超法規的組織シャーレ で 仕事をしたくない サトウカズマ先生 作:奈音
もっと★10もそれ以下も戴けたらモチベーションが上がって嬉しいかなって…。
自給自足するしかないの辛E、そろそろどなたか書いてくれませんか…
ムリゲー第二部、前半戦開始
取調記録:141-S-1
担当者:ヴァルキューレ警察学校 1年生 中務キリノ
容疑者:連邦捜査部S.C.H.A.L.E 先生 佐藤和真
●REC………………………………………………………………………
「えっと、佐藤和真先生…」
「なんだよぬか漬け」
「――ぬかっ…! その呼び方は止めて欲しいと、この前言ったではありませんか!!」
「じゃ、緊縛プレイだな」
「違います違いますっ…! あれは不慮の事故で…!
先生も助けてくれたではありませんかっ…?!」
「……何が違うんだよ。いたいけな子供たちの面前で、
公衆緊縛プレイに興奮して顔を赤らめてたじゃんか」
「――言い方言い方っ、言い方に悪意がありますっ…!
あれは子供たちに手錠の頑丈さを教えるためでしたよねぇ…!!」
「そうだな、わざと鍵を排水溝に落とす高度なプレイだったな…」
「違いますぅううううううううううううううううううううううううううう………!!!!!!」
――担当者が横流しの疑いについて聞く予定であったが、
容疑者が、終始この調子で生徒キリノの暴露話を続けたため、取調べ取り止め。
取調記録:141-S-2
担当者:ヴァルキューレ警察学校 1年生 合歓垣フブキ
容疑者:連邦捜査部S.C.H.A.L.E 先生 佐藤和真
●REC………………………………………………………………………
「………先生、また私の仕事を増やしに来たのぉ…?」
「増やしに来たんなら正面から入ってくるだろ、いつもみたいに」
「それもそうだね…緊急招集が、急に明け方にかかったからビックリしたよ…」
「…少しは頑張れよ、次期生活安全局局長」
「私みたいな怠け者には荷が重すぎるよぉ…、
あんなに生徒が入っちゃってさぁ…どうしてくれるのさ先生…」
「フブキなら意外とできるだろ…適材適所だ適材適所……」
「どこが適材適所なのさ……、
どうせその調子でカイザーにもテキトーなこと言って言いくるめたんでしょ…」
「………うーん。(契約に引っかかるんだが、俺その内容言っていいのか…?)
――この前はキリノをおちょくるのに忙しかったから聞かなかったんだが、
俺に弁護士ってつかないのか…?」
「――止めたげなよ、キリノマジ泣き入ってたじゃん…。
…先生が言ってるのは、もしかしてミランダ警告の事…?
ぁー、どうなんだろ。私も取調べしてきてとしか言われてないし…。
でもそうだよね…、カズマ先生は所属がシャーレだし、
現行犯で逮捕されたわけでもなく、任意同行で来てもらってるだけだもんね…」
「――じゃあ黙秘権行使できるのか」
「できるね」
「――弁護士の立会いを求めることも」
「できる」
「…確か、ミランダ警告って告知しなかった場合、
被疑者の供述は公判で証拠として用いることが出来なかったんじゃなかったっけ…?」
「………先生? 任意同行で最初に連れてこられた時に告知されなかったの?」
「――容疑を一方的に告げられた後は、問答無用だったぞ…。
食堂がそのまま戦場になりそうだったから、
流れ弾で死にそうになる前にさっさとお縄に付いた」
「諦めるの早すぎ…。
ぇえ…?? それっておかしくない…?
捕まえに来たの本当にヴァルキューレだったの…?」
「――少なくとも制服はヴァルキューレのだったな…。
その後、一日経ってから、事情が変わった?とかで、
こっちに連れてこられた。
――ここまで連れてこられる時に、聞いていた話と違う、とか。
こんなところに置いておけるか私たちが死ぬ!、とか騒いでたな。
その中でも親切な生徒が、取り上げられてたシッテムの箱を
妙にかしこまって”友人の事ありがとうございました”って
お礼を言いながら返してくれてさ…」
「最初に先生の所に来たヴァルキューレらしき生徒は何しに来たのさ…。
――ていうかそれ絶対偽物じゃん…。
はぁ………。じゃあ、ここまでの話も全部無駄なわけだ…。
まさか取調室で、ミランダ警告からやり直さないといけないなんて思わなかったよ。
――というか先生が最初に捕まった時点でなんかもうおかしいよ…。
聞かないといけないこと増えちゃったじゃん…」
「――うおっ…、そうか。そう考えると…あれ……?。
……下手したら俺、死んでたか…?
