令和3年度埼玉県営公園指定管理者候補者の選定結果について
令和3年7月から募集を開始した3公園(上尾運動公園、羽生水郷公園、春日部夢の森公園)の指定管理者については、埼玉県議会12月定例会の議決を経て指定いたしました。
つきましては、指定管理者候補者の選定に当たっての経緯等について公表いたします。
目次
- 県営公園の指定管理者について
- 指定の期間について
- 応募の状況について
- 指定管理者候補者の選定について
- 提案の概要
上尾運動公園
公益財団法人埼玉県公園緑地協会
埼玉県さいたま市大宮区高鼻町4丁目130番地
代表理事 江副 弘隆
羽生水郷公園
公益財団法人埼玉県公園緑地協会
埼玉県さいたま市大宮区高鼻町4丁目130番地
代表理事 江副 弘隆
春日部夢の森公園
日本環境マネジメント株式会社
埼玉県さいたま市浦和区仲町1丁目12番1号
代表取締役 片山 安茂
令和4年4月1日から令和9年3月31日まで(5年間)
(1)概要説明会への参加団体数
(2)現地説明会への参加団体数
- 上尾運動公園 令和3年7月26日(月曜日)2団体参加
- 羽生水郷公園公園 令和3年8月3日(火曜日)2団体参加
- 春日部夢の森公園 令和3年7月29日(木曜日)6団体参加
(3)応募申請団体数
令和3年9月3日(金曜日)締め切り
上尾運動公園 1団体
羽生水郷公園 1団体
春日部夢の森公園 3団体
- 株式会社(公園等施設管理)1団体
- グループ申請(公園等施設管理、造園)1団体
- NPO法人(公園等施設管理)1団体
(1) 審査基準
- 公園利用者の平等な利用を確保することができること
- 法令、条例及び規則を遵守し、適正に県営公園の運営を行うことができること
- 公園の設置の目的を効果的に達成し、公園利用者の利便性を向上し、県営公園の利活用を図るため、広報活動や自主事業などを積極的に実施するなど効率的な運営を行うことができること
- 指定管理業務を安定して行う経営基盤を有していること
- 震災や風水害、感染症の流行など緊急事態に対し迅速かつ適切に対応できること
- 指定管理業務を通じて取得した個人に関する情報の適正な取扱いを確保することができること
- 公園施設や樹木の維持管理を適切に行うことができること
- 環境に配慮した運営ができること
- 公園の特性を十分に生かすことができること
(2)審査項目
基本的な考え方
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- 指定管理者制度への理解
- 利用者の平等利用の確保
- 関係法令等の理解
- 公園の特性、課題への理解
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効果的かつ確実な運営
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- 広報について
- サービス向上への取組
- 業務の発注及び物品の発注
- 個人情報保護への配慮及び事故や事件の発生を未然に防止するための予防策
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効率的な運営
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- 県指定管理料
- 利用料金の設定
- 計画実現性
- コスト縮減への取組
- 更なる利活用のための取組
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応募者の能力及び
経営基盤
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- 経営基盤の安定性(財務)
- 過去の実績及び職員の配置、資格
- 事業参加意欲
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緊急事態への対応
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- 県内の拠点となる事務所から公園管理事務所までの所要時間
- 利用者等に対する安全確保対策及び施設の応急復旧対策
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環境に配慮した運営
(全公園)
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- 環境負荷低減への配慮
- 連携・協働による環境保全
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環境に配慮した運営
(各公園)
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【上尾運動公園】
- 環境への配慮
- 近隣住宅地への配慮
【羽生水郷公園】
- 環境への配慮
【春日部夢の森公園】
- 環境への配慮
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公園の特性を生かした管理・運営(各公園)
