超法規的組織シャーレ で 仕事をしたくない サトウカズマ先生 作:奈音
頼んでもないのに事件を起こすトラブルメイカーが必要かなって。
ユウカと、裏の社会の首領:BIG HIFUMIを引き連れたカズマが粛々と社会奉仕をし、その成果が出てきた頃、ゲヘナのチナツから「相談に乗って欲しい」と連絡を受けたことから、カズマの受難は始まった…。
「――温泉開発部? 美食研究会?
どこにでもありそうな部活じゃんか…、何が問題なんだ?」
「存在そのもの、でしょうか…」
「いや全然わからんわ」
チナツから詳しく話を聞くと出てくるわ出てくるわ。
――美味しくない店舗への襲撃、爆破、希少素材や産物の強奪、強盗…etc。とにかく美食を求めるためなら社会通念上の常識は邪魔だと言わんばかりの猟奇的行為。
――地脈水脈を独自に開発された技術で追い求め、所かまわず発破(爆破)テロを起こし、幾度お縄に付こうとも結果的に掘り当てた温泉に依る経営で補填してしまう求道的行為。
……結論を言うと一切関わりたくない。この話は終わりだな。ゲヘナのことはゲヘナになんとかしてもらおう。というか方々から恨み買ってるのってこいつらのせいでは…?
「…諦めって肝心だよな」
「一顧だにせず結論をださないでください!
……先生にこの相談をしようと思ったのは、来て数日も経たずに裏社会を制圧してしまった
手腕を見て、先生ならどうにかしてくれるんじゃないかと思ってですね…」
「つっても、俺があいつらを説得できたのは、
何が欲しくてどうなりたいかを明確に補填できる範囲にあったからだぞ。
こいつらの犯罪経歴見てる限り、そういうのじゃないだろ。
常に次の目標を追い続けるような勤勉な研究者に与えられる報酬ってなんだよ」
「そう、まさにそれです!
すべての学区で手を焼いていた不良学生が一斉に…、
今までと比較してもとても真面目になって!
それに、彼女たちの生活を保証する一環で土地を買い戻したりしてるじゃないですか!
シャーレ統制下とはいえ、熱心な自警活動を元不良学生たちがするようになって、
治安がとても回復してきてるんです!」
「おー、それな。
なんかすげーテキトーにしたらなんとかなったんだよ。
[先生にだけ聞こえるARONA再生音]
(…これからはここがお前たちの土地だ!お前たちが今後学校に行くための、明日のご飯に困らないようになるための土地だ! だからお前たちがお前たちの為に働かないといけないんだ!
安心しろ!連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの名において、お前たちの今後は、俺が保証してやる! だから今日からは、明日という希望の為に生きていいんだ!!)
うん、思い返すと我ながらなに一つ具体的なことは言ってないな…。
あいつらが勝手に立ち直って、状況が良くなったんならよかったな」
「ーーその時の音声データを持ってます、私はとても感銘を受けました!」
「ちょっ、やめろよな…なんか恥ずかしいだろ」
「この時の前後の状況と、先生の活動を加味した上で、
先生ならキヴォトスで1、2を争う問題児たちでもなんとかしてくれるんじゃないかと…!」
「ーー1,2を争う?」
「はい」
「お帰りはあちらです。ワカモ、お客様がお帰りだ」
「――はい主様(ガシャンコ」
「待って待って待ってください! お願いしますお願いします!
本当に先生だけが頼りなんです!
エデン条約が差し迫る中で、不安要素はできるだけ排除しておきたいんです!
どうかこの通り、お願いしますぅぅぅぅぅぅ!!」
「…おわっ、やめろやめろ抱き着くなすりすりするな押し付けるな!
なんか変な気分になるだろーが!
やめ、ほんとに待って待ってチナツお前すげースタイルいい…、
じゃなくて!待て待て待て俺!相手は未成年だぞ!俺もそうだが!
――あれ?じゃあもしかして問題ないのか…?」
「主様?(ガシャンコ」
「ーーヒィッ、な、なんでもないぞワカモ!おい!いい加減にはなれろこのっ…!
ワカモも引き離すのを手伝え!」
「そ、そんな…殿方の体に契りを交わしてもないのに、触れるだなんてそんな…。
――主様、はしたのうございます!」
「お前もお前でいつもいつも激重感情向けてくるクソ重女なのに、
なんでこんな時だけ貞操観念が戦前の大和撫子みたいになるんだよ!
いいから手伝ってって…! あっ! チナツお前やめっ!やめろぉぉおおおお!
俺のベルトを外そうとするんじゃない!カメラを構えようとするんじゃない!
ばかお前!年頃の娘さんが男の前で脱ぎだす奴があるかぁあああああああああああああああああ!!!!!」
「…大和撫子(ポッ」
交渉はカズマの敗北で終わった。
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「くっそ、なんで俺がこんなことを…」
チナツとの交渉に敗北したカズマは、公園を不法占拠するホームレスを雇って裏社会の路地を歩いていた。
「おいお前ら、飯は食ったんだから、飯分の働きはしろよな」
「ーー詐欺師」≪――こちらRABBIT2、くたばれ≫≪…こ、こちらRABBIT4、く、くた、ばれ…?≫≪こちらRABBIT3、爆撃していい?≫
「――おいやめろ、お前らが言うと洒落になってないんだよ…、分かった分かった。
働きが良ければ今夜は特上牛ステーキ丼弁当だ」
「なにを呆っとしているんですか先生、早くいきますよ!」≪援護する≫≪配置につきます≫≪全員ふっ飛ばせばいいんでしょ?任せてよ≫
「…お前らはそれでいいのか、いやいいのか。ほんと、この世界は世知辛ぇえな…」
……カズマは気付いていない。本人は何のこともないように言っていることが、生徒たちにとってどれだけありがたかったのかということを。彼女たちの自主性や、希望を優先して彼が動いてくれているということがどれほどの意味を持つのかということを、カズマはよく分かっていなかった。
だからこの時のカズマも、弁当で釣れてラッキーくらいしか考えておらず、外側から見た時の自身の評価に無頓着であった。元・SRT特殊学園の生徒を、本人たちの同意を得て、生徒間の問題解決をするために率いるという政治的意味も理解しないまま…。
嫌そうな顔をしながらも、困っている人間から頼まれてしまえば、最終的に断れずに引き受けてしまい、何とかしてくれるシャーレの先生という存在は大きな足跡を残しながら、一つの勢力として急速に台頭しつつあった…。
ここまで頑張ったから、あとは誰か続きを書いて(はぁと
アロナにニッコニコな後方母親面されながら、カズマが頑張る話を私が読みたい。