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続・イタリア紀行 作者:iccchiiiiii/一ノ瀬健太
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ドレミファ・どーなっつ!/おかあさんといっしょOP

続・イタリア紀行(ドレミファ・どーなっつ!/おかあさんといっしょOP)

 がちゃりごとりと貴金属、貴重品が段ボールの中へ途切れることなく箱の中へ入っていく。ぼくたち派遣の下っ端は基本的に冨にならなさそうな価値無し尻切れ極楽とんぼしか扱わせてもらえない。盗もうと思ったとてポケットの無い服に現場に到着するなり着替えさせられているし、業者はめっちゃカタギに見えない気さくな兄さんたちばかりだから、すごまれたら怖いし、そもそも仕事を重ねる度に彼らを裏切りたくないとする気持ちもいくらか涌いてきている。派遣にだって毎日顔を合わせていれば仲間意識も芽生えて女やもめに花が咲き、男やもめにウジがわくように、情も涌く。人間、一度会ったら友だちで、毎日会ったら兄弟だ。しど、ふぁど、れっしー、そらお。性格も見えてくる。派遣業従事者がみなバカだと思ったら大間違いである。確かに学歴はない。オラオラ系も多く、みな髪を染め、ピアスを開け、夢追い人羽なドキュンたちばかりである。哲学的、またペダンティック的語彙などつゆ知らずエポケー、調和級数関数、レバノンなど一言も発せずに人生を終えることは火を見るより明らかである。されどそれが愚者であることとは同値ではない。会話に論理記号を多用してブッてみたとて賢者になれないのと同じように、会話内容が支離滅裂で動物化するポストモダンをビーストモードで感覚のまま野性的に刹那的に生きていたとてあめじゆとてちてけんじやの賢者の例外状態がある。ドキュンでも知者にも千に一の失言があり、千に一の知言がある。世間に、世界に、学校に会社に、隣に賢者は必ずまぎれている。それは人間社会のどこにいっったって同じことだ。隠れて何かを持ち出してやろうという発想自体考えただけで寒気が走る。高校時代にトスバッティングを尊敬する先輩と行っていた折、自分に投げてくれるボールを拾う為に前屈みになった先輩の後頭部を思い切り金属バットでMr.フルスイングの猿野ばりに叩き付けて見ようかと思った瞬間ぞっとした、感覚に近しいくらいにやるわけが無い。こちとらまだ働き盛りの中間管理職が突然魔が差すピック病ではないから助かったが、もし自分が若年性アルジャジーノンに花束をだったらと考えてみると背筋が凍る。


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