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【上尾運動公園】
- 陸上競技場(補助陸上競技場を含む)や体育館、テニス場などのスポーツ施設を有効に活用し、県のスポーツ拠点として一層の活性化や地域への貢献に繋がる企画が提案されているか
- 令和3年度の屋外プール運営終了後、東側樹林地の活用に関して公園の活性化に繋がる企画が提案されているか
【羽生水郷公園】
- さいたま水族館について、自然環境の学習の場として運営されるほか、特別展やイベントの開催、新たな展示方法の実施など魅力向上や活性化に繋がる企画が提案されているか
- 菖蒲田や修景池など多様な水辺環境を活かした管理運営を行い、公園が「身近な水辺の生物と人との共生」をテーマとした文化教養型レクリエーション拠点として活性化し、地域への貢献に繋がる企画が提案されているか
【春日部夢の森公園】
- 県民参画による植樹や管理・運営について協議を行う森づくり協議会を事務局として次の活動を企画、立案し、協議会のメンバーとともに実行できるか
ア みどりの少ない都市部に身近な「みどり再生のシンボルとなる公園」を整備するというコンセ
プトのもと、「植樹計画書」及び「森づくり活動参画と協働に関するルールブック」を踏まえ、
樹種・植樹本数・スケジュールなどについて提案し、森づくり活動を実施すること
イ 環境教育活動や地元住民、小学校等への育苗支援
ウ 公園サポーター活動の担い手発掘と活動支援
- 公園のにぎわい創出のために、適切なコーディネート人材を配置し、企業、団体、県民の公園利用に関する多様なニーズを踏まえ、イベント等の活動に具体化できる提案がされているか
- 園地やサークル室、レクチャールーム等を活用し、地域への貢献に繋がる企画が提案されているか
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(3)選定委員会の委員
氏名
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職業等
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阿部 伸太 |
東京農業大学 地域環境科学部造園科学科 准教授 |
菊池 佐智子 |
公益財団法人 都市緑化機構 副主任研究員 |
廣井 悠 |
東京大学大学院 工学系研究科 教授 |
井上 和紀 |
埼玉県商工会議所連合会 事務局次長 |
大塚 健一 |
公認会計士 |
阿部 治
(春日部夢の森公園のみ) |
立教大学 名誉教授 |
堀井 徹 |
埼玉県都市整備部副部長 |
(4)審査結果について
ア 上尾運動公園
(ア)1次審査(900点満点)
審査基準、審査項目に基づき、資格・書類審査を実施しました。
審査項目
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配点
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(公財)埼玉県公園緑地協会
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基本的な考え方 |
30
|
26.0
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効果的かつ確実な管理運営
|
150
|
114.0
|
効率的な運営
|
210
|
159.0
|
応募者の能力及び経営基盤
|
90
|
81.0
|
緊急事態への対応
|
120
|
97.0
|
環境に配慮した運営
|
120
|
91.0
|
公園の特性を生かした管理・運営
|
180
|
125.0
|
合計点
|
900
|
693.0
|
地域要件加点後※
|
900
|
762.3
|
※申請者の本店所在地により合計点に10%の加点措置を実施
(イ)2次審査(100点満点)
プレゼンテーション及び選定委員によるヒアリング等による審査を実施しました。
- (公財)埼玉県公園緑地協会 82.0点
90.2点(地域要件加点後※) ※申請者の本店所在地により合計点に10%の加点措置を実施
(ウ)(公財)埼玉県公園緑地協会の選定理由
- 公園の特性を生かした管理運営や緊急時における利用者に対する安全確保対策などが充実した提案内容であり、特に森の管理・活用について評価できる。
- 運動公園部分についての更なる活用に期待ができる。また、他の公園でSNS等、デジタル機器を活用した広報について前例があるため本公園での活用が期待できる。
- 自然観察会の開催などレクリエーション機能を充実させており、さいたま水上公園の閉園後の樹林地の利活用が期待できる。
- 財務状況については、安全性分析の結果は良好であり、指定管理期間中、安定して公園の管理ができると考えられる。
(参考)選定委員の主な意見
団体名
|
意見
|
(公財)埼玉県公園緑地協会 |
- スケボーや3on3なども含め検討するなど樹林地の活用策が運動公園というテーマにリンクしていると、さらに適正に利用できると思われる。
- 大きく生長した樹木の情報については、ドローンや3Dスキャナを活用して1本1本の情報を蓄積し、その上で公園の特性に合わせた利活用を進めてもらいたい。