え、こわっ…なんか急に寒くなってきた…」
「――死んでたかもね…。まずいねぇ…。
それって要するに、ヴァルキューレを偽装できる集団が、
キヴォトス内に存在してるってことでしょ…。
――しかもゲヘナの風紀委員会を騙せる程度の練度で…、
もう本当に最悪…、先生ってもしかして私に嫌がらせしに来たの…?」
「その辺も含めて、お前らヴァルキューレの仕事だろ…?
ほれほれ仕事しろ仕事しろ、マジでこわいわ…」
「………はぁ。じゃあ、先生も内容は知ってると思うけど、
改めてミランダ警告から始めるね――――」
――担当者が恫喝の疑いについて聞く予定であったが、
容疑者の、任意同行された状況が明らかに変事であったため聴取内容変更
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――VIP用留置施設 サトウカズマ
――我が名は佐藤和真。
超法規的組織、連邦捜査部S.C.H.A.L.EのTOPに君臨する先生にして、現在ブタ箱に投獄されし者。罪状は横流し、恫喝、内政干渉であり、ゲヘナ宴会中に両腕に拘束の証を戴いたもの。
……となってしまったが、意外とこれはこれで悪くないなとカズマは思い始めていた。
思えばキヴォトスなる地球とは異なる場所へ、理由もわからず再びの異世界転移をさせられてからこっち、カズマは働きっぱなしだった。
小競り合いが絶えない日はなく、治安は常に悪化の一方で、一歩間違えれば即死間違いなしの状況に常に付きまとわれてしまえば、どうにかして安全圏を確保するために奔走せねばならず、そうしていくうちに、精神(こころ)が休まる暇もなくなってしまっていた。
それがここ連日はどうだ。
大した自由もなく、暇なときに話し合う相手もおらず、プライバシーなんてないようなものだが、とにかく安全で仕事がない。そして健康的な睡眠時間がしっかりとれる。加えて、シャーレであくせく足掻いていた時よりよほど気が楽だ。
今日も一日、平和…いやなんだか不穏なことが分かってしまい、もしかしたら真面目に命の危機だったんじゃないかということが分かってしまったがこうして今日もどうにか生きている。
普段なら暇すぎて喚きたてていたかもしれないが、体が思ってた以上に疲れていたようで、いろいろお願いしてみたら独房を普通の部屋に変えてくれたし、寝床も柔らかいベッドにしてくれたりと不満も少なくなってきた。
…………さて、風呂も終わったし、やることもないし、さっさと寝るか…。どうせ明日も一日取り調べだろうと、そう思ってササっと床についた途端、部屋内に取り付けられた呼出用電話がけたたましく鳴り響いた。
「――カズマ先生ですか」
「はいはいカズマです…。なんだカンナか」
「………はい。その、夜分遅くに大変失礼なのですが、
今から迎えに行きますのでお話しできますでしょうか…?」
「なんだよ今日はもう終わりじゃなかったのかよ…、
まぁいいや、今寝巻だからちょっと時間空けて来てくれよな」
「――はい、では10分後くらいに」
「おう」
そして、10分後。カズマはキヴォトスの現状を知ることになる――。
カズマさんは情報媒体全部取り上げられて拘束されてたので何も知りません(無慈悲)
ブルアカwikiから参照…
【ミランダ警告】
アメリカ合衆国警察機関が、逮捕した被疑者を取り調べる前に、
被疑者に対して行う以下の4つの告知。
1.あなたには黙秘権がある
2.あなたの供述は法廷であなたに不利な証拠として採用される可能性がある
3.あなたには弁護士の立会を求める権利がある
4.あなたに経済的余裕がなければ公選弁護人を付けてもらう権利がある
またこの告知がなされていない場合、被疑者の供述は公判で証拠として用いることができない。
大抵は被疑者を逮捕するタイミングでこの告知が行われる。
似たような告知を行うルールは世界各国で見られるが、内容には差異がある。日本の場合は大抵、被疑者に対して黙秘権があることを告知するようだ。