回りですのでおそらく2ボルトまたは2.5ボルトと思われます。
とりあえず100μFの積層コンデンサを10個注文。
合計で1000μFになります。
早速到着した積層コンデンサの容量を念の為測定してみると何故か80μF程度です。
新品なのですがこの辺は誤差なのかよくわかりません。
しかし容量不足も困るので積層コンデンサを8個使い640μF。残りは在庫で一つだけ残っていた330μFのタンタルコンデンサを使い合計970μF。
これで対応することにしました。
早速プロードライザを取り外します。
熱に弱いのでホットエアをかけるとすぐに壊れてしまいます。
きれいにプロードライザーを取り外したら、フラックスを塗ってはんだごてを使いタンタルコンデンサと積層コンデンサを取り付けます。
無事取り付けが終わりましたらテスターを使ってショートしていないかを確認。
抵抗値が正常なことを確認して仮組みでCPU、メモリ、 ヒートシンクを取り付けて液晶パネルを接続し起動するか確認。
すると無事電源が入るようになりました。
やはりブロードライザの劣化が原因だったようです。
組み上げて動作確認するとファンの音が少し気になります。
CPUやグラフィックチップのヒートシンクの間の冷却グリスを確認してみると固まって劣化しておりましたので、ついでに新しいグリスに塗り直します。
後はすべてを元に戻して起動を確認。
その後CPUの負荷テストやベンチマークテストを行って不具合がないことを確認。
これでマザーボード修理完了です。
Core i7のCPU。しかもグラボがNVIDIA GeForce GTX285M。
年式は古そうですが確かに処分してしまうのはもったいないですね。
マザーボード修理 (プロードライザ交換) 20,000円(税込み)
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