- コロナ後の公園の活用として、運動をするための空間としての公園だけでなく、緑の機能効果を活用した新しい提案を期待したい。
- 今後も過去の実績に捕らわれずに、SNS等で情報収集しながら、新たな時代にマッチした企画運営を期待したい。
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イ 羽生水郷公園
(ア)1次審査(900点満点)
審査基準、審査項目に基づき、資格・書類審査を実施しました。
審査項目
|
配点
|
(公財)埼玉県公園緑地協会
|
基本的な考え方 |
30
|
27.0
|
効果的かつ確実な管理運営
|
150
|
114.0
|
効率的な運営
|
210
|
157.0
|
応募者の能力及び経営基盤
|
90
|
82.0
|
緊急事態への対応
|
120
|
94.0
|
環境に配慮した運営
|
120
|
93.0
|
公園の特性を生かした管理・運営
|
180
|
150.0
|
合計点
|
900
|
717.0
|
地域要件加点後※
|
900
|
788.7
|
※申請者の本店所在地により合計点に10%の加点措置を実施
(イ)2次審査(100点満点)
プレゼンテーション及び選定委員によるヒアリング等による審査を実施しました。
- (公財)埼玉県公園緑地協会 81.2点
89.3点(地域要件加点後※) ※申請者の本店所在地により合計点に10%の加点措置を実施
(ウ)(公財)埼玉県公園緑地協会の選定理由
- ムサシトミヨやコツメカワウソなど希少動植物の繁殖・保護といった、生物の取り扱いについて高く評価ができる。
- 新型コロナウイルス対策など現在の水族館が抱える課題を正しく理解した提案が評価できる。
- 自主事業の拡充について期待できる点が評価できる。
- 他施設の状況を視察するなど魅力を高める新しい要素を取り入れようとしている積極的な姿勢が評価できる。
- 財務状況については、安全性分析の結果は良好であり、指定管理期間中、安定して公園の管理ができると考えられる。
(参考)選定委員の主な意見
団体名
|
意見
|
(公財)埼玉県公園緑地協会 |
- いわゆる子供だけでなく将来ファミリーの親として子供をつれてくる世代の中高生 、 大学生 、若い社会人なども訪れたくなる工夫に期待したい。
- 基本的な運営には安定感があるが、新しい要素をうまく取り入れ工夫する発想に弱い面があるため、外部の協力も得て情報発信力などを強化してほしい。
- バーチャル水族館やYouTubeはこども動物自然公園などと連携して発信するなど工夫してほしい。
- 企業が組織活動を行うにあたって担う社会的責任について調査し、水族館と企業が互いにメリットを享受できる取り組みの実施について検討してほしい。
- リピーター獲得のため魅力ある特別展の企画を実施するとともに、子供だけでなく少し年齢を上げた来園者が獲得できる取組が必要。
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ウ 春日部夢の森公園
(ア)1次審査(1,050点満点)
審査基準、審査項目に基づき、資格・書類審査を実施しました。
応募者3団体中、2団体を第2次審査対象団体としました。
審査項目
|
配点
|
日本環境マネジメント(株) |
団体A
|
団体B
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基本的な考え方 |
35
|
29.0
|
27.0
|
24.0
|
効果的かつ確実な管理運営
|
175
|
138.0
|
127.0
|
125.0
|
効率的な運営
|
245
|
178.0
|
170.0
|
149.0
|
応募者の能力及び経営基盤
|
105
|
93.0
|
86.0
|
80.0
|
緊急事態への対応
|
140
|
115.0
|
108.0
|
85.0
|
環境に配慮した運営
|
140
|
105.0
|
103.0
|
84.0
|
公園の特性を生かした管理・運営
|
210
|
164.0
|
146.0
|
122.0
|
合計点
|
1,050
|
822.0
|
767.0
|
669.0
|
地域要件加点後※
|
1,050
|
904.2
|
843.7
|
735.9
|
※申請者の本店所在地により合計点に10%の加点措置を実施
(イ)2次審査(100点満点)
プレゼンテーション及び選定委員によるヒアリング等による審査を実施しました。
- 日本環境マネジメント(株) 78.6点
85.0点(地域要件加点後※) ※申請者の本店所在地により合計点に10%の加点措置を実施
- 団体A 75.4点
83.0点(地域要件加点後※) ※申請者の本店所在地により合計点に10%の加点措置を実施
(ウ)日本環境マネジメント(株)の選定理由
- 森づくり計画に具体性があり、森づくり活動や県民参加の提案等が評価できる。また、森づくりの担い手について専門会社と連携することとしている点が評価できる。
- 公園の賑わいのために企画されている取組(イベント)について評価できる。
- 県内の他の公園でも参考になる、多様な利用者を想定した取り組みは、評価できる。
- 森の成長に合わせた長期的な活用策や利用者の確保、利用者を巻き込んだ運営、環境教育などの提案は高く評価できる。
- 財務状況については、安全性分析の結果は良好であり、指定管理期間中、安定して公園の管理ができると考えられる。
(参考)選定委員の主な意見
団体名
|
意見
|
日本環境マネジメント(株) |
- 森づくり計画に具体性があるが、新規に加わる個人や団体との調整については工夫が必要。
- 施設における環境マネジメントシステムの導入など環境配慮の視点が必要。
- 民間企業が地域の公園に求める価値や協働における役割を明確にし、企業が協賛金や労力を提供するメリットを感じられるようにした方がよい。
- コーディネーターの役割が重要となるため、選定にあたっては県や協議会が連携し関与していく必要がある。
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その他の団体に対する主な意見 |
- 関係機関・団体について文書等を配布するだけでなくしっかりと連携を行うことが必要。
- 森づくり協議会と一体となって取り組むことが必要だが、協議会との調整が必要となる意識が低いように感じた。
- 県民参画による運営及び地域防災など他の目的との相乗効果や連携等についてもう少し踏み込んだ提案が必要である。
- 単発の取組だけではなく参加者が継続して活動できるような工夫が必要である。
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上尾運動公園:(公財)埼玉県公園緑地協会
(1)基本方針
- 人々の健康づくりと雑木林の再生、未来につなぐ、あらたな公園環境を提供します
(2)管理執行体制
(3)維持管理業務計画
- 直営と委託の併用による園地及び樹木管理
- 有人及び機械による夜間警備
- 施設設備の定期的保守点検の実施
(4)広報の取組
(5)利用者サービス事業計画
- スポーツを通した健康増進の機会提供(スポーツスクール、彩の国KIDS陸上競技大会 など)
- 樹林地「武蔵野の雑木林」を活用した公園のにぎわい創出(みんなの雑木林づくり活動、子どもの遊び場づくり など)
(6)環境に配慮した運営
- 環境負荷低減に配慮した物品の購入
- 省エネルギーの徹底
- SDGs啓発活動
(7)公園の特性を生かした運営
- スポーツ施設の利活用の促進
- 「武蔵野の雑木林」の再生
(8)利用者等のニーズの把握及び実現策
(9)利用者のトラブル未然防止と対処方法
(10)個人に関する情報の取扱いについての基本方針
(11)事故や事件の発生を未然に防止するための予防策
(12)災害時等緊急事態における危機管理に対する具体的対策
(13)有料施設の利用料金等の設定
羽生水郷公園:(公財)埼玉県公園緑地協会
(1)基本方針
- 羽生の水辺から地球環境の明るい未来へ ~人と自然をつなぐ、未来志向の環境体験・学びの公園づくり~
(2)管理執行体制
(3)維持管理業務計画
- 直営と委託の併用による園地及び樹木管理
- 有人及び機械による夜間警備
- 施設設備の定期的保守点検の実施
- 関係法令に基づく水生生物の管理
(4)広報の取組
(5)利用者サービス事業計画
- 様々な層の利用者に対応した、多彩なサービス事業の展開
- 体験型環境学習プログラムのリニューアル
(6)環境に配慮した運営
- 環境負荷低減に配慮した物品の購入
- 省エネルギーの徹底
(7)公園の特性を生かした運営
- 水族館の更なる魅力アップ(開館40周年記念イベントや体験型学習プログラムなど)
- 多様な水辺環境を活かした園の管理運営
(8)利用者等のニーズの把握及び実現策
(9)利用者のトラブル未然防止と対処方法
(10)個人に関する情報の取扱いについての基本方針
(11)事故や事件の発生を未然に防止するための予防策
(12)災害時等緊急事態における危機管理に対する具体的対策
(13)有料施設の利用料金等の設定
春日部夢の森公園:日本環境マネジメント(株)
(1)基本方針
(2)管理執行体制
(3)維持管理業務計画
- 直営と委託の併用による園地及び樹木管理
- 有人及び機械による夜間警備
- 施設設備の定期的保守点検の実施
(4)広報の取組
- ホームページ、パンフレット、SNSによる情報発信
- 地域と連携した広報活動
(5)利用者サービス事業計画
- 飲食提供、売店の運営
- にぎわい創出・地域交流のためのイベントの開催(夢の森グリーンフェスタなど)
(6)環境に配慮した運営
- 環境負荷の低減(省エネ、節水、省資源)
- 県民参加による自然学習への取組み
(7)公園の特性を生かした運営
- 参画と協働による森づくり
- 園地・サークル室を活用した教室事業
(8)利用者等のニーズの把握及び実現策
- アンケート等の実施、森づくり協議会における要望把握、夢の森サポーター会議の開催
(9)利用者のトラブル未然防止と対処方法
- 利用者への真摯な対応、公園利用に関するルールの策定と周知
(10)個人に関する情報の取扱いについての基本方針
(11)事故や事件の発生を未然に防止するための予防策
(12)災害時等緊急事態における危機管理に対する具体的対策
- 緊急事態を想定した施設の維持管理 、迅速かつ効率的な応急復旧体制
(13)有料施設の利用料金等の